ブックキュレーターhonto編集員
80~90年代のリアルを描いた漫画家・岡崎京子の世界を知るための本
岡崎京子は1983年のデビューから96年に休筆するまでの期間、漫画の世界につねに新しい風を吹き込んできた存在です。その漫画の多くは同時代に生きる若者の感性を落とし込んだもので、時に現実よりも生々しい物語へと昇華することで、時代のリアルな空気感を表現していました。そんな彼女の作品世界を知るのにうってつけな本を紹介します。
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名作揃いの岡崎作品のなかでも人気の高い90年代の漫画で、川原に打ち捨てられた死体と、それを発見した高校生たちの平坦で残酷な日常が描かれています。それぞれにままならない気持ちを抱く登場人物たちがすれ違いながら、悲劇的な結末に向かって淡々と進んでいくストーリーに空虚な時代感が投影されているかのようです。
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PR誌に掲載された14の掌編をまとめた文芸作品です。いずれも小説とも詩ともつかない物語のラフスケッチといった内容ですが、それだけに彼女の感性が剥き出しで表れたような切なくも哀しいお話が並んでいます。「終わらない」には『ヘルタースケルター』に登場したタイガー・リリィの冒険譚も書かれています。
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岡崎京子の研究
ばるぼら(著)
漫画やイラストやエッセイ、コメント、インタビューなど、岡崎京子が関わった仕事のデータを収集した研究本です。1700もの仕事を網羅した詳細な年表と、彼女の功績を年代ごとに紹介する対談形式の文章で構成されています。入門用として機能するのはもちろん、長年のファンの期待にも応える濃厚な内容です。
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