ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
飯漫画の大家・土山しげる先生の私的珠玉5選!
お行儀悪いので人前ではなるべくしませんが、私は本や漫画を読みながら一人飯するのが大好き!自宅に一人でいる昼時、自作の適当なご飯をテーブルに並べ、その時読みたいものをセレクトして席に着きます。もう、至福の時間とはこのことかと毎回幸せを噛みしめながら箸を動かしページをめくります。でもこの時読む本、漫画にはルールがあって、基本的に難解なものは選びません。消化に悪そうなので。そしてやっぱり食欲が減退するグロテスク過ぎるもの(例『まことちゃん』)や仕事を想起させるギャグ漫画も避けます。一番いいのはここ数年流行し続けている飯漫画ですね。中でも土山しげる先生の作品は、頭を使わずに読めて食べ物はおいしそうで、最高なんです。何回読み返しているかしれません。私の手放せない食事の友、土山飯漫画5作。
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原作は江戸時代に実在した武士・酒井伴四郎。彼の食日記を元に、当時の下級武士の食生活を描いた傑作。「へー、こういうものを食べていたのか」「こんな生活だったのか」という驚きもあり、読みやすい絵であっという間にページが進む。メニューもステーキだのケーキだのは当然ないので地味目だが、「胡椒飯」「江戸前すし」「卵焼き」等、当時らしいうまそうなものが毎回出てきて「作ってみようかな」という気になってしまうほど。今日もこの本で昼食いただきました。
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『荒野のグルメ』と同じく、『孤独のグルメ』原作者の久住昌之先生が原作担当。定年退職して時間がたっぷりある初老の主人公が、昼間からビールを飲んだりコロッケを買い食いしたり、いろんな場所でいろんなものを食べます。私が一番心つかまれたのは、何気ない中華料理屋で主人公が一気呵成に食べる「野菜タンメン」。初めて読んだその日の夜、タンメン食べに行きました。
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実在のコの字酒場を回り、おいしい酒とつまみを楽しむ主人公と酒豪で酒場通の女の先輩。実在というところがいいんですよ。私40代半ばの最近になって酒場を飲み歩くようになり、コの字酒場や立ち飲みの面白さを知ったので。いつかここに出てくるコの字酒場、行きたいなあ。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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