【2017年9月放送分】一歩先の音楽生活を提案するラジオ・プログラムがお薦めする音楽本

紅白歌合戦での圧巻の歌唱でも知られる美輪明宏。その才能を早くから高く評価した作家・三島由紀夫、音楽面の良きパートナーだった作曲家・中村八大、さらに劇作家・寺山修司など、歴史に名を残す天才たちとともに生きた「日本初のシンガー・ソングライター」美輪の半生と「ヨイトマケの唄」の謎に迫る意欲作。（6日放送）

ネットのクラヲタの間で有名ないのうえとーるさんが、発売前からSNSで強力に推してくださった本。「今年上半期の音楽書4冊」に選んでくれました。プラトンからケージまで「音楽とは何かを考えた人たち」の文章を集めた書物。西洋音楽って「考えるものなんだな～」ということがひしひしと伝わる本でもあります。（13日放送）

こちらもいのうえさんの「今年上半期の音楽書」の1冊。作曲家・三善晃氏との「移動ド・固定ド論争」でも有名な音楽学者が、「音楽のしくみ」を懇切丁寧に教えてくれる本。上から知識を教えるのではなく、読者に寄り添って同じ目線で考え方を語ってくれています。（13日放送）

モーツァルトの伝記は数あれど、本書は自筆楽譜や手紙がカラーで豊富に掲載されているのが特徴。有名なベーズレ書簡や端正で美しい楽譜など、百聞は一見に如かず。母がパリで亡くなったさいに父と姉に送った手紙は、訳者おすすめのピレシュ演奏のイ短調のピアノ・ソナタK310を聴きながらどうぞ。（20日放送）

東日本大震災後、感動的な合唱作品を創作し続けている作曲家・信長貴富さんに大きな影響を与えた、感動を呼ぶノンフィクションです。霊と対話したタクシードライバーの経験が、記憶の中で生きる我が子の位牌を抱きしめる遺族の姿が、僕たちを被災地における生と死の現場へ、そして霊性の世界へと導きます。（27日放送）