ブックキュレーター漫画家 モクタン・アンジェロ
忘れてはいけない日本文化
益々日本に浸透している個人主義。ネットによる自分にカスタマイズされた世界。価値観がコロコロ変わるなど、現代では日本文化が忘れられがちだ。昔日本にあった生き方と人生に関する知恵を失うのはもったいない。現代はいくら快適に見えても、普遍的な価値を捨てるのはいけない。日本文化の大切さを再認識し、忘れないための本をご紹介。
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茶の本
岡倉 天心(著)
本書は茶道をとおして西洋に日本の美意識と生活感覚の素晴らしさを紹介するために書かれた。作法より日本独特の精神について述べる。日本について知識が少なかった当時の西洋人と、伝統的な日本を忘れている私たち現代人は皮肉なことに共通点があるだろう。茶道という総合芸術に潜む本来の和の心。それを求める方なら必読。
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川瀬敏郎一日一花
川瀬 敏郎(著)
美に溢れる、一年間で一日一花の写真集。なげいれはなで、人工的なことは最低限にとどめ、一見何でもない花・草の自然な姿がその神秘性を見せる。これらの花と草は私たちの周りにあったりすることは、忙しさを誇りに思う現代人が忘れがちだ。自然の美しさを見る目。花も草も自分自身もよく見つめたくなる本だ。
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浦島太郎の日本史
三舟 隆之(著)
実は浦島太郎の物語には様々なバリエーションがある。浦島は歴史が長く、その時代影響を受け変わってきた。例えば長い寿命が求められたとき、浦島は仙人になる。本書で日本史を振り返れば、きっと失われた大切なことを思い出す機会になるだろう。
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中国の偉大な賢者、孔子。その教えの代表作、『論語』。約2500年前から読み続けられている、人間の生き方の規範とも言える本。日本文化に与えた影響も少なくない。価値観がコロコロ変わる現代で、大切なことを忘れないためにはやはり普遍的な古典がベストだ。この現代語訳は知恵の世界への入りやすい入口だ。
ブックキュレーター
漫画家 モクタン・アンジェロブラジル出身。14歳のとき日本の漫画に感銘を受け漫画家を志す。漫画と日本語を勉強し、2007年、東京造形大学大学院に日本政府国費留学生として留学。卒業後、IT企業に5年間勤務。その間、『Akazukin-chan』など昔話を現代東京にアレンジしたシリーズで漫画家デビュー。2015年に独立し、「東京国際ブックフェア」開会式で漫画家代表を務める。「nippon.com」で『禅の言葉に耳を傾ける』、「COMICジンガイ」でローマ帝国の哲学を基にした『レオノーラの猛獣刑』を連載するなど、東西の思想に熱心な漫画家としても活躍中。作品は6か国語で出版されている。サイト:http://wwstudio.jp/
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