【2018年1月放送分】一歩先の音楽生活を提案するラジオ・プログラムがお薦めする音楽本

20世紀初頭に活躍したイギリスの作曲家ディーリアスが病で作曲できなくなり、20代の音楽青年が献身的に助手を務め、作曲家最晩年の珠玉の傑作群を生み出していくさまを描いたノンフィクションの傑作。番組では訳者の小町碧さんとプロデュースを担当した評論家の林田直樹さんを迎え、出版の舞台裏などを語り合いました。

ブルクミュラーはバイエルに続くピアノ教則本の代表的存在でありながら、作曲家自身のプロファイルも謎のベールに包まれてきました。いったい彼は何者か？そして日本でどうしてこんなにも愛されているのか？著者お二人の秘密探偵さながらの手に汗握るリサーチにより、その謎が今解き明かされます。

スペインと南米のピアノ音楽のスペシャリストとして活躍する下山静香さんをゲストに、初めての著書である本書を中心に、スペイン音楽やスペイン人の魅力を紹介していただきました。子供の頃のご両親とのエピソード、留学体験記など、音楽を志す若い人たちにぜひ読んでもらいたい内容です。

SNSの音楽クラスタのあいだでは知らぬ人のないいのうえとーるさんに、「2017年下半期注目の音楽書」として紹介していただいたうちの一冊。ノーベル文学賞を受賞した世界的作家の原点に音楽があったということがよくわかる愛すべき5つの掌篇集です。

音楽史の中から1853年の1年だけを切り取ったユニークな本。春秋社の編集者中川航さんにご紹介いただきました。鉄道網が整備されていくこの時期、作曲家たちの行動範囲も広がり、ヨーロッパ全体を舞台に音楽史がダイナミックに動いていくさまを、独自に鉄道地図を掲載するなど、手間を掛け楽しんで編集された労作です。