ブックキュレーター漫画家 倉田真由美
なんというか、漫画家として考えさせられた最近の5冊
私は大学卒業直後、23歳の時にヤングマガジンで漫画家デビューしました。それからもう23年以上、漫画家として浮き沈みしながら暮らしています。今はもう単行本も出ませんが、代わりにテレビやラジオなど漫画以外の仕事をこなしているおかげで、なんとか暮らしていけています。漫画家って本当に、長く描き続けるのはものすごく大変!な仕事です。描きたくても需要がなくなれば商売として続かないし、そもそも年齢を重ねてモチベーションや気力、体力が続かなくなることもあります。シビアな世界です。売れている人は桁違いの収入があるようですが、暮らしていくのがやっと、いや、漫画だけで食べられないから他の仕事もしているという人も少なくありません。生涯漫画家でいられる人ってどのくらいいるのかなあ。なんというか、最近こんなことばかり考えます。やっぱり漫画、好き。でも描くの嫌い。でも未練がある。他の作家さんの作品を読んで、ますます袋小路に入り込んでいます。
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これ、最後の作者あとがきも含め随所に共感するところがありました。つらいなあ。終わった、と周りが思う漫画家って多分本人が一番終わったことを分かっているんです。でもそこに開き直りの気持ちなんかなくて、すがりたいような祈りたいような自分の可能性のようなものも、微かにあるんですよね。うう、私は漫画家の中ではかなり異端だから漫画家仲間って全然いないんですが、やっぱりこういう気持ちは誰かと共有したいなあ。
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内田春菊さん、大腸がんになってからのことが分かりやすく描かれています。こういう漫画、もっとあったらいいのに。病気のリアル、知りたい人いっぱいいるはずですから。漫画家は自由業なので、倒れたら何も保障がありません。身体は大事にしないとなあ。
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相原コージ先生のインタビューが、なんともせつなく。私、勝手に相原先生のこと「自分と近い人なのでは」と思っていたんですよね。絵が拙いとかそういうことだけではなく、ギャグの空気感とか漫画から想像する人間性とか。いや、恐れ多いこと言ってるのは自覚していますけど、妙にシンパシーを感じていたんですよ。お会いしたことないんですけど。でもなんだか私が想像するより遥かにしんどそうな日々を過ごしておられて、「漫画家って苦しい仕事なのだな」と身に沁みました。うん。苦しいですよね。うん。
ブックキュレーター
漫画家 倉田真由美大学卒業後、「ヤングマガジンギャグ大賞」に応募し大賞受賞。2000年ダメ男を好きになる女たちを描いた『だめんず・うぉ~か~』連載開始。その後も『もんぺ町ヨメトメうぉ~ず』、アイドル漫画『終末アイドルフルフル9』『トーキョーはらへり散歩』『くらたまの恋愛やり直し!!塾』など、多数の漫画や書籍を執筆。現在は執筆活動のほかにテレビ・ラジオ出演、トークショーと多方面で活躍中。趣味は読書で好きなジャンルはミステリー、ホラー、好きな作家は貴志祐介、前川裕、小野不由美。
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