ブックキュレーター児童文学作家 岡田淳
岡田淳が選ぶ、ものがたりを楽しむ5冊
『ものがたり』には、人生は生きるに値するとか、ひとと言葉は信頼できるとか、世界についての肯定的なイメージを抱かせてくれるちからがあります。ぼくにとっては、そうでした。そういう『ものがたり』を紹介します。
- 42
- お気に入り
- 2712
- 閲覧数
-
中学生になったころ、古本屋で見つけた文庫本は古い漢字の本でした。でも、夢中になって読みました(読めました)。言葉で場面を作りあげることができる不思議と驚きに出会った本です。おとなになってから再読し、再読のおもしろさも教えてもらいました。
-
この物語の「航海」に出発するまでが大好きです。とりわけ少年がドリトル先生と出会って台所で過ごす時間が。40歳を過ぎたあるとき、とつぜんこの本の台所を思い出しました。この場面はぼくの人生をささえてくれていたのだと、気づきました。
-
海へ出るつもりじゃなかった
アーサー・ランサム(作) , 神宮 輝夫(訳)
夏休みと海がすきなひとにアーサー・ランサム全集をおすすめします。そのなかで一冊、といわれればこれです。ヨットのあれこれもたのしめますが、自立する子どもたちと子どもたちが信頼するおとなたちの存在が、すてきだと思います。
-
ロアルド・ダールの物語はどれもおもしろいけれど、これも裏切りません。副題「ダニィと父さんの物語」がしめすように、この親子の「友情」がすばらしいのです。ぼくには息子はいませんが、こんな物語を読むと、息子がいてもよかったぁと思えてきます。
-
森の石と空飛ぶ船
岡田淳(著)
桜若葉小学校は、もうひとつの世界、サクラワカバ島とつながっています。シュンはあることからむこうの世界に行けるようになり、そこで思いもよらない冒険をすることになります。小学校という日常からもうひとつの世界に地続きで行けるのです。
ブックキュレーター
児童文学作家 岡田淳1947年、兵庫県生まれ。図工専任教師として小学校に38年間勤務。斬新なファンタジーの手法で独自の世界を描く。『放課後の時間割』で日本児童文学者協会新人賞、『学校ウサギをつかまえろ』で同協会賞、『雨やどりはすべり台の下で』でサンケイ児童出版文化賞、『扉のむこうの物語』で赤い鳥文学賞、「こそあどの森」シリーズで野間児童文芸賞受賞。作品に『二分間の冒険』『願いのかなうまがり角』など多数。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です