ブックキュレーター映画監督 三島有紀子
影響を受けた本、心に残る5冊
本は生きていく上で、暗い夜道をそっと照らしてくれる“月明かり”であり、寄り添ってくれる“友人”であり、自分の知らない土地や知らない世界を語ってくれる“旅人”であるのかな、とよく思います。そんな、観点で選んでみました。
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少女仮面/唐版風の又三郎
唐 十郎(著)
昔、幸いにも唐さんと飲まさせていただく機会がありました。そこで唐さんにドラマの出演交渉をどうにか切り出したかった私は、唐さんの前で、大好きな『唐版 風の又三郎』の2ページに及ぶセリフを暗唱したのです。すると唐さんは、台本もプロットの説明もしていないのに、すっくと立ち上がって一言、「三島くん、出るよ。」と。全身に鳥肌が立ちました。
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金閣寺 新版
三島由紀夫(著)
「私が人生で最初にぶつかつた難問は、美といふことだつたと言つても過言ではない」
金閣寺がやがてなくなるかもしれない、滅びゆくものであると悟った瞬間に、主人公<私>の中で、本物の金閣寺が輝きを放つ。読みながら、やがては滅びゆくもの、死に向かうものに“美”があることにハッと気づきました。その瞬間に、何かが私の中で、強烈に響いたのを覚えています。 -
永い夜
ミシェル・レミュー(作) , 森 絵都(訳)
「これからさき、なにがわたしをまちうけているのか、、、と思うとゾッとする」
小さい頃から夜になると暗闇の中で、世界中で生きているのは自分だけのように思えて、自由さにワクワク感じたものだ。だが、次第に心が小さく凍っていくような孤独が染み込んで来る。だけどそんな時、この一冊が友人のように寄り添ってくれるのです。
ブックキュレーター
映画監督 三島有紀子大阪市出身。18歳からインディーズ映画を撮り始め、大学卒業後NHKに入局。「NHKスペシャル」「トップランナー」など市井の人々を追う人間ドキュメンタリーを数多く企画・監督。03年に劇映画を撮るために独立しフリーの助監督として活動後、『しあわせのパン』(12年)、『ぶどうのなみだ』(14年)と、オリジナル脚本・監督で作品を発表。撮影後、同名小説を上梓した。企画から10年かけた『繕い裁つ人』(15年)は、第16回全州国際映画祭で上映され、韓国、台湾でも公開。その後、『少女』(16年)を手掛け、最新作『幼な子われらに生まれ』(17年)は第41回モントリオール世界映画祭で最高賞に次ぐ審査員特別大賞に加え、第41回山路ふみ子賞作品賞、第42回報知映画賞では監督賞を受賞し、好評を博した。ドラマでは、桜木紫乃原作の『硝子の葦』(WOWOW)を監督。
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