いつの世も変わらぬ人の性。平安時代の人間ドラマに心惹かれるコミック

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日本仏教の要と呼ばれる最澄と空海の2人の生きざまをドラマチックに描くコミックです。大切な者を失い、祈りのあるべき姿に悩み山に籠る最澄と、心を満たす何かを求める貪欲で野性的な空海は、同じ天才ながらも対照的で興味をそそられます。クセが強い師や弟子に囲まれて展開する重厚な世界観のストーリーに浸ることができます。

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鬼が女を連れ去っている。京の都でささやかれるその噂を追う過程で菅原道真と在原業平は出会います。探偵のような観察眼を持つ道真と、権力争いと女性の扱いに長けた業平のコンビが真実を追求する物語には疾走感があり、また事件の裏に隠された人間ドラマも複雑で、事件解決のプロセスに心が踊ることでしょう。

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貴族の瑠璃姫は意に添わぬ結婚を回避するために昔なじみの高彬と婚約しますが、次々とアクシデントが起こるせいで正式な結婚までたどり着きません。他人の屋敷に単身乗り込んでしまう闊達な瑠璃姫と、彼女をまっすぐに愛する高彬の懐の深さが魅力的で、政治的な陰謀に屈せずに結婚を目指す2人を応援したくなります。

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安倍晴明が平安京にはびこる鬼や呪詛など、この世のものでないものと戦う物語です。晴明は確かな能力を持ちながらも、救えないままに不吉な予言ばかり当たってしまうことに悩み悲しむ、良い意味で人間くさいキャラクター。明るくタフな友の支えを得て、人の恨みが生み出す悲しみに向き合うその背中が格好良い伝奇ロマンです。

不遇の皇子である八の宮と、彼が率いる私兵の「鬼」たちが復讐に身を投じる物語です。彼らの胸中にはその悲しい過去ゆえに、純粋さと暗い哀愁がせめぎ合っています。暗殺を終えた直後に自然を愛でたり、二度と会えないかもしれない相手に恋をするなど、ストーリー全体に漂う刹那的な美しさに胸が詰まります。