ブックキュレーター三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与景気循環研究所長 嶋中雄二
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20世紀の経済学者シュンペーターは、1953年から新たな長期波動が始まると予言しましたが、その長波は原子力・エレクトロニクス・石油化学・宇宙開発の波となりました。日本と世界について、次の経済の行方を予測している本を選びます。
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本書では、2020年東京五輪後の不況の底の2021年から再び立ち上がる日本経済が、25年までは、明治の「坂の上の雲の時代」と昭和の「ALWAYS三丁目の夕日の時代」と同様に、長期と超長期の循環の上昇に導かれて上向くと予測しています。
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50年以上の経営経験の中で、常に日本経済の先行きを考えてきた著者が、長期見通しに役立てようと開発したのが、「ハシモト・コンドラチェフ循環」理論です。2009年頃を谷として2040年頃まで、長期循環の上昇期が続くとの説は興味深いです。
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実績あるグローバル・ストラテジストが、5~10年先を照準に、10個の独自の評価基準(人口構成・政治・格差・政府介入・地政学・産業政策・インフレ・通貨・過剰債務・メディア)により、日米、中国をはじめ各国の未来を予測する意欲的な書です。
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本書は、40年以上前に人類の危機を警告したローマ・クラブの『成長の限界』の著者による警世の書です。人類が十分な対応を行わなかったことを踏まえ、世界の人口は2040年に、消費も2045年にピークを迎え、生産性の伸びも鈍化するとしています。
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ポスト西洋世界はどこに向かうのか 「多様な近代」への大転換
チャールズ・カプチャン(著) , 坪内 淳(監訳) , 小松 志朗(訳)
米国の著名な国際政治学者が、冷静な筆致で「次の世界」を考える良書です。現在の世界は、16~18世紀の西洋の勃興以来の大転換期にあり、21世紀は米国や中国のものでもなく、過去に前例のない、グローバルな相互依存の世界になると述べています。
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本書は、約30年後の社会がどうなっているかを、自由な発想で想像しています。AIやロボット、仮想通貨、自動運転、ビッグデータ、スマート革命、等々の凄まじい社会の変化を盛り沢山に詰め込みながら、2050年の具体像を描くのに成功している好著です。
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著者は、わが国では経済成長について、「人口減少ペシミズム」が行き過ぎていると考えます。経済成長を決めるのは、人口ではなく、イノベーションであり、それによる労働生産性の伸びだからです。先行きに対する過度の悲感論を払拭してくれる、希望の書です。
ブックキュレーター
三菱UFJモルガン・スタンレー証券参与景気循環研究所長 嶋中雄二1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。三和銀行勤務等の後、早大大学院経済学研究科修士課程修了。日本経済研究センター研究員、三菱UFJリサーチ&コンサルティング投資調査部長等を経て2010年より現職。景気循環学会副会長、内閣府景気動向指数研究会委員。専門は景気循環論をベースとしたマクロ経済予測。
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