ブックキュレーターフォトグラファー・記者 長塚奈央
5万字の漢字世界に生きる私たち。文字の迷路に迷い込みそうな小説を中心に
京都・祇園に、楽しく体験しながら漢字について知ることができる「漢字ミュージアム」なるものがあるそうです。中でも気になるのは「漢字5万字タワー」。国内最大規模「大漢和辞典」に収録のほぼ全ての漢字が記された4面のタワーだそう。実は最近シンクロするかのように面白い小説を読んだので紹介します。(息抜きに文字のない絵本も!)
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円城さんの「文字渦」は、この本に収録されたわずか10ページの短編「文字禍」に由来する。「山月記」とともに昭和17年、雑誌「文学界」にデビューしながらも33歳でなくなった中島敦。アッシリヤの大王の命で「文字の霊」が存在するのか調べていた老博士は、やがて文字の霊が人間に及ぼす作用に迫るのだが、彼もまた・・・。
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最後は「文字」からすっかり離れて!1976年に刊行されたマイク・サーラーによる文字のない絵本。人が時に持つ何気ないとてもシンプルな疑問。この絵本の主人公である少年の場合は「輪ゴムってどれくらいのびるんだろう!?」。一本の輪ゴムが、絵本ならではの壮大なスケールでグングン伸びて行く展開が爽快です。
ブックキュレーター
フォトグラファー・記者 長塚奈央1973年東京生まれ。学習院大学文学部フランス文学科卒業ののち、パルコブックセンター本部勤務を経てカメラマンに転身。書籍や雑誌を中心に料理や雑貨、インテリアの撮影を多数手掛けるほか、カメラ学校の講師などもつとめる。著書に自ら旅し、食のシーンから街の空気を写真と文章で綴った『上海口福案内』がある。近年は撮影の傍ら、地域に密着したWebニュースの記者として積極的な取材活動も行っている。日常からあっという間に非日常へとワープできる本と映画、舞台が生活に必要不可欠。
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