ブックキュレーター『現代思想』編集部 加藤紫苑
ポスト・ヒューマニティーズ──ポスト構造主義以後の新しい哲学
地球規模での気候変動やAIなどのテクノロジーの発展により、私たちの生きる条件は大きく変化しています。そうした状況を精確に捉え、批判的に介入を行うには、これまでの人文学を乗り越える新たな学が構想されなければなりません。人間中心主義を脱し、人間なき世界を思考する、〈ポスト・ヒューマニティーズ〉の中核をなす本を紹介します。
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現代思想 vol.47−1 特集現代思想の総展望2019
思弁的実在論・新しい唯物論・オブジェクト指向存在論・・・といった哲学の新潮流に、AI・人新世・ジェンダー・新反動主義・・・といった社会の諸問題が絡み合う。人間中心主義からの脱却を目指す「ポスト・ヒューマニティーズ」は、これまでの人文学のリミットを乗り越え、そうした状況に積極的に応答するだろう。
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有限性の後で 偶然性の必然性についての試論
カンタン・メイヤスー(著) , 千葉 雅也(訳) , 大橋 完太郎(訳) , 星野 太(訳)
21世紀最初にして最大の思想的ムーブメントと名高い「思弁的実在論」。その中心人物カンタン・メイヤスーによる現代思想のバイブル。カント以後の哲学を「相関主義」と切り捨て、「祖先以前性」というキーワードを手に「わたしたちが存在しない世界を考えることは可能か」と問い、ポスト・ヒューマンの新次元を開く。
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ポスト・モダンの終わりを告げる「新しい実在論」。「世界は存在しない」という洞察をもとに、マルクス・ガブリエルは私たちを無数の「意味の場」のうちへ置きなおす。科学主義への迎合をやめない現代哲学に警鐘を鳴らし、ニヒリズムへの徹底抗戦を続けながら、世界中をとびまわる若き天才のベストセラー。
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人新世の哲学 思弁的実在論以後の「人間の条件」
篠原 雅武(著)
産業革命以来の人間の活動は、地球規模での温暖化や気候変動をもたらす一方で、人間のあり方や生きる条件そのものの改変をももたらしている。「人新世」にいかに応ずるかは単に自然科学の課題であるのみならず、人間のあり方そのものを問うという意味において、すぐれて「哲学」の最前線の課題でもあるのだ。
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人類を超える「スーパーインテリジェンス」はいつ出現し、私たちの生活にどのような影響をもたらすのか。「シンギュラリティ」をめぐる楽観と悲観の入り交じる狂騒を、「コントロール問題」──AIを人間の存在を脅かさないよういかに制御するか──として大胆かつ冷静に整理。AI研究者や起業家たちから絶大な支持を得る。
ブックキュレーター
『現代思想』編集部 加藤紫苑岡山県出身、大学時代を京都で過ごす。ふらふらしながら哲学を勉強していました。シェリングを専門にした関係もあり、ボン大学のマルクス・ガブリエルのもとヘ留学。それがきっかけとなり「なぜ世界は存在しないのか――〈意味の場の存在論〉の〈無世界観〉」(『nyx』5号)などの翻訳をしました。いろいろあって現在は青土社で雑誌『現代思想』の編集をしています。
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