ブックキュレーターカリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院准教授 鎌田雄一郎
レベル別:ゲーム理論を学ぼう!
2020年のノーベル経済学賞も取り、話題のゲーム理論。でもゲーム理論って、何だろう。どうやって学び始めたらいいだろう?もしくは、少しゲーム理論のことは分かってきた気がするけれど、次は何を読んだらいいだろう?そんなあなたのために、レベル別にゲーム理論の本を紹介します。
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レベル1:ネズミ親子の繰り広げる物語を読むことでゲーム理論のエッセンスが学べる、超入門書。登場人物の会話には、 ゲーム理論研究に裏打ちされた考え方が隠れているかも。そんな思考法を、各章末の「バック・ステージ」で覗き見できます。ゲーム理論の入口に最適!
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レベル2:ゲーム理論の視点で、世の中の様々な事象を吟味できる。このことを分かりやすく解説してくれているのが、本書です。恋愛や障がいといった身近な問題から、環境問題、企業間競争、戦争と言った大きな問題まで、様々出てきますよ。
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レベル3:ここまでは「ゲーム理論おいしいところつまみ食い」でしたが、ここからは教科書的な本の登場です。本書は、教科書的にゲーム理論の基本事項を辿る本の中で最も初級のもの。とは言え適当なことは一切書いておらず、 ゲーム理論が正しくクリアに見えてきます!
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ミクロ経済学戦略的アプローチ
梶井 厚志(著) , 松井 彰彦(著)
レベル4:大抵のミクロ経済学の教科書は、需要と供給から始まり、後半でゲーム理論が出ますが、この本は正反対。このスタイルが大成功している本書は、各章で町のパン屋の物語を枕に、詳しい理論の内容が無理なく紹介されます。選者も、学生の時この本で勉強しました!
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ミクロ経済学の力
神取 道宏(著)
レベル5:おそらく日本中の全ての経済学者が大絶賛している本書は、ミクロ経済学の教科書の決定版。内容は高度ながら、筆者の説明力の才能が光る良書。ゲーム理論を、ミクロ経済学の大枠の中で捉えます。ハイレベルな読者は、この本の完全理解を目指しましょう!
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番外編1(ノーベル賞関連):2020年のノーベル経済学賞は、オークション理論の研究者に贈られました。オークションを含む「マーケット・デザイン」は、今ゲーム理論で最もホットな研究分野の一つです。本書では、受賞理由の周波数オークションのことも大きく扱われています 。
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番外編2(「考える」ということを深める):ゲーム理論は、社会の中で考える人々の分析をする学問です。私がゲーム理論を学ぶ人にオススメしたいのは、様々な角度から「考える」ことを考えるということ。本書は「考える」ことを哲学の視点から深めてくれます。
ブックキュレーター
カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院准教授 鎌田雄一郎1985年鎌倉市生まれ。東京大学農学部卒業、ハーバード大学経済学博士課程修了(Ph.D)。イェール大学ポスドク研究員、カリフォルニア大学バークレー校ハース経営大学院助教授を経て、テニュア(終身在職権)取得、現在同校准教授。専門はゲーム理論、政治経済学、マーケットデザイン。国際学術誌に論文掲載多数。
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