ブックキュレーター横浜国立大学大学院工学研究院教授 今野紀雄
不透明な未来のビジネスを透視するために
地球規模のコロナ禍のなか、近未来すらも予測が非常に難しい時代になってきました。このような時代に適応した新しいビジネスを考えるにあたり、ビッグデータ解析、AI(人工知能)、ブロックチェーン、量子コンピュータ、感染症は欠かせないキーワードとなってきています。これらのキーワードを知るためのきっかけになる本を紹介しましょう。
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最先端のIT分野における統計学の立ち位置の一つは、ブロックチェーンなどで取得したビッグデータをAIと統計の手法を融合して解析することです。まさにそれを意識し、量子コンピュータの話題にも触れ、統計学の基本をさまざまな例を用いながら、親しみやすく解説されているがこの本です。
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AIにできること、できないこと 正 ビジネス社会を生きていくための4つの力
藤本 浩司(著) , 柴原 一友(著)
本書の特徴は、AIの本質を踏まえつつ、ビジネスへ活用するためのポイントが丁寧に書かれていることです。著者の会社で手掛けた幾つかの具体例にも触れられているので理解が深まります。この本の続編では、画像、言語、ゲームの分野でのAIが活躍する最先端技術が示されているので、あわせて読まれるとよいでしょう。
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暗号資産(仮想通貨)のビットコインはご存じかと思います。ビットコインを支えている基幹技術の一つが、データの改ざんを困難にしているブロックチェーンです。この本では情報革命を起こしたインターネットのように、信頼の革命を起こすといわれるブロックチェーンが活躍する、多くの事例がその夢とともに示されています。
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図で解る量子ウォーク入門
町田 拓也(著)
量子ウォークはランダムウォークの量子版として、量子コンピュータ周辺より2000年頃から本格的に研究がされた新しいモデルです。新進気鋭の若手研究者によって書かれた本書は、図を豊富に取り入れ、少ない予備知識で量子ウォークの直感に反するような振る舞いなどが、広く理解できるように工夫されています。
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感染症の数理モデル 増補版
稲葉 寿(編著)
感染症数理モデルの基本的な考え方から最近の発展までを、さまざまな著者により解説されています。初版は2008年に出版されていますが、増補版ではCOVID−19に関する一章が新たに設けられています。あつかわれている内容は高度ですが、ぜひこの時期にこそ挑戦してみてください。
ブックキュレーター
横浜国立大学大学院工学研究院教授 今野紀雄1957年東京生まれ。東京大学理学部数学科卒業、東京工業大学大学院理工学研究科博士課程単位取得退学。横浜国立大学大学院工学研究院教授。博士(理学)。主な研究テーマは、無限粒子系、量子ウォーク、複雑ネットワークなど。2018年に「量子ウォークの数学的研究とその応用」というテーマで日本数学会解析学賞を受賞。主な著書に『統計学 最高の教科書』(SBクリエイティブ)、『図解雑学 統計』『図解雑学 確率』(以上、ナツメ社)、監修書に『ニュートン式 超図解 最強に面白い!! 統計』(ニュートンプレス)、『サクッとわかるビジネス教養 統計学』(新星出版社)などがある。
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