ブックキュレーター文芸評論家 縄田一男
当代きっての目利きが選ぶベスト時代小説2020~縄田一男選 ベテラン編~
文芸評論家・縄田一男が選び抜いた2020年のベストテン。コロナ禍に明け暮れた一年だったが、その中で文学は良く闘った。特に忘れられない作品をはじめ、ベテラン勢の注目作品、2020年随一のヒューマン歴史小説まで・・・いまだからそ絶対読むべき、現代に通じる小説はこれだ!
- 7
- お気に入り
- 1766
- 閲覧数
-
葬儀の段取りを生業としている「弔い屋颯太」シリーズの第2弾、私たちは、TV等でコロナで逝った人が肉親との最後の別れも許されず、骨壺に入れられて帰路につくのを知っている。本書で扱われている不条理な死、突然、舞い込んで来た死、割り切れない死等々、さまざまな死の葬列は、物語の枠を超え、生きていて欲しかったという多くの人々の叫びを代弁しているかのようだった。
-
太平洋食堂
柳 広司(著)
大逆事件で処刑された大石誠之助を主人公としたはじめての作品。誠之助が開いた“太平洋食堂”とは、パシフィックは平和、オーシャンは海、太平洋は“平和の海”という意味であることに依っている。弱者に共感を寄せる誠之助の姿に陽だまりのようなあたたかさを感じるとともに、その命を一瞬にして奪ってしまう権力の恐ろしさに怒りをおぼえずにはいられない傑作である。
ブックキュレーター
文芸評論家 縄田一男1958(昭和33)年、東京生れ。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。歴史・時代小説を中心に文芸評論を執筆。1991(平成3)年に『時代小説の読みどころ』で中村星湖文学賞、1995年に『捕物帳の系譜』で大衆文学研究賞を受賞。著書に『「宮本武蔵」とは何か』『日経時代小説時評―1992〜2010』『大江戸ぶらり切絵図散歩―時代小説を歩く』など。『親不孝長屋』『がんこ長屋』『七つの忠臣蔵』『笊ノ目万兵衛門外へ』ほか、編者を務めたアンソロジーも多数。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です