ブックキュレーター岡田育
覚醒したまま自分とは別の人生を夢に見る方法
若い頃に睡眠障害を患ったので、「眠れなくなる本」と聞いて思い浮かぶのは、眠れないなら眠らずにいるしかないと思って眠る代わりに読んだ本です。刺激と興奮に満ちた流行りの物語ではなく、他人が書いた日記や何かをよく読んでいました。今はたっぷり寝られていますが、自分ではない別の誰かの人生語りに耳を傾けるのは、変わらず大好きです。
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ひかり埃のきみ 美術と回文 SELECTION FROM THE ESSENTIAL WORKS OF NAOYO FUKUDA
福田 尚代(著)
福田尚代さんの美術作品と回文作品をまとめた本。「死んでいく遺伝子」「いるだけでだるい」などの短いものから、到底諳んじられないほど長い長い詩まで、始まりからも終わりからも読める言葉の連なりとともに出口のない時間を過ごすことができます。何度読んでも必ず迷子になれる、いつまでも飽きない本です。
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おすすめの本は? と訊かれて小説を挙げるのが苦手です。相手を選んで「物語」を手渡す行為は責任重大、緊張して身構えてしまう。米原万里さんがドキュメンタリーとして書き始めて最終的にフィクションに仕上げたこのお話は、小説好きにも、ノンフィクションしか読まない派にもお薦めできる、稀有な本です。
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中村メイコ メイコめい伝
中村 メイコ(著)
中村メイコさんといえば少女時代に書かれた『ママ横をむいてて』が大好きなのですが、あいにくそちらは絶版なので、1977年刊のエッセイ集を。芸歴≒年齢の女の子の周囲で巻き起こる信じられないエピソードの数々、やがて彼女が妻となり、母となり・・・連続ドラマをビンジウォッチする感覚で楽しめます。
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話し足りなかった日
イ・ラン(著) , オ・ヨンア(訳)
面識はないものの、音楽と著作を通してなんだかとても近しく感じるイ・ランさん。最新エッセイ集も一気読みが惜しくなるほど面白く、他人事とは思えません。一昔前ならば「私宛てに届いた手紙のようだ」とでも評したのでしょうが、今は「友達とのチャット履歴を読み返して止まらなくなる」感じかなと思います。
ブックキュレーター
岡田育文筆家。出版社で雑誌や書籍の編集に携わり、エッセイの執筆を始める。著書に『ハジの多い人生』『嫁へ行くつもりじゃなかった』『天国飯と地獄耳』『40歳までにコレをやめる』『女の節目は両A面』『我は、おばさん』。二村ヒトシ・金田淳子との共著に『オトコのカラダはキモチいい』。2015年よりNY在住、海外引越を機に蔵書の大半を電子書籍に移行。スマホでも読めるが、昔ながらの「読書」気分を味わうために専用端末を持ち歩いて外出先で積読解消するのが好き。自宅の本棚は絶版の古書や大型本、同人誌ばかりという不思議なラインナップになった。https://www.twitter.com/okadaic
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