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乱世の序章。室町時代後期の世相と群像劇を描いた小説&評論
室町時代の後半は、相次ぐ戦乱によって中世までの制度が崩壊し、近世社会への移行が始まった時期です。中央政権が弱まり、地方の大名が力をつけ、身分の低い者が高い者を打ち倒す「下剋上」が発生し、群雄割拠の戦国時代へと突入していきます。当時の不安定な世相や社会の特徴、室町幕府内部の人間模様を描いた小説や評論を集めました。
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アメリカ出身の学者による日本文化論の名著。現代日本の美意識の源流は、室町時代にあります。その象徴である、室町幕府8代将軍・足利義政の文化的功績を再評価。彼は政治能力には欠けていましたが、その創造力は傑出したものでした。複雑なしがらみと政局の混乱の中、審美眼を研ぎ澄ませる、孤独な将軍の姿が描かれます。
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大和絵の天才絵師・土佐光信を主人公にした伝奇小説です。不穏な雰囲気が漂う都で多くの怪奇現象が発生し、光信は将軍・義政の命を受け、事態の収拾に乗り出します。人ならざるものを感知できる光信は、彼らの哀しさに共鳴し、交流します。妖怪を生み出す荒廃した世相と、人間のとめどなき欲望と度し難さが淡々と綴られています。
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室町末期に勃発した大規模な内乱の実態を解明した学術書です。複雑に錯綜した乱の原因と長期化した経緯、巻き込まれた人々の実態、終結と後の影響まで、一連の流れを把握できます。奈良の政情が詳細に書かれた前半はやや難解ですが、後半で考察される幕府内部のクーデター(明応の政変)には戦国時代の幕開けを見ることができます。
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