ブックキュレーターhonto編集員
あの名作をもう一度。昔話や童話をオマージュした絵本
幼いころに親しんだ童話や昔話。これらの中には、実は子どもが読むよりも、大人になってからこそ染みるものもたくさんあります。小さいころはただ楽しいだけだったお話でも大人になって読めば、知らなかった一面や物語裏に隠された真意に気づけるものです。年月を経て一層楽しめる、昔話や童話がもとになった美しい絵本を紹介します。
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ヨーロッパに伝わる民話「長靴をはいた猫」をアレンジした絵本。作者のいまいあやのが紡ぐ柔らかな美しさと、仄暗いストーリーをにじませる精緻な絵に目が奪われます。魔物の姿は明らかにされていないので、考え始めると無限に想像力がかき立てられるはず。もとのストーリーを知らなくても十分楽しめるお話です。
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イギリスの昔話「三びきのこぶた」のパロディです。3匹のかわいいオオカミたちが一生懸命に作った家が、極悪非道の大ぶたに次々に破壊されてしまいます。レンガもだめ、コンクリートもだめ・・・。最後に出てきた「壊されない家」とはどんな家なのか?犯罪学者の作者ならではの意外な結末に、大人だからこそ意表を突かれます。
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グリム童話『シンデレラ』やアンデルセン童話『人魚姫』を現代風に描いた絵本です。作者の今日マチ子が描く可愛らしい少女たちの姿に、もとの物語に秘められた残酷さ、グロテスクさ、切なさ、美しさが込められています。大人にとっては、心をえぐられるような読書体験となるでしょう。
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ある日、現代を生きるおじいさんは川へ、おばあさんは山へ行き、そのあと2人は「桃太郎」や「浦島太郎」、「天女のはごろも」などの昔話を次々と体験します。さまざまな昔話の断片が登場し、もとの話を知っていればいるほど笑えること間違いなし。不思議な目に遭い続けるおじいさんとおばあさんの1日をほのぼのと楽しめます。
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ロシア民話『ふたりのイワン』を、イギリスの児童文学作家リオーダンが再話した絵本です。金持ちな兄のイワンはずる賢く、貧乏な弟のイワンはお人好し。そんな2人のやりとりと昔話らしい王道の結末は、子どもも大人も楽しめます。登場する英国料理はどれも美味しそうで、エロール・ル・カインの色彩豊かな美しい絵も見事です。
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