ブックキュレーター文筆業 矢内裕子
小説を書きたいな――と思ったら読んで欲しい、作家が語る「小説の書きかた」
「自分で物語を書いてみたい」と思った人におススメなのが、作家が教える「小説の書きかた」だ。エンターテイメントから世界文学まで、映像化もされる物語はどのように書けばよいのだろう?よき指南書は、書きたい人だけでなく読みたい人にも小説の気づかなかった読み方を教えてくれるだろう。
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「小説の本質は妄想である」と、著者は言う。「アイデア」「プロット」「キャラクター」「文章作法」「推敲」「技巧」と、オーソドックスな展開の中に、自身の読書歴や創作の裏話が惜しみなく入る。タイトルに「作り方」とあるように、論理的にエンタテイメントの意義を考察していく、クールさが魅力だ。
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「コバルト短編新人賞」の選考委員を、14年にわたり務める中で著者が感じた「ここが惜しい」という要素を、料理コースに見立てて書いた1冊。決して、マナー本ではないのです! さすが三浦しをん、小説の書きかたという抽象的なテーマも、爆笑で読めてしまうのが著者の凄いところ。例として登場する作品、文章がすべて自作からというのも著者の覚悟、見識を感じる。唯一無二の小説の書きかた入門だ。
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オリジナル・レーベルも目白押しの時代小説、歴史小説について、人気作家3人がそれぞれの創作作法を話した1冊。トークイベントの書籍化なので、読みやすいのも魅力だ。「歴史小説と時代小説の違い」から、史料の探し方、使い方、デビューまで――など、親切設計で「本気で書きたい」人に役立つ構成だ。
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『見知らぬ乗客』(1951年)『太陽がいっぱい』(60年)から始まり、今もなお作品が映画化されているハイスミス。ミステリーのジャンルを越え、世界的に読者を持つ作家による小説講座は、ハウツーを教えるというより、作家自身の考え方、スタイルを伝えてくれる。書くために大切なのは「魂の自由」「自分自身であること」という著者の言葉が響く。
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物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室
G.ガルシア=マルケス(著) , 木村 栄一(訳)
マジック・リアリズムを代表する作家、マルケスによる物語をめぐる討論集だ。共同作業で30分のTVドラマシリーズの脚本を作るべく、若い脚本家や映画監督と集まり、「物語をどう語るか」について議論した11回もの記録がまとめられている。小説と映像の伝えかたの違いなどメディア論としても読みごたえがあるが、「すべては物語を語るため」というマルケスの言葉が輝く。
ブックキュレーター
文筆業 矢内裕子文筆家ときどき編集。東京都文京区育ち。出版社で書籍編集者として勤務後、独立。担当した本に角田光代『古本道場』、三浦しをん『三四郎はそれから門を出た』、いとうせいこう『ボタニカルライフ』など多数。著書に『落語家と楽しむ男着物』、萩尾望都さんとの共著『私の少女マンガ講義』がある。現在、橋本治さんへのインタビュー集を準備中。note:https://note.com/yanaiyuko
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