ブックキュレーター千葉大学大学院人文科学研究院教授 一川誠
時間との付き合いを考える
時間は、社会を機能させる上で重要な役割を果たしています。しかしながら、現代における時間との付き合い方は人間の心身の特性と合ったものではありません。健康で快適な生活のためには、時間との付き合い方の調整が必要です。時間とは人間にとって何であり、付き合い方にどのような可能性があるのか考える上で参考になる本を紹介します。
- 79
- お気に入り
- 10817
- 閲覧数
-
脳と時間 神経科学と物理学で解き明かす〈時間〉の謎
ディーン・ブオノマーノ(著) , 村上 郁也(訳)
私たちの時間体験の基礎はどのような神経過程に基づいているのかについて、神経生物学と心理学の立場から解説しています。1秒以内の時間から、数分間、数時間、数日間、数年間にわたる時間体験について、現代の神経科学的理解がわかりやすく概観されています。
-
多様な分野の文献から、人間のタイミングに関する特性をリストアップ。個人の時間特性(クロノタイプ。いわゆる朝型、夜型)と作業のタイミングを合わせると成績が大きく上がる。手術されるなら午前中、幸福度が最低になるのは50歳、旅行の思い出を最高のものにするには最大のイベントを最終日にしよう、などなど。
-
時間は、現代社会を機能させるために社会から個人に無理やり押し付けた道具という側面があります。本書は、「押し付けられた道具」である時間との付き合い方に関して、認知心理学の視点から探ったものです。あなた自身の時間特性にあった時間との付き合い方についてのヒントを見つけられることでしょう。
ブックキュレーター
千葉大学大学院人文科学研究院教授 一川誠千葉大学大学院人文科学研究院教授。1965年宮崎県生まれ。大阪市立大学文学研究科後期博士課程修了後、カナダYork大学研究員、山口大学工学部感性デザイン工学科講師・助教授、千葉大学文学部助教授・准教授を経て、2013年より現職。専門は実験心理学。2000年、「時間学」に興味を持ち「時間学研究所」に携わる。実験的手法により人間が体験する時間や空間の特性、知覚、認知、感性における規則性の研究に従事。現在は特に、視覚や聴覚に対して与えられた時空間情報の知覚認知処理の特性の検討を行なっている。著書に『時計の時間、心の時間』(教育評論社)、『大人の時間はなぜ短いのか』(集英社新書)など多数。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です