ブックキュレーターノンフィクション作家 鈴木忠平
どこか遠い所へ行くのでなく、内面に深く降りていく。人を巡る旅へと誘う本たち。
『嫌われた監督』の落合博満さんも、『虚空の人』の清原和博さんもそうですが、私の関心は人間の内面にあり、それを書くことにあります。そのために取材の旅に出ます。希望や美しさだけでなく、絶望も醜さもある。ある意味で極地へ赴くよりも底知れない旅かもしれません。人間を巡ることの魅力と、そのための術を教えてくれた本たちを紹介します。
- 15
- お気に入り
- 9421
- 閲覧数
-
ニュー・ジャーナリズムの旗手と言われたタリーズの短編集。中でも有名な「フランク・シナトラ、風邪をひく」には影響を受けました。シナトラへのインタビューを断られた著者が膨大な関係者への取材と観察を材料に一人の人物を描き上げる。昔ながらの取材と新しい表現手法に、ジャーナリストの反骨と矜持を感じられます。
-
タイトルを一見するとHOW・TOもののようですが、人生における自分との向き合い方を教えてくれる本です。一つ一つの実例の書き方に臨場感があり、アメリカ屈指の弁護士(著者)の成長譚としても読むことができます。読後にはそれまでより自分を認め、自分に正直になれているかもしれません。
-
男社会、ひいては日本社会の固定観念を痛快に打ち破ってくれる生き方のバイブルです。仕事、恋愛、ファッションから教育と教養、ハンサムと色気の違いまで、世の常識とは別の角度から鋭く洒脱に記されます。読んだ後は、自分も他者も含めて、人間をより本質的に視ることを教えてくれる本です。
ブックキュレーター
ノンフィクション作家 鈴木忠平1977年千葉県生まれ。名古屋外国語大学を卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者を16年間経験したのち退社し、文藝春秋Number編集部に所属。現在はノンフィクション作家として活動している。「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」(2021年9月刊・文藝春秋)でミズノスポーツライター賞、大宅壮一ノンフィクション賞、講談社・本田靖春ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞。他に「清原和博 甲子園13本塁打の真実」(2016年12月刊・文藝春秋)、最新刊に「虚空の人 清原和博を巡る旅」(2022年7月刊・文藝春秋)がある。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です