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小説家 滝口悠生ブックキュレーター小説家 滝口悠生

東京/TOKYO をめぐる本

ひとくちに東京と言っても広い。今年の夏に刊行した『水平線』は戦地として有名な硫黄島の戦前の生活のことを書いたのだが、都心から1,000キロ以上離れた硫黄島や小笠原諸島も東京都内であることに気づけば「東京」が示しうる範囲は本州の南方海上に大きく広がり、日本地図の見え方も変わる。日本の中心であると同時に広大な周縁でもある「東京」、その諸相の一端が見えるような本を選びました。※本ブックツリーの内容は、執筆時点(2022年9月15日)の情報に基づいております。

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  • 1970年代に西武線沿線の団地で育った著者による、東京西部という郊外の歴史。戦後の復興と経済成長を背景とした鉄道会社と住宅公団による都市計画が、沿線住民の生活にどんな文化や思想をもたらしたか。世代は違うものの私も同じ西武沿線育ちなので、随所に挟まる著者自身の幼少期の記憶や皮膚感覚に、どこか懐かしさを覚えます。

  • 題名の通り、「東京」自身を語り手とした「自叙伝」。語り手の「私」は融通無下に変化・増殖し、あらゆる歴史的な出来事(戦争も震災もサリン事件も3.11も)の内情はすべて「私」の手によるものである、とあっけらかんと宣言される。その軽さのヤバさ。次々現れる「私」に「誰やねん!」としつこくツッコミながら読むといいと思います。

  • 著者は中島敦の本と自身の記憶に導かれるように南洋諸島に関心を持ち、日本統治時代の生活について当時を知るひとを訪ねて話を聞く。統治下の南洋諸島は東京ではないが、当時の視座や人流の経路としては東京の諸島の延長上にあったはずで、本書のなかには戦時中に伊豆諸島に引き揚げた方への取材もあります。いち生活者であることを手放さず、歴史の皺を丁寧に伸ばすような著者の姿勢にはいつも感銘を受けています。

  • 結局2021年に行われた「東京2020オリンピック」は、2022年になってもいろんな話題に事欠かず騒がしいですが、先の東京オリンピックのときはどうだったのか。三島由紀夫、大江健三郎といった文学者たちによる1964年東京五輪のレビュー集。随所にちゃんと醒めた目線が多いのが大変印象的。2020年のオリンピックでも同じような本がつくれるだろうか。そもそもオリンピックを見ていた物書きが少なくて無理な気がする。

  • 激戦地として知られる硫黄島は元々は1,000人余りの島民が平和に生活を送る場所だった。そのなかに私の祖父母もいて、硫黄島を舞台にした拙著『水平線』は、そのような個人的背景のもとで書かれた。本書は当地をめぐる戦時や現在まで続く諸問題も取り上げつつ、あまり知られていない往時の島の生活についてその様子を細やかに伝えてくれます。硫黄島のことをいつか書ければ、という気持ちはあったものの、この本の刊行に強く背中を押されました。ここも東京。

小説家 滝口悠生

ブックキュレーター

小説家 滝口悠生

1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2011年、「楽器」で第四十三回新潮新人賞を受賞し、デビュー。2015年、『愛と人生』で第三十七回野間文芸新人賞を受賞。2016年、「死んでいない者」で第百五十四回芥川龍之介賞を受賞。他の著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『往復書簡 ひとりになること 花をおくるよ』(植本一子氏との共著)など。

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