ブックキュレーター音楽ジャーナリスト・プロデューサー 田中泰
“クラシック音楽に親しみたい”とお考えの方にお薦めの5冊はこれだ!【Bunkamuraセレクション】
日本は、子どもたち全員に音楽教育を行うという世界でも稀な国の1つにも関わらず、クラシック音楽ファンが一向に増えないのは、音楽の授業が楽しくないから。というわけで、 “クラシック音楽はこんなに楽しい”ということを改めて教えてくれる5冊を選択。音楽室に飾られていた作曲家たちの厳しいイメージが変わること請け合い!
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チェロの名手イッサーリスのユーモアに満ちた語り口が最高に楽しい本書には、彼が敬愛する6人の作曲家(バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームス&ストラヴィンスキー)がごく身近な人物として登場する。本来の姿を知ることで、彼らの音楽がより身近に感じられること間違いなし。他の5人を描いた続編もお薦めだ。
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パリ左岸にある架空の(もしかしたら本当に存在する?)ピアノ工房を舞台にした小説仕立ての本書には、ピアノへの愛が溢れている。そういえば、2021年のショパンコンクール優勝者が使用して話題になった「ファツィオリ」ピアノについても、かつて本書を通じて知ったことを思い出す。ピアノに興味がある全ての方にお薦めしたい珠玉の一冊。
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掲載された10篇の中で、クラシック音楽に関するエッセイは3篇のみ。しかしその中身の濃さは格別だ。音楽愛に満ちた文章は、音楽評論家やジャーナリストには決して書けない類のものであると同時に、お堅いイメージのクラシック音楽が、ジャズやポップスと同列に語られているところも素晴らしい。ここにはジャンルの壁など存在しない!
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年末恒例の『第九』人気を筆頭に、日本におけるベートーヴェンの存在感は別格だ。その彼について書かれた膨大な伝記や研究書の中で、最も心に響く一冊が本書だ(と個人的に思っている)。全部読むのはしんどいという方は、冒頭に置かれた「序文」だけでも読んでほしい。“楽聖”の人となりがこれほどリアルに描かれた文章は他にない。
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“クラシック音楽をもっと気軽に楽しんでほしい”という思いを込めて制作された本書には、学校の音楽の授業では絶対に教えてもらえないクラシック音楽に関するトリビアや雑学が満載。身につけた知識をクイズで確認という手法もゲーム感覚で楽しめる。36人の重要な作曲家を軸にした本書の他に、他の50人をカバーした中級編もお薦め。
ブックキュレーター
音楽ジャーナリスト・プロデューサー 田中泰「ぴあ」入社以来一貫してクラシック音楽を担当。2008年「スプートニク」を設立し独立。J-WAVE番組コーナーのナビゲーター、JAL機内番組の構成、「アプリ版ぴあ」クラシック統括&連載エッセイ、出版物制作など幅広い活動を通じ、クラシック音楽の普及に努めている。一般財団法人日本クラシックソムリエ協会代表理事。
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