ブックキュレーター演出家 木内宏昌
海外戯曲はじめて読むならこの5冊【Bunkamuraセレクション】
戯曲は長編小説ほどは長くはなく、詩よりは難解ではありませんが、演じられて初めてわかることがたくさんある文学形態です。それを楽しむには、読みながら劇世界に没頭し、演じることと同じように作品を味わうことが必要かもしれません。そこで、何度も読み返したくなる、日本語の美しさや楽しさのある戯曲を選んでみました。
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アーサー・ラッカムの絵に、妖精学者井村君江さんの翻訳。従来の翻訳では、シェイクスピア作品に登場するFairyとSpiritは区別されずに「妖精」と訳されて来た。『テンペスト』のエアリエルはSpirit。「気の状態」を表す存在であることが示される。
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『海の上のピアニスト』 で知られるアレッサンドロ・バリッコによる、ヨーロッパ最古の戦争叙事詩の戯曲版。ギリシアの神々も英雄も人間も、一人称で語られるいわばモノローグ集。地上の悲劇と天上の喜劇が美しい日本語訳で描かれた戦争文学。
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堀江新二、ニーナ・アナーリナ訳によるチェーホフの『桜の園』。旧来の邦題から想像するのは花が咲き乱れる桜の園だが、ロシア語の原題の意味も、劇中に登場するのも、さくらんぼの実をつけた樹々の園のこと。新発見に満ちた、現代日本語の翻訳として楽しめる。
ブックキュレーター
演出家 木内宏昌東京都出身。演出家・劇作家・戯曲翻訳家。海外演劇人との共同創作や、栗山民也演出作の脚本など携わる。主な演出作品に『チェーコフ イズ グレート、バット…』『人間ども集まれ!』『月は夜をゆく子のために』など。脚本作品に『OP.110 ベートーヴェン「不滅の恋人」への手紙』『アドルフに告ぐ』『TABU』『イリアス』など。シアターコクーンDISCOVER WORLD THEATREシリーズ『罪と罰』『OEDIPS』『夜への長い旅路』の翻訳。『おそるべき親たち』などの翻訳で第7回小田島雄志翻訳戯曲賞受賞。トランスレーション・マターズ代表。https://translation-matters.or.jp/
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