ブックキュレーター花まる学習会 平沼純
絶望の中でつかみとったものは・・・
「すべての涙に希望がある」とは、フランスの作家ボーヴォワールの言葉。自分ではどうにもならない現実、過酷な運命、言葉では言い表せない絶望的な状況・・・。たとえ自分がそんな事態に陥ったとしても、その中でもがき、あがくことでつかみ取れるものがきっとある―。そう信じさせてくれる5冊を紹介します。
- 6
- お気に入り
- 679
- 閲覧数
-
2021年、世界同時期印刷で出版された絵本。誰も経験したことのない「嵐」が訪れて全てが様変わりしてしまった時、人々は何を思いどう行動するのか―。表現されている光景は明らかにコロナ禍の世界であるとはいえ、閉塞状態に陥った時の絶望と、そこから何とか前に進む人間の強さを見事に描き、普遍性を獲得しています。
-
戦時下の満州で出会った、さまざまな背景を持つ3人の少女。彼女たちがその後たどる数奇な運命が、壮大なスケールで描かれます。正直なところ、ページを繰るのが辛くなってしまう瞬間が度々訪れる本。それでも、「世界の果て」とも言える状況化を懸命に生きた少女たちの行く末を、どうか最後まで見届けてください。
-
「こんなハードなズッコケ読んだことない!」ミドリ市でM7.2の巨大地震が発生。おなじみの3人組がどう行動するのかを、震災後の町の様子や人々の心理状態も絡めて克明に描いた一流のシミュレーション小説。阪神淡路大震災直後、現地の子どもたちと作者との交流から生まれた物語。災害大国日本で生きるうえで必読の書。
ブックキュレーター
花まる学習会 平沼純1982年生まれ。慶応義塾大学文学部卒、同大学院社会学研究科修士課程修了。花まるグループの受験部門であるスクールFCで、国語や公立中高一貫コース授業のほか、総合的な学習の時間である「合科授業」などを担当。多数の受験生を合格へ導くとともに、豊かな物語世界の楽しさ、奥深さを味わえる授業を展開し続けている。各種メディアで紹介された『子どもを本好きにする10の秘訣』(実務教育出版)のほか、書籍、雑誌・新聞記事などを多数執筆。読書をテーマにした講演会や連続講座も精力的に行い、本を読む楽しさ、物語を味わう大切さを訴え続けている。2016年よりほぼ毎月開催している連続講座「旅する読書」は、全国から参加者が集まる人気イベント。
ブックツリーとは?
ブックツリーは、本に精通したブックキュレーターが独自のテーマで集めた数千の本を、あなたの"関心・興味"や"気分"に沿って紹介するサービスです。
会員登録を行い、丸善・ジュンク堂・文教堂を含む提携書店やhontoでの購入、ほしい本・Myブックツリーに追加等を行うことで、思いがけない本が次々と提案されます。
Facebook、Twitterから人気・話題のブックツリーをチェックしませんか?
テーマ募集中!
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを募集中です。あなたのリクエスト通りのブックツリーが現れるかも?
テーマ応募フォーム
こんなテーマでブックツリーを作ってほしいというあなたのリクエストを入力してください。
ご応募ありがとうございました。
このテーマにおける、あなたの”6冊目の本”は?
※投稿された内容は、このページの「みんなのコメント」に掲載されます。
コメントを入力するにはログインが必要です