ブックキュレーターエッセイスト・小説家 山崎ナオコーラ
受賞作『ミライの源氏物語』につながる作品 後編
現代社会の中で『源氏物語』をどうやって楽しもうか、未来には人権意識やジェンダー問題などがもっと気になる読者がいるだろうから、現代の読者の努めとして「読み方」を考えて次の世代の読者にバトンを渡したいな、とエッセイ『ミライの源氏物語』を書きました。すると驚くことに、第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞しました。
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漫画版『源氏物語』として、とても有名な作品だ。私も、高校時代に、受験勉強のために読んだ記憶がある。私はもともと『ヨコハマ物語』や『はいからさんが通る』などの、大和和紀さんの作品が好きで、『あさきゆめみし』も楽しんだ。長い物語を、読みやすく簡潔にまとめた手腕にも脱帽する。
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百人一首のすべての歌を、五七五七七の形で現代語に訳している。古代の和歌には、かけ言葉などもあって意味がたくさん含まれている。そのため、現代語にすると長くなってしまうのだが、東さんはそれを取捨選択して現代の感覚でまとめており、ちゃんと短歌の形になっていて、歌として楽しめる。
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とにかく読みやすく、ダイナミックな物語性を楽しめる、角田光代版の現代語訳『源氏物語』。ページをめくる指が止まらず、めくるめく展開をしていく物語に、快感を覚える。紫式部は、素晴らしい長編作家だったんだなあ、と再認識できる。
ブックキュレーター
エッセイスト・小説家 山崎ナオコーラ1978年生まれ。性別はない。國學院大學文学部日本文学科卒業。卒業論文は似ている人たちをカテゴライズする不思議さについて書いた「『源氏物語』浮舟論」。2004年に「人のセックスを笑うな」で文藝賞を受賞しデビュー。2023年、『ミライの源氏物語』で第33回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞(選考委員:俵万智)。「誰にでもわかる言葉で、誰にも書けない文章を書く」が目標。『源氏物語』の現代語訳が夢。 【Bunkamuraドゥマゴ文学賞】 https://www.bunkamura.co.jp/bungaku/winners/33.html
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