軽く読める最近の映画の見どころ
2011/10/28 21:46
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はミュージシャン、映画評論家、ラジオDJ等で活躍中の人物。
TBSラジオの持ち番組で行なっている映画評論コーナーで語り倒した内容を書き起こしてまとめた一冊です。
取り上げられているのは2008年から2009年にかけて日本公開された映画50本。
語り口は軽妙洒脱であると同時になかなか辛辣。しかし言っていることは正鵠を射ています。
『ミスト』を「選択と結果を巡る話」と指摘しているのは大いにうなずきました。あの映画は確かに「決意をもった選択」が「悲劇的な結果をもたらす」物語でした。
『キサラギ』や『ザ・マジックアワー』に対して私が抱いた違和感も、著者の言うとおり「すべてをセリフで説明し」ているという、映画ではなく演劇的な手法によっているためということで説明がつくと納得した次第です。
またいくつかの映画は「ある種の需要にこたえる一定の美意識」があるという、映画業界の大人の事情のようなものにも著者は目を向けています。『パコと魔法の絵本』しかり、『ハッピー・フライト』しかり。特に後者は全日空全面協力のもと、『エアポート』シリーズのようないわゆる航空パニック物にはできないという制限があったであろうことを推測しています。
そのほか、これまで気がつかずにいた映画のトリビアもいくつか知ることができました。
『未知との遭遇』でゴビ砂漠のど真ん中に大型船が横たわっているシーンは『アラビアのロレンス』で砂漠を歩いてスエズ運河にたどりつくという場面へのオマージュであること。(ただし著者が「ゴビ」と記憶している砂漠は正しくは、映画の設定上はサハラ砂漠であり、撮影地はカリフォルニアのモハベ砂漠です。)
『レボリューショナリー・ロード』は、『タイタニック』のジャックがもし生き延びてローズと結婚した後に倦怠期を迎えた時期を描いた映画でもあるという記述も膝を打った箇所です。忘れていましたが、デカプリオ、ウィンスレットの二人だけではなく、キャシー・ベイツまで担ぎ出してキャスティングしているというのはその証左でしょう。
ハスリングの補完としての書籍化
2016/03/13 22:22
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投稿者:Otto - この投稿者のレビュー一覧を見る
ラジオ番組「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」の
人気コーナーの書籍化です。
実際に放送された内容への追加説明もあり、興味深かったです。
ただ、残念ながら実際の放送内容の熱は、あまり伝わってない様な
気がしました。
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つまらない映画を、ここまで面白く評論できる人はなかなかいないと思います。このコーナーはラジオ番組のポッドキャストで全て聴いていますが、用語解説やインタビュー等が追加されていて、十分楽しめました。
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「世界はそもそもデタラメである」と共に、DVD借りるときの指標。
宇多丸、やはりB.U.N.K.E.I.最凶のパイセンである。
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宇多丸師匠の映画評論本。
よさ「げ」な映画や、いい話にしようとしている映画の妥協を痛快に暴きます。
笑えます!かなりのオススメです!
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タマフルの名コーナー「シネマハスラー」の単行本。映画評論です。それにしても宇多丸氏の博識ぶり。批評の鋭さ。まじ頭いい!っていつも思います。お世辞とか一切なく、痛快な切りっぷり。面白い!
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おもしろっ!!
これは映画ファンも増えますね…!
おかしいとこはオカシイとつっこみつつ、
いいものはイイとほめる
当たり前のようにも思うけど、
それをやってくれてる映画評論って実は少ないと思う。
趣味の違いこそあれ、
こういう考えの人もいるんだな、とおもしろく読めました!
ラジオが元だからか、テンポがよくてするする読めるのもいいですね☆
第2弾がたのしみです!!!
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ラジオで聞くのもいいが、文章でも読ませる。でもやっぱり喋り(ラップ)が本業だけあって、ラジオで聞くのがオススメです。
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著者自身のラジオ番組、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』内の看板コーナーがそのまま、本になった形。一見映画に対する持論をぶちまけているように見えるが、その裏には確かなロジックとリサーチがある。著者の圧倒的な映画知識に感服。ホントにこの人は映画が好きなんだなと感じさせる1冊。
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ライターもやっていた宇多丸さんならではというべきか、
自説をぶち上げるだけでない、
批評が与える影響・世論へのアンサーをきちんと意識した上での、
異様に筋の通った物言いは爽快です。
ラジオをもとにした本なので、しゃべりの面白さを活かして編集されてます。なのでかっちりした「評論」を期待するとあれ?となるかもしれません。論旨自体はむしろ明確になってるんですが。
ポッドキャストで全部聞けますが、http://www.tbsradio.jp/utamaru/cinema/index.html
扱われてる映画を見た後また読みたくなりますし、注釈もあり資料としても使えますし、持ってて損はないかと。
誰かと映画の話がしたくなります。
オススメです。
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ラジオはあいにく聴いたことがない。軽めの映画本をと思い、手にとってみた。これはもう、「カンフーくん」に尽きます。どんなにひどい作品なのか、かえって見てみたくなりました。
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ライムスター宇多丸先生のラジオ
ウィークエンドシャッフルの映画評論コーナー
シネマハスラーを書籍に集めたもの。
辛口な部分もありますが、独特の切り口で映画を語ります。
あーでも、やっぱり文章よりは宇多丸さんのお声が聞きたいな❤
ラジオ聞こっっ!!!
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水道橋博士曰く、「Cinema Hustlerで紹介された映画はどんなに糞味噌に評論されていてもその後絶対に見たくなる、いや、見なければならなくなる。」
映画評論に限らず最高の評論て言うのは、評価の善し悪しに限らずその作品に触れてみたいと思わせる魅力を持つものであると思います。
評論対象とは別個のものとして、評論がそのまま評論自体として価値あるものでなければならない、一つの作品でなければならないんじゃないかと思うんです。
この本自体はちょっと情報が古いですけど、それでもやっぱりこの本の中で評論されてる作品は全部見てみたくなるし、見たことない作品の評論でも本当に楽しいんです。
元ネタのTBSラジオ版はPodCastで毎週更新されてるので絶対聞くべきです。
忙しくて映画なんて見てる暇無いという人でも、今年見るべきベスト3を手っ取り早く知る!ために聴く、なんてのもありだと思います。一年に3本すごい映画を見るだけで絶対人生は楽しくなると思うんですよ。
オススメです!
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宇多丸の口調も文字で丁寧に再現されていてとても読みやすい。
注釈も程良く付いていて、強調したい(トークの笑いどころとか)ところは太字で印刷されていて面白かった。
この映画評のコーナーは冒頭にリスナーからのメール/はがきを読み上げるのだが、その際宇多丸と正反対の意見を取り上げる事も多い。
つまりこれはこれから始める宇多丸の映画評もあくまで「一意見」に過ぎない事を強調している大事な部分なのでいくつかリスナーの映画感想も引用して欲しかった。
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ここまでばっさりと作品を批評をしているのは初かも。宇多丸さんの映画知識、巧みな表現でコミカルなんだけど、的を得ている分析。個人の好みのバイアスがかかっている批評もあるが、それもそれでいて納得できる。これを読んで、映画を観るようになりました。