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風越さんは限りなく毒に近い薬で、それを使いこなす者が作中でとうとう現れなかった印象…。何という無情なラスト…。
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登場人物一人ひとりのキャラクタライゼーションがしっかりしていて、それぞれが人間的に変化して行く様子がとてもおもしろかったです。
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官僚となる友人から頂戴した本。
固い本なのかと思いきや、出てくるキャラクターそれぞれに個性があり、面白く読むことができた。
中でも特に注目したいキャラクターは、なんといっても主人公、風越信吾。バイタリティー溢れる、気骨のある人物として、作中では活き活きと描かれている。読んでいて、ある種の気持ちよささえ感じる。
風越は正義感が強く、自分の信念を曲げない、それゆえに、味方も多いが、敵も多い。その中で、様々な障害に阻まれながら、風越は奮闘していくこととなる。
戦いが激化するのは、風越が「振興法」と呼ばれる新法を通そうとするときである。そこでは、激しい利害の対立があり、一筋縄には通ることはない。
官僚の美しいところだけを切り取った話かと思いつつよんでいたが、そこでは生々しい対立が描かれており、官僚という仕事の泥臭さを学ぶことができた。
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いま中国の経済官僚が国内産業を育て、市場を日本などの外資に食い荒らされないように必死に防衛策を講じているが、それを日本は保護貿易だのバイ・チャイニーズだのと非難している。なんのことはない、日本も同様の保護貿易政策に必死になっていた時代があるのである(今も穀物などは保護貿易だが)。国民を導くパワーエリート気取りで自動車産業保護法などに象徴される後世から見れば明らかな悪法を
国のためと称して国民に押し付けようとしている。救い難いのはそれがさも正しいことのように描写している点だ。テンション芸にひきづられて本質のグロテスクさを見誤ってはならない
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思ったほどではなかった。
人間ドラマというより、史実のエピソード集という趣き。
城山作品としては、かつて読んだ他のモノのほうが良かったな。
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佐藤浩市主演のドラマを見て読みました。やっぱり官僚ってのはこういう強い気持ちを持った気骨ある人であって欲しいなと思いました。
小説もですが、DVD出たらそちらもどうぞ。
久岡
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2009年ドラマにもなった城山三郎の著作。
戦後の日本経済の趨勢を通産省の官僚たちの姿を通して見ることができる。
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今年もっとも注目された城山作品かと。
ドラマ化されたし。
というわけで、城山作品をいろいろ読もうという訳で、手にとってみました。
一気に読めました。というくらい面白い。
というか「興味深い」になるのかな?
この小説の舞台となった時代は日本が高度経済成長の中で、
先進諸国の新たな市場として眼をつけられている状況。
その中で、国内産業をどのように成長させながら、
外国資本に立ち向かうか。
「現状の日本をどうみるか」
「今後の日本の成長はどうあるべきか」
を考える官僚たちの姿。
この時代の官僚は本当にいい仕事というか面白い仕事を出来る環境の中にいたんだなぁと思う。
でも、時代は変わった。
というのが自分の就職先選びで官僚が出てこなかった理由なのかなぁ。
一読の価値あり。
実在の人物をかなり想像させるのも面白い。
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ドラマを見てから本を読んだ。
ドラマの方が風越はソフトな感じかな?
小説はより昭和っぽい、ごつごつした、粗い印象を受けた。
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主人公「風越」の部下は皆、(結果として)潰れてしまうか潰れ同然になってしまったことに、個人的に感じる部分がある。
職場にも(程度の差はあれ)主人公に似ている上司がいる。頑張った結果が「潰れ」では浮かばれない。潰れの原因が上司のやり方による部分が多いならば、部下はもっと浮かばれない。部下が上司を何とかしようとしても、上司は(主人公のような上司は特に)聴く耳を持たないかもしれない。
そして絶望的なのは、上司がいわゆる「悪い人」ではないところだ。こういう場合、部下は何ができるのだろうか。
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昭和40年(1965年)、鉄鋼不況や証券不安を乗り越えた日本経済は、三種の神器と呼ばれるカラーテレビ・クーラー・自動車の売り上げが急増し再び成長軌道を歩み始めようとしていた。そして、日本政府は戦後の総決として、米軍占領下にあった沖縄・小笠原諸島の領土返還実現に動き出すというストーリー。戦後の日本経済がうまく書かれていていままでの小説とはどこかが違う作品になってておもしろい。
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かっては、風越のような官僚が時代の中心だったんだろうが、今の時代、特に民主党が政権を取ってからは求められなくなった官僚像なのだろうか。
時代が変わったのだと痛感するが、一方で、なぜ今になってドラマ化されたのだろうか?
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「落日燃ゆ」の城山三郎が高度経済成長期の通産官僚が
天下国家のために身を粉にして働いた、闘いと挫折の物語。
去年の夏にTBSでドラマ化されて平積みされていたので、
買ってきてあったもの。折りしも、「脱官僚」を掲げた
民主党が暑い選挙に勝ち、「政治家の秋」よろしく、
仕分けとか、政治家主導への運営へ切り替えている最中。
この話を読んでいると、ころころと風見鶏よろしく
時の流れで変わっていく政治家主導で物事を進めるよりも、
その仕事に腰を据えて取り組んでいる官僚に任せた
方がいいんじゃないのとも思えてきたり。
結局は、党利党略、省利省略ではなくて、天下国家を
見渡せる広い視野を持った人であれば、政治家であろうが
官僚であろうが、その手段は問題ではないと思うのだけど。
国家公務員もそれなりの試験を受けてきたので
馬鹿じゃないんだから。
どっちにしたって、政治判断が入るんだしさ。
とっても男くさい話で、これを大学1年のまだ向学心の
残っている時に読んだら、俺も国家公務員を目指していた
かもしれません。(正しくは、その勉強を続けていたかも
しれませんってことなんですけど・・・。)
終わり方が、なんだか蛇足っぽくなっていることが残念。
http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2009-11-24
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通産省を舞台に官僚世界を描く。高度経済成長の頃のとにかく仕事第一という雰囲気とそれが崩れつつある様子が伝わってくる。何気なく購入した本だったが一気に読み終わった。
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ドラマの影響で原作を読みましたが、ドラマのほうが面白かった。
原作は官庁の中の世界ばかりで、ドラマのように時代に翻弄される企業と一緒に歩もうとした官僚の姿がなかった。
熱くなかった。