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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の竜崎伸也(46)は、今回は大森署署長として銀行強盗犯逃走から立て籠もり事件で活躍します。容疑者は拳銃を所持。事態の打開策をめぐり、現場に派遣されたSITとSATが対立し、異例ながらも前線本部の最高責任者として具体的な指揮はプロに任せつつも、意思決定が必要な時に判断を下し、ちゃんとそのことに対して責任を取る姿勢に心が洗われるようなすがすがしさを感じずにはいられません。「正しいことを正しいと言える珍しいキャリア官僚」と噂のある竜崎という設定ですが、そういう人が変人扱いされるような官僚機構は腐敗しかしないので、現実の官僚によるスキャンダルなんかに嫌気がさしている一般国民にとって、一種のカタルシスが味わえるストーリーです。架空の物語であることが本当に残念なんですけど。
今回は内助の功の奥さんが胃潰瘍で入院してしまい、竜崎の日常生活のダメっぷりが露呈してしまいますが、ちゃんと奥さんを気にかけているし、できることは自分でしようと就職活動で忙しい娘に任せきりにしないあたりが健気で好感が持てます。男女の役割分担に関して非常に封建的な考え方の持ち主ではありますが、それを周りに押し付けようとしないところが評価できます。また息子が目指したいアニメの世界にも、見てくれと言われたDVDを見て、やや認識を改めるところも、なかなか柔軟性のある親父っぷりで拍手したいくらいですね。
ストーリー展開は第1弾よりも緊迫感があり、また責任を取らされて降格されそうになったりしますが、部下の「ひっかかり」を無視せずに事件の洗い直しをすることで一転事件が全く違う様相を示し、SATが突入して犯人を殺したという厳しい批判をひっくり返すことになるのがまた痛快です。きっとこれで部下の心もがっちりゲットできたことでしょう。
紙の本
え??また!?
2017/01/31 23:18
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投稿者:maki - この投稿者のレビュー一覧を見る
え??竜崎さん、また左遷なの??(@_@)
そう思うと読み進めるのに勇気がいりました。。
ただ、さすが竜崎の融通が利かなくてもブレない信念に、人って巻き込まれていくんだなあ。。。
奥様も、入院していながらも、やはり立派で!!
あぁ、息子が見せたDVDってナウシカよね?
堅物変人の竜崎が見ても、感動するってやっぱりジブリってすごい!!(笑)って関係ないです^^;
紙の本
タイトルに相応しい
2016/11/09 10:07
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投稿者:ライディーン - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルに相応しい内容でした。
署長が前線指揮に詰めるとは普通では考えられないと思いますが、ストーリーの内容としては良かったです。
竜崎に対する管理官の態度の変化にも注目です。
立てこもり事件もウラがあるので、楽しく読めました。
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2010/1/30 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
2018/1/22〜1/24
9年ぶりの竜崎シリーズ。すっかりキャラを忘れていたが、読んでいるうちに思い出してきた。変人と呼ばれる竜崎であるが、前作より一層共感出来る存在になったのでは無いか。
「迷ったときに、原則を大切にしようと努力しているだけだ」。常にこうありたいものである。
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シリーズ第1作が傑作だったので、待ちわびてました。文庫になるのを。(お金がなくて単行本買えず・・)
今回も期待にたがわず、原則を貫く主人公が素敵です。
解説に次回作への気になる一言が。早く読みたいよー。
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このシリーズ一作目では、冒頭で本当にびっくりしてしまった。まったく感情移入を許さぬようなキャラクター設定。東大卒の嫌みなやつ。それがどうだ。最後に至っては・・・。
この第二作ではもうこの主人公の人物像は読者は捕まえている。第一作のような展開は二番煎じになる。そこは著者はさすがで、様々なサブキャラクターをうまく配して意外な展開を見せてくれる。うまいなあ。読み始めたら一気本。三作目ではまた本書に登場したキャラクターがまた良い味を出してくれるのだろうと期待させる。(もしくはもっと意外な手が使われるのか)
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竜崎シリーズ第二弾.若干展開が無理やりな気がしないでもないが,テンポ良く読める作品.次作も期待....
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このシリーズは3作品出ていますが、その中でこれが一番好きだ。どこにいても姿勢の変わらない竜崎の潔さがいい。その裏表のなさが、所轄でも徐々に受け入れられていくさまが、読んでいて爽快。
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最近、今野敏の警察小説にハマっており、
樋口顕シリーズを読んでいたが、
この隠蔽捜査シリーズも非常に面白い。
警察官僚であった竜崎伸也は、
隠蔽捜査1で、息子の不祥事により所轄の署長に左遷される。
その赴任先である大森署での事件の話である。
竜崎は合理性を重んじており、正しいことは正しいと主張する。
「俺は、いつも揺れ動いているよ。ただ、迷ったときに、原則を大切にしようとしているだけだ」
そんな風に言って、公私とも厳しく、原則を貫く。
だから、組織の中では「変人」ともされるが、その覚悟が彼の魅力なのではないか。
仕事の上で合理性を貫く姿勢は素晴らしいのだが、
プライベートではてんでバランスがとれていない感じがする。
東大以外は大学ではない、と言い切ってしまうし、
いまどき珍しく家庭は妻が守るものだとしてしまっているが故に、
妻が入院となると、ボタンスイッチで沸くお風呂さえ沸かせない…。
ただ、こういったところもまた魅力なのだと思う。
いろんな方向にまるーくそこそこ魅力を持っているというのは、
トータルでみると結果的にはあまり魅力的でないことが多いのではないだろうか。
竜崎みたいに、どこかとんがっている人が、
組織では煙たがれるのかもしれないが、とても魅力的にうつったりする。
今回の話は所轄を舞台にしており、
読み始めて少し「踊る大捜査線」を思い出した。
現場と会議室、ノンキャリとキャリアという構図。
この小説にもそういった構図がでてくることはでてくるが、
こちらのほうが断然リアルに感じられることと、
現場と言いながらも主人公は元警察官僚であるが故に、
幼馴染の伊丹刑事部長(現場からすると雲の上の人らしい)と親しげに話したりするあたりが違う。
元キャリアのツテを使うことで、中途半端に偉い輩が、それまで高飛車だった態度を急変したりする。
そのあたりに竜崎視点で読んでいる読者はすっきりするのだろう。
これは内田康夫の浅見光彦シリーズに通じるものがあるかな。
ということで、警察内部のキャリアとノンキャリアの対立軸だったり、
そこに事件の意外な結末があったり、
竜崎という人物の合理性に自分の仕事に思いを馳せてみたり、
竜崎が抱えている家庭の問題を考えてみたり、
いろんな視点で楽しめるだろうと思う。
しかし、竜崎の妻冴子、この女性がたぶんこの物語の中で一番魅力的なのではないだろうか。
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文庫化を待っていた作品。
竜崎という真っ直ぐすぎて変人と言われる警察官僚、息子の不祥事も隠さず降格になった前作のその後を楽しみにしていたが、期待以上の変わらなさ。
個人的には警察署長として地域の防犯連絡協議会のようなものに出席したときの竜崎の発言が痛快すぎて面白く、笑いながら読んでしまった。
会社の上司にぜひ読んでもらいたい作品。
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読み進んでいくうちにどっぷりとはまっていきました。敏先生が伝えたいたくさんの事がくどすぎず、かといってあっさりもせず絶妙なバランスで詰まってます。最後の一行を目で捉えた時の、なんとも言えない爽快な気持ち! 個人的には主人公の奥さんと、ちょっと影の薄い美紀ちゃんがお気に入りです。
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前作(隠蔽捜査)で、長男の不祥事により、所轄の警察署長に左遷させられた竜崎警視長が、着任早々たてこもり事件に直面。
ぶれない原則の信念のもとに、バッサバッサと問題解決。犯人射殺、人質は無事解放、となったんだが、、、
警察署長の仕事は書類の判子押しだけで1日が終わるという、そんな仕事も本当にあるんですかねぇ。。。
(2010/3/19)
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前作で息子の不祥事により左遷させられ大森警察署長となったエリート官僚だった竜崎。今回も本音と建前を使い分けない頑固さは健在。
ノーブレス・オブリージュ、多くを持つ者は多くを求められる。竜崎のような官僚が一人でも増えてくれれば、日本は良くなっていく気がする。
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1から続けて一気に読了しました。冴子さんの「男前」っぷりがさらに増していて、こういう妻だからこそ、実直でいられるのか、それとも実直だからこそ、こういう妻と巡り合えたのか・・・。シリーズなので期待大です。
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よかった。
当初に散りばめた事象を生かし、違和感なく、ダイナミックに展開された。公務員の究極に位置する警察組織の実情や矛盾を記しながら、でも、警察に対する信頼を損なわない。期待すら持たせる。
竜崎みたいな奴が必要。
そうなりたい。
そして、竜崎の家族は、新たな問題や展開を見せる。