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七話の短編集
2023/01/08 18:33
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちーかま - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーもあるが全体としてはホラージャンルだと思う。特に「ねじれた記憶」は時空がゆがむホラーで、理屈はどうあれ面白い。「冥い記憶」もミステリーとして面白かった。
同工異曲
2020/10/06 11:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
全て一人称で記憶にかかわるあいまいさ怖さを繰り返し描いた短編集。どの作品もそれぞれに面白いが、テーマやストーリー展開のパターンがどの作品も同じなので連続して読むと各話の印象が混ざってしまうという欠点がある。
記憶という不可思議な恐怖。
2009/01/13 21:44
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ばー - この投稿者のレビュー一覧を見る
第106回直木賞受賞作。
高橋克彦は、歴史ミステリの名手と聞いていたので、本作のような作品もあるのか、と少し意外。氏は他に『写楽殺人事件』で江戸川乱歩賞、『北斎殺人事件』で日本推理作家協会賞を受賞している。
本書には「記憶」にまつわる7編の作品が収められている。
誰もが持っている「記憶」。誰もがその曖昧な部分に一度は心を惹かれたことがあると思う。「小説を書きたい!」と考える人なら、一度はこの題材を扱おうとしたのではないだろうか?それだけありふれた題材であるから、ヴァリエーションを富ませるには技巧とアイデアが必要だ。
本書の7つの作品には、奇妙で、なおかつどこか切ない物語が揃っている。過去を呼び起こす「記憶」には追憶と哀しみが切り離せない。
一方で記憶には、どこか遠い自分が潜んでおり、そんなどこか知らない自分は恐怖でもある。ミステリ性の結果として、ホラーで締めくくる話が多いのも特徴だろう。
地図に載っているはずの家を探す『緋い記憶』。
ページを繰るごとに微妙に事実がねじれていく『ねじれた記憶』。
洪水の日に消えた少女にまつわる『言えない記憶』。
郷里でかつての生家を探す『遠い記憶』。
自身の突然の発病を解く『膚の記憶』。
かつてロンドンで別れた女性の消息を推理する『霧の記憶』。
作品全体に仕掛けが組み込まれている『冥い記憶』。
つげ義春の『ねじ式』の小説版はこれ!と前評判(時系列おかしい?)を聞いていたので読んでみたが、ひょっとしたら『ねじれた記憶』のことを言っているのかな。どちらも不条理な作品であるが、『ねじれた記憶』がホラーであるのは、永遠に不条理が続いていくから怖いのである。夢のような『ねじ式』とは違い、『ねじれた記憶』はずっと現実が続いていくのだ。
高橋克彦の記憶シリーズ。続編があったら読んでみたい物語だ。