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子供のいる主婦と女社長。正反対の2人の物語。というだけではない。2人の視点で語られるのだけど、それだけじゃなく、1人は過去のことを語ることで、時間的にもずれがあっておもしろい。それで最後にすっときれいにまとまるのがまたいい。最後の小夜子の結論はちょっと勇気づけられました。
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直木賞受賞作。専業主婦で子持ちの小夜子と、独身で自ら起業した会社の社長である葵。対極的な二人の友情の物語。(なんていうのは表向きでそんなに単純なものではないのだけど…)中に描かれているのは、行きたくもないのに連れ立ってトイレに行ったり、陰口で結束したり、女ならではのドロドロした人間関係。
むむむ!これは山本文緒の世界?(決して山本文緒を蔑んでいるのではないので悪しからず)と読み始めて感じたくらい。
自由奔放に生きてきた私には無縁な世界だったので、思いっきり「傍観」でした。が、共感する人も多いのだろうなぁ。経験したことなくてもなんかわかるような気がしてしまうリアルな描写でしたから。共感することがなくても夢中で読んでしまいました!!
何といっても作り方が実にうまい!!現在は小夜子視点で進み、合間に高校生時代の葵が絡む。もちろん奇抜な手法ではないけど、この二つの流れがどうやって合わさっていくのかなぁと思ったら、するするっと絶妙に噛み合っていくのです。
そしてタイトルにある「対岸」という言葉がずしっと効いてくる。対極なのは何か。小夜子と葵って単純な対比じゃないのだな。うーん、読みごたえありました!!
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30代女性二人が主人公の邂逅と成長の物語。
二人にかつての自分と未来の自分の姿を重ねて読んだ。
じわりとくるいい作品だと思う。
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女性ならきっと分かる感覚。女が集まるとグループが出来て、それは、大人になっても変わらない。
解説もとても印象に残った。
「人と出会うということは、自分の中に出会ったその人の鋳型を穿つようなことではないか。その人にしか埋められないその鋳型は、親密な関係の終了と同時に中身を失い、ぽっかりと空洞となって残される。」
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泣きました。
お勉強になりました。
葵とナナコの話がせつなくって好き。
2007.10.27
今回読んだら暗くて読み辛かった。ナナコはやはり好きです。
2016.04.15
捨てようと思って読み返したのですが、まだナナコに会いたいのでとっておきます
2018.04.29
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女社長の葵と専業主婦の小夜子。二人の出会いと友情は、些細なことから亀裂を生じていくが……。孤独から希望へ、感動の傑作長篇。専業主婦の小夜子は、ベンチャー企業の女社長、葵にスカウトされ、ハウスクリーニングの仕事を始めるが……。結婚する女、しない女、子供を持つ女、持たない女、それだけのことで、なぜ女どうし、わかりあえなくなるんだろう。多様化した現代を生きる女性の、友情と亀裂を描く傑作長編。第132回直木賞受賞作。
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文庫になっていたのでゲット。
「同じ立場で無いから分からない」と諦めてしまうのは簡単だけれど、そうではなくて踏み込んでいったらきっと何か変わるのかも、と思った。
女子な集団はあんまりすきじゃなくて、でも…みたいな、なんか、女の子なら共感できる物語な気がした。
葵の「海ってさあ、なんか浄化作用があるよね」「いろんなことをさ、毎日、こう、あとまわしとかにするじゃない。そんで気がつくと、たまりにたまったものがどーんって背中にのしかかってくる感じ、するじゃない。うわ、もうだめだ、押しつぶされる、とか思うんだけど、こうして海身に来ると、それがすうっと溶けていくような気がする。錯覚かもしれないけどさ、なんか気が楽になる」っていう言葉が印象的だった。
(08/01/07)
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女性の友情について昔感じていた事、今まさに感じている事が
描かれていました。
リアルだけどリアルすぎずドロドロしないのは上手い。
読み終わって少し前向きになれました。
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同じ年の主婦と女性企業家の二人の物語。違う立場の二人だけど、それぞれに色々な問題を抱えていて、これもジェンダーについて考えてしまった。ラスト、もう少し彼女たちの行く末を見守っていたかったなぁと思った。
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08/1読了 オチの治まりの良さうっかり忘れそうになるけど、女って気持ち悪い。あと女社長は何も変わってない。
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リゾートバイトに行ってる間に読んだ本。すごく時間があったので集中して読めました。
すごく気持ちが分かった。泣きました。
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立ち場の違う二人の女性の友情。
友達も結婚したり、していなかったり。
他人事ではなく、リアルに感じる年代になったからこそ心に入ってきました。
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生き様の違う女性二人が主人公として描かれて、
かたや独身のベンチャー企業の女社長、
かたや既婚で雇われる立場の子持ち主婦…
て、こう書くとまるで唯川恵の「永遠の途中」みたい。
でも、タッチが全然違うんだよね。
『対岸の彼女』の二人のほうが、前に前に進もうとする力がある。
主婦・小夜子の視点で描かれる現在(30代)の小夜子と葵、
葵の視点で描かれる過去(高校時代)の葵とナナコ。
2つの話が、どこでどうやってクロスするのかなぁとドキドキ。
年が近いからか、「過去」の話のほうがすんなり入ってきたけど、
少し時間がたったらきっと「現在」の話がよりリアルになるんだろな。
最後が前向きな終わり方だったからか、清々しい気分になれた。
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葵とナナコの友情感がわからないのは私に友達がいなかったからなのかな、って思っちゃうと、自分の世界の狭さを理解できなかった小夜子と同じなわけで。
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ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも
ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと
出会うことのほうが うんと大事な気がするんだよね