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紙の本
二人の少女と、二つの剣の道。
2010/06/04 12:26
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
剣道を習っている息子の為にと思って手に取った本作品。一瞬にして読み終わったという息子から受け取って、それほど期待はせずにページを開いた。そのとたんに物語に引き込まれ、実は剣道経験者の私、過去に置いてきたはずの熱い想いが一瞬にして胸の奥で疼きだした。
幼い頃から剣道だけを趣味に生きていた磯山香織。愛読書も宮本武蔵の「五輪書」と女子高生とは思えぬほど渋く、その言動や哲学も武士そのものだ。反対に日本舞踊を幼い頃から習っていたものの、中学では日本舞踊のクラブは存在せず、仕方なく剣道部に入部したというどちらかといえば気の弱い西荻早苗。勝ち負けには拘らず剣道そのものを楽しむ早苗だったが、天才的な身体能力でその力を開花させていく。二人はともに剣道が好きで、日々の稽古を重ねてきた。運命の、その日まで。中学生全国大会で準優勝した香織は、自分の強さに絶対の自信を持っていた。しかし地元の市民大会で、無名の選手に負けてしまったのだ。それも真っ向からの面打ちで。一体あいつは誰なんだ、なんであたしがあんな奴に。見つけ出した相手を追うようにして、香織は同じ剣道強豪高校へと入学した。そして二人は、剣道を介して、運命の出会いをするのだ。
まず何しろ、構成が素晴らしい。剣道というのは、実は二面性がある。一つは本来あるべき、心身の鍛錬と精神と人格の修養の為の剣道。もう一つは勝敗に拘った、スポーツ的な剣道である。この本来あるべき道としての剣道を初心者かつ素直に剣道好きの早苗で描き、とことん勝敗に拘ったスポーツ・・・さえも超えた「斬り合い」、殺るか殺られるかの剣道を香織で描く事で、未経験者にも剣道が理解しやすく、物語に入り込み易くなっている。その剣道の二面性が、早苗と香織の微妙な関係のありようそのままなのだ。この点、非常に好感を持った。つまり単なる青春物というワケではなくて、剣道をちゃんと描き表現しようという作者の意思を感じさせるのだ。であるから、試合の描写なども相当濃く具体的に描かれている。色々なワザや呼吸、間合いなど。専門的な言葉を用いながらも、剣道を知らぬものでも十二分にその面白さが分かるように描かれていた。しかしこの試合描写、剣道経験者にはさらにたまらないのだ。誰が読んでももちろん面白い。しかし経験者は知っている。その試合中のやり取りが、多分0.1秒もかかっていない事を。ほんの一瞬、刹那の斬り合い。そこにこそ、剣道の本当の面白さが有る事を。あのビリビリとした空気を、まざまざと呼び起こしてくれるのだ。そしてあの空気をもう一度味わいたい等と、そんな思いさえ沸きたてさせられてしまった。
部活の先輩後輩など、廻りを取り巻くキャラクタも非常に良い。濃すぎず、しかししっかりとキャラが立っていて存在感があり、二人の魅力をさらに引き立てていた。そしてクライマックスも、二人が初めて出会ったあの場所、あの特殊な場所で二人がまた向かい合うという展開。この設定も大いに物語を盛り上げ、美しく締め括っていた。正直、感動した。ぐっときてしまった。
この作品続編が出ているようだ。続編が出ていることがこれほど嬉しいと思った作品も、本当に久しぶりである。・・・うむ取り合えず木刀など、買ってみようか。
紙の本
熱い青春小説
2021/01/09 16:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:m - この投稿者のレビュー一覧を見る
こういう小説がもっと読みたい。アニメ化してほしい。。
紙の本
失敗したっていいじゃないか。やりたいなら、やるしかない!
2020/08/16 17:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:dsukesan - この投稿者のレビュー一覧を見る
女子剣道家達の青春を描くことで、吉川英治の「宮本武蔵」のある要素をギュッと一冊に濃縮したようなストーリー。やりたいことがわからず、もがいている自分の目を開かされてくれる、爽快・痛快な一冊。
「やりたいことはやる、やりたくないことはやらない」の精神で、在るがままの自分で選択し、納得・覚悟をして生きていくことを、後押ししてくれる小説。
自分のミッション、バリューを問い直し、「人生このままでいいの?」を読んでいる中で、好きなことを考えようとしていたが、いまひとつ好きなことを追求することが良いのか、迷っていた自分を勇気づけてくれる小説。「できるかどうか」より「やりたいかどうか」をベースに判断してよいと背中を押してくれる。「失敗したっていいじゃないか、やりたいんだったら、やるしかない!」。本作を通じて、小説が生きる力をくれる、生きやすさを与えてくれるという体験ができた。
曰く、人生勝ち続けることはできない。勝ったり負けたりするもの。そして勝負は避けられない。では、負けることの不安に打ち勝つにはどうすればよいか。勝負の結果や比較優位だけを求めていては、負ける不安に打ち勝つことはできない。打ち勝つ方法は、それが好きだっていう気持ちを自分の中に確かめ、好きと勝負の不安を天秤にかけること。不安が勝てば、やめておく。好きが勝てば挑戦するしかない。結果は後からついてくるもの。そうした選択を続けていくことが、唯一の解なのだ。
勝ち負けだけにこだわってしまうのは、そして負けを極端に恐れることは、自分一人だけで強くなったという想いからくるもの。周り全てを敵とみなして勝手に恐れているだけということに気づかされる。そして、その一人よがりから抜け出すうえで、一人では生きてゆけぬことを知り、生きていく上で、世のためを思い、他人を敬い、精進を怠らぬことが大切と説く。
改めて、自分の好きなこと、夢中になれることが何なのかを考えよう。義務感とかではなく、行為そのものを好きと思える何かを。きっと俺はそうしたワクワクできること、具体的な夢を探し切れていないから、いま、こういう鬱な状態なのだと思う。
自分の好きを殺さず、きちんと探す努力を怠るな。人生に背を向けていてもしょうがない。一歩ずつでも前に歩もう。この小説を読んで、改めて挑戦するときの高揚感を思い出した。走ることが大好きだった、高校時代。興味に基づき主体的に動いた大学時代。遺伝子流動を研究したいと思った修士2年目、アフリカに行きたくてトライしていたあの頃、アフリカで見た自然との共生に土地利用や生産性の向上が必要と学んだときの、ワクワクを思い出す。
自分のできることが増えれば、好きなことも増えるし、本当に好きなことなら、力をつけることもできるし、勝っても負けても、歩み続けられる。そして、その「好き」は生きてゆく中で変わることもある。
常に自分の心、好きをとらえながら、感謝を忘れずにやりたいことにトライしていければという気持ちになった。
電子書籍
武士道
2018/11/19 20:19
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投稿者:Natsumi-kan - この投稿者のレビュー一覧を見る
磯山さんみたいに、1つの事に熱中できるっていいなぁーって思いました。
紙の本
剣道のことを知らなくても楽しめます
2017/05/04 00:26
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投稿者:はじめちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容が分かりやすいので、スラスラと読むことができました。性格の異なる西荻さんと磯山さんのやり取りが、非常に興味深かったです。
紙の本
第1刷:2010年2月10日
2015/08/30 19:59
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投稿者:bbsf - この投稿者のレビュー一覧を見る
単行本は2007年7月文藝春秋刊行…男性作家なので脇役がグジャグジャ嫌がらせめいたことをしないところが読んだあとのスッキリ感につながっている
紙の本
ストロベリーナイトがきっかけで読みました。
2014/10/12 00:32
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投稿者:shingo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストロベリーナイトがきっかけで読みました。
剣道女子のスポコン。最近読んだスポコンがDIVE!!だったので、期待薄で読み始めたのですが、大当たりでした。基本は読みやすいのですが、剣道の描写は知識がないと想像しにくいかもしれません。自分はネットで言葉を調べました。
紙の本
剣道一筋の友情物語全3巻
2014/08/24 07:25
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投稿者:kwt - この投稿者のレビュー一覧を見る
16歳(高一)~18歳(高三)まで,剣道を通じた,女の子の友情物語。
カラッとして,テンポもよく,波瀾万丈型ストーリー展開。
全3巻構成。読み始めは初巻から。