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天切り松、非常にいいです。読む度にこの独特の世界にはまっていきます。登場人物の人間性が、素敵すぎます。第八夜「春のかたみに」が、とても泣けました。
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残侠―天切り松 闇がたり〈第2巻〉 >> 気に入った台詞、先ず、おこん姉さん「好いた惚れたは人間を正直者にさせちまうのさ」
『残侠』をようやく読み終えることができた。『闇の花道』に比べると、クラッシック?な文章と、描かれている世界観に慣れたのか『闇の花道』よりも読みやすく、よりダイナミックな展開に、物語に引きずり込まれ、いつの間にか、松蔵の気持になって他の登場人物に接している自分を発見しました。リアリティは後退するが、これまでの話の中で設定された舞台の上で、生き生きと描かれたキャラクターが動き出し、後半に向かって物語が盛り上がって行く。
闇語りを仕切る天切り松も、絵に描いたような不幸を背負った少年時代は、義理人情を欠くところがあり、自分が愛されていることに気づかなかった。浅田次郎さんは、現代とは異なる厳しさにさらされていた大正時代、哀しみの中にも自らの生きざまを発見し、懸命に生きる人々を描くことで、読者に生きることの意味を問う機会を与えてくれている。
面白いだけではなく、非常にためになる本で、続編が非常に楽しみだ。
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大正が舞台の粋な男の心意気小説は好きなのだが、1巻、2巻と連続して読むと飽きてしまう……。
今回は間に『人体600万年史』(上下巻)を挟んでの読了だったからまだしも、残りの3、4巻も何か明後日の方向にある本と併読したほうがよさそうだな(^^;
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解説大山勝美氏
8章からなる文庫本
幕末、明治、戦争。。
歴史をもっと知っていれば今作はもっと楽しめると思う。
フルメンバー活躍の1冊。
最終章『春のかたみに』
前作で親を選べぬ子の辛さ、という感想を抱いたが
今章を読んで考えさせられる。。
根っからの悪人はいないという事だろうか。。
松蔵の芯の強さ、優しさを再認識。
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「男てえのは、理屈じゃあねえ。おぎゃあと生まれてからくたばるまで、俺ァ男だ、俺ァ男だと、て、てめえに言いきかせて生きるもんだ。よしんばお題目にせえ、それができれァ、理屈は何にもいらねえ」
大正ロマンの時代を駆け抜けた目細の安吉一家の活躍譚第2段。
この2巻で安吉一家以上に光るのはやはり清水の小政。
一宿一飯の義理を立てて鮮やかに舞台を降りる様は本当に格好いい!
「春のかたみに」ではもちろん号泣したし、安吉親分も寅兄ィも栄治兄ィもおこん姐さんも相変わらず素敵だけれど、この中で一番好きな話はと言われたら「百面相の恋」を選んでしまう私は、結局騙りの常兄ィが一番のお気に入りだったりします。
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連作短編。
【残侠】・【切れ緒の草履】
・・・“侠”と書いて“おとこ”と読む(笑)。腕っぷし抜群のドン・キホーテか。
【目細の安吉】
・・・親分格好良し♪
【百面相の恋】
・・・その後の二人がどうなったのか。
気になり過ぎる!!!!!!!
(ほか、略)
シリーズものの短編周を2冊たて続けに読むと・・・(つまり、同一世界観の物語を、ほんの数日で10編以上読むことに)・・・さすがに食傷するということに気がつけた(苦笑)。
好きなシリーズとなったことには違いが無いので、少し間を開けてからまた、続巻を読もう。
★3つ、7ポイント半。
2016.11.18.古。
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良いですね。
第一巻に比べると、ちょっと中休み的な感じもしないではないですが。。。
余り多くは語りますまい。
すっきりした義理と人情。男伊達、女伊達。大正ロマン。そんなキーワードに惹かれる人は是非お読みください。
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天切り松 巻の二。江戸の義侠が大正の世に蘇る表題作「残俠」のほか、目安の安吉、百面相 書生常、玄の前のおこん、黄不動 栄治がそれぞれ主役を務める 4短編など8編を収める。
さすがにマンネリの様相を呈してきてはいるが、小気味良い下げとお涙頂戴のメロドラマは健在。近いうちに巻三「初湯千両」も読もう。
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粋でいなせな泥棒たちの物語。
この「たち」と複数形のとこがお約束。それぞれの粋の輝きの違いが楽しい。
でも、今回の一番は、表題作かな。若い織姫と彦星の話も一夜の夢のようで、よかった。
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※2002or2003年購入@読書のすすめ
2003.6.10-15の間に読了
2017.5.6売却@Book Off
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前作もそうだけど、毎度ラスト3ページくらいで目頭が熱くなる。今回ももれなく、電車で朝から泣きかけてしまいました。このシリーズはちょっと休憩入れてまた今度読みます。
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「浅田次郎」の連作小説『残侠―天切り松 闇がたり〈第2巻〉』を読みました。
『終わらざる夏』に続き、「浅田次郎」作品です。
-----story-------------
ある日、目細の「安吉一家」に客分として現れた、時代がかった老侠客。
その名も「山本政五郎」―すなわち幕末から生き延びた、「清水の次郎長」の子分「小政」だというのだが…。
表題作『残侠』など、天下の夜盗「天切り松」が六尺四方にしか聞こえぬ闇がたりの声音で物語る、義賊一家の縦横無尽の大活躍八編。
粋でいなせな怪盗たちが大正モダンの大東京を駆け抜ける、感動の傑作シリーズ第二弾。
(解説/「大山勝美」)
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天下の夜盗「天切り松」が、留置場の中で六尺四方にしか聞こえぬ闇がたりの声音で、大正時代の粋でいなせな怪盗たちの活躍を物語る「天切り松」闇がたりシリーズの第2作… 集英社が出版している月刊小説誌『小説すばる』の1998年(平成10年)1月号から8月号に連載された作品8篇が収録されています。
■第一夜 残侠(旧題:「残侠」前編)
■第二夜 切れ緒の草鞋(旧題:「残侠」後編)
■第三夜 目細の安吉
■第四夜 百面相の恋
■第五夜 花と錨
■第六夜 黄不動見参
■第七夜 星の契り
■第八夜 春のかたみに(旧題:花のかたみに)
■解説 大山勝美
「天切り松」闇がたりシリーズを読んだのは初めてだったのですが… 小粋でいなせで、物静かで小柄な老人「天切り松」が名調子で物語る独り芝居的な魅力にぐいぐいと引き込まれ、大正時代の東京でのできごとが目に浮かんでくるようでしたね、、、
裏社会の人間たちが、表社会の人間たちを痛快にやり込める展開も魅力的なのですが… 親代わりで芸術的な中抜きの名人「抜け弁天の安吉(目細の安吉)」、天切りの職人「黄不動の栄治(栄治兄ィ)」、強盗(タタキ)の「坊主の寅弥(寅弥兄ィ)」、百面相で騙りの「書生常(常次郎兄ィ)」、巾着切りの「振袖おこん(おこん姐さん)」等々、個性的で魅力溢れた登場人物が本シリーズの大きな魅力だと感じましたね。
早くに母親と死別し、父親に捨てられた「松」が、義賊の集団の中で友情を育み、技量を鍛え、世間を知り人間として成長する姿を描いたヒューマンドラマでもありましたね… 情の深さ、掟や躾の厳しさ、支え合う絆の強さ、そして、人間関係の豊かな美しさが心地良いんですよねぇ、、、
『百面相の恋』、『花と錨』、『星の契り』は、「書生常」、「振袖おこん」、「松」の色恋話がテーマとなっていて切ない恋愛小説として愉しめたし、
『残侠』、『切れ緒の草鞋』(この二話は当初前後編となっていたようですがセットですね)、『目細の安吉』、『黄不動見参』は、「清水の次郎長」の子分「小政(政五郎)」や「目細の安吉」、「黄不動の栄治」の活躍が痛快でスッキリする粋な物語だったし、
『春のかたみに』は、親子の絆をテーマにした感動的なドラマに仕上がっていましたね。
独特な魅力にはまってしまいました… 「天切り松」闇がたりシ���ーズ、他の作品も読んでみたいな。
以下、主な登場人物です。
「天切り松」
仕立屋一門最後の生き残り、物語の語り手。
仕立屋銀次の左腕抜け弁天の安吉のもとで幼少も頃からその道の修行をする
「仕立屋銀次」
元仕立屋職人、スリの親分清水熊の娘と結婚し、明治33年に一家の跡目を継ぐ。
明治の末には東京市中に手下ニ千人といわれたスリ盗人の大頭目
「抜け弁天の安吉(目細の安吉)」
本名杉本安吉。
明治42年の大検挙で銀次がパクられたあと、シマを預かる。「中抜き」の達人
「振袖おこん」
安吉の一家。三十路手前の大年増。「ゲンノマエ」の達人
「坊主の寅弥(説教寅)」
安吉の一家の若頭。気は荒いが情けにゃ弱い。盗人の華タタキを稼業とする
「黄不動の栄治」
安吉の一家。二代目彫玄の傑作の不動明王を背中に背負う。
大江戸以来の夜盗の華「天切り」の使い手
「書生常」
安吉の一家。または百面相の常次郎。本名本多常次郎。
帝大生顔負け天才的経済犯
「おしろい」
東京地検の辣腕検事。白井
「政五郎」
謎の老人。「清水港は鬼より怖い」とうたわれたあの男か!?
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1冊目は昔の語り口調が難しくて、読むのが大変でしたが、2冊目ともなると段々慣れてきました。
やっぱり泥棒だけど、みんなかっこいい!!特に百面相の恋が良かった。どんなに周りの人に嘘をついても、愛する人のことを大切に想ってた常兄かっこいい。幸せになって欲しい。
そして最後の話も良かった。目細の安吉親分の愛情の深さを思い知った話でした。そんな親分の下で働いているみんなが自分を持っててかっこいいし、松も成長していくのが分かって良い話でした。
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近頃は全く聴くことがなくなった、漢とはとか、任侠道、なにわ節全開。
押し付けることはダメだけども、こういう形で自分を陶冶するという気風も、ひとつの文化なのかもなと思った。
清水の小正が出てくることで、次郎長を調べるきっかけを得て、次郎長と山岡鉄舟の関係にまでたどり着く。やはりそちらも知りたいと思う。
長え人生、しっかり男を磨け
達引 何につけても昔の人間にァ、銭で売り買いのできねえ意地てえもんがあった
勝ち負けも損得もないのだ。信じた道をまっすぐにつっ走るのが心意気なのだ。
親に対する恨み憎しみは、おのれの血を蔑むことだ。おのれを蔑めば、人間はただのひとりも生きてはいけない