紙の本
遂に始まった戦争が皮肉にも本シリーズの真の姿を浮き彫りにする
2009/12/27 20:49
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DSK - この投稿者のレビュー一覧を見る
当初は漠然と「これは『追憶』より何年か後の物語なんだろうなぁ」と思っていたが本巻でそれがはっきりした。ようやく、とうとう“あの2人”が出てきたのである。すぐにそれとは分からないくらいの間接的な登場だが、双方がそれぞれの立場でさり気なくも絶妙な存在感を示しており、そうと分かった時には不覚にも少し震えた。
前巻から続く学園編な前半では、聖泉への到達と迫り来る戦いへの不安を秘めつつ生徒達の決意と覚悟が漠然と描かれる。しかし、ここで特筆すべきは今回も登場のアリーメン。そんなに凄いのかアリーメン!という怒濤の賛美が食した人々の桃源郷的反応で綴られており、本編とは無関係ながら圧巻の可笑しさである。
いよいよ『空の一族』と開戦する後半は、戦争の過酷さをシリアスながらも淡々と記していく筆致が圧倒的で、犬村ワールド全開の素晴らしさが読み手に迫ってくる。セリフの減った頁にびっしり書かれた濃密な描写。戦争だから避けて通れない場面が幾度も出て来るが、純粋にイスラを守ろうとする仲間達のあまりにピュアで真摯な勇気が眩しい。身近な存在には生きていて欲しいがために無私となる、無私になれる戦争のミクロな側面が、特にその愚直に勇敢な行動を目撃する立場の視点で客観的かつアツく描かれることで大きな感動を落涙とともにもたらしている。そしてカルエル&アリエルのピンチに際して悠然華麗に登場する『海猫さん』。これがかの脱出劇の作戦名に由来しているであろうと気付いた時の衝撃、さらには本巻最後に出てきた手紙の宛名が誰なのか気付いた時の衝撃が加わって読み手のボルテージは最高潮となろう。お見事と申し上げる他ない。この2人それぞれの後日談が絡んでくるならば、これ以上の望みがあろうかという期待が高まるのである。第2巻辺りで挫折した諸兄に申し訳ないほどの素晴らしさを予見させる展開になりそうである。
紙の本
泣き展開と心の繋がり
2009/12/23 18:16
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にい - この投稿者のレビュー一覧を見る
とうとう戦いへと突入します
前半から後半に向け、緩急つけての王道ともいえる自己犠牲の泣き展開
この手の話が好きな人には堪らないですね
正直、忍者のくだりはどうかと思いますが・・・一応伏線になってるのかな?
主人公のニナ・ヴィエントへの気持ち、アリエルへの気持ちがはっきりして、余計に今後のストーリーが楽しみになります
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
あとがきは無いので後ろから見ない方が良いという作者のコメントがついています。
聖泉まであとわずかというところで、イスラは言い伝えにある空の一族と遭遇する。
木造の旧式戦闘機を見て侮ったイスラ空挺騎士団団長レオポルド・メルセは、イスラにわずかの直掩機を残し、全兵力を敵に差し向けるのだが…その結果。
前半までは前巻の流れを引き継ぎ、のんびりとした雰囲気で進むのだが、後半からは一気に事態が緊迫する。
やはり一番の見せ場は、正規戦力の不足を補うべく索敵任務に借り出され、敵攻撃編隊を発見した、ミツオ・フクハラとチハル・デ・ルシアが味方を援護すべく奮闘するシーンではないだろうか。無防備に爆撃を受ける危機に瀕したイスラを救うため、決断を迫られる二人。
今回はクレア・クルスの活躍する場面が無かったけれど、次巻あたりからはニナ・ヴィエントとして働く局面が出てくるかもしれません。
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海の果て―聖泉の向こう側を目指して旅を続けてきた空飛ぶ島「イスラ」。
そんなイスラの上で、見習い飛空士たちは今日も過酷な訓練に耐えていた。
見習い飛空士の一人、カルエルはいつものように義妹と兄妹喧嘩をしながら、
そして、その義妹、アリエルも義弟のカルエルとしょっちゅう喧嘩して、
いつものように、クラスメイトが仲裁に入る。
そんな楽しい日々が続いていた。
もちろん、クレアも一緒に。
そう、この楽しい日常は続くはずだった。
ついに聖泉へとたどり着いたイスラ。
しかしそこで待ち構えていたのは無数の戦闘機。
”―生きていて欲しい
―どんなことがあっても。”
やっと恋歌シリーズ初の空戦。
キターって感じですね。
とある飛空士への追憶を読んだ人ならわかるでしょう、
あの臨場感ある空戦。ロマン。
鳥肌が立ちまくりでした。
もちろん、いつものように
つい笑ってしまったりするところもあります。
シリアスとギャグのバランスが取れてる良い作品だと思います。
激動の第3巻! は嘘ではなかったです。
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空戦の描写にわくわくする。
『追憶』への繋がりがじょじょにわかり始め続きが楽しみ。あれから何年後?
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ごめんなさい。追憶に比べると、恋歌は萌えに走った「ライト」ノベルでいまいち、とか思っててごめんなさい!!
3巻まできていよいよ本領発揮。2巻までの話も、いわばひぐらしの前半と同じ、必要な溜めと理解しました。その落差が際立つ、三章 散華は白眉です。もう、もう、もうっ!!!!
そしてラスト。追憶と同じ世界でも時代は全然違うと思ってたが、なんと同時代らしいと!?4巻早く出て~~~
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完全にツボでした。星10つけたい。
中盤から死亡フラグ立てまくりだったみっちゃんの壮絶すぎる最期で泣きました。
ラストでアリー株急上昇。アリーは俺の嫁!
追憶との絡みもあり、ファンとしては大満足でした。
続刊に期待です!!
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みっちゃああああああああああん!
女子メンツが無事な感じがエロゲ的ですてき。
寮長とバンデラス先生が漫画チックですてき。
でもやっぱみっちゃんだと思うんだ。
触接シーンとかはかっこよかった。
ところで追憶のことはほとんど覚えてないんだけど
ファナって名前と海猫って単語がぼにゃーり。
もしかして、時代は追憶の数年~あととかそのくらい?
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序盤の牧歌的な雰囲気から一転、後半は空族とのシリアスかつハードな戦いが繰り広げられる本巻。
中盤ここまで死亡フラグ振りまくかぁ・・・という感じでしたが、まさかあの人まで・・・と思って気が気でなかった。
そして海猫、神聖レヴァーム皇国・・・といったらあの人、だよね!?
「~追憶」とクロスオーバーするであろう次巻が楽しみです。
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ついついいろいろ先の展開を読んでしまう異世界飛行島小説3冊目。
空族は狂信者系ということになるよなあ。
何の得にもならない襲撃をやるといって、ワンピースほど荒唐無稽な世界にはなってない感じだし、
正直空族の方々の日常生活が心配です。
個人的に一番盛り上がったのは、使命を果たすために精一杯をやるミツオ君達だったので、怒濤の展開にするよりも、一旦学校中で浸るとかして欲しかったなあ、とかも思いました。
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ええ〜!?あいつが死んで、こいつも死んで…。ほのぼのな前半と後半の容赦ない展開の落差に戦く。…死亡フラグ、か…
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4巻が出てしまったので周回遅れで積読崩し。戦いを前にしたつかの間の日常と、絶望的な戦い。田中芳樹+ジブリ風の趣きが実に面白い。でも、寮長の存在が……どうしてこのシリーズは、シリアスの最中に、どうにもならないギャグを入れるんだろう?
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どこかロミジュリテイストだった1,2巻から、敵となる「空の一族」が登場し戦闘が始まるとがらりと雰囲気は様変わり。
「脇役が色気を出すと死ぬ」という死亡フラグがあるが、その通り1,2巻では全くスポットの当たらなかった脇役に色恋関連のスポットがあたり、その結末は….。
読んでる途中からあからさまな死亡フラグなので、案外最後はなんとか切り抜けるのかも?と思いきや、無情にも施行されるフラグ。
そのキャラだけでなく、それなりに名前の出てたキャラもばたばたと…強敵が出現して厳しい戦いなのは分かるが、これは死にすぎだろう;;
1,2巻からの雰囲気からあまりの急展開に、いろんな意味で次の巻から目が離せません。
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我慢して三巻まで読め、と言われる理由が判った。
前半までは二流(決して三流では無いのがツラい)の学園ラブコメ。
死亡フラグが立った級友ペアが出撃するあたりからが、たぶんキモ。
正直なところ、この後半から読みたかった。
ただ、先生の過去と活躍はともかく、寮長は異質な気がした。
最後にくる感動は、このシリーズ独自の感動ではなく、「追憶」に依存したものなので置いておくとして、ここまで読んで良かった。
今後に期待。超期待。
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正直、恋歌は追憶の人気にあやかった蛇足シリーズだと思ってました。
が、この巻を読んで得心。1,2巻はこのための壮大な前フリだったんや!!!
散りまくり、燃えまくります。