紙の本
至高の読書時間
2017/12/07 14:02
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投稿者:犬丸52 - この投稿者のレビュー一覧を見る
オリオン像のトリックの種には気が付いたが,その奥があるとは思わなかった。流石である。ミステリーとしてはいささか粗雑な箇所が散見されるのも事実であるが(銃撃てば硝煙反応残るし,死体捨てたら死体遺棄でケーサツに引っ張られるし・・・),それらの粗は,この本を読み続ける楽しみをスポイルするものではない。ホント,この作者の作品に浸るのは楽しいわ!
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助教授:犀川創平と学生:西之園萌絵の関係と、その心理的やり取りが面白い。
2017/09/23 12:12
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投稿者:ナミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
助教授:犀川創平と学生:西之園萌絵の関係と、その心理的やり取りが面白い。人間関係や数学的問題などで引き付けておいて、中盤で一気に殺人事件という緊迫した展開に。この事件を切っ掛けにして、天王寺-片山家-鈴木家との複雑な人間関係が現れて来る。そして、意外な結末へと収斂していくのだが、天王寺翔蔵・天王寺宗太郎・片山基生・鈴木彰の4人の内、鈴木彰は殺害されたと仮定しても天王寺翔蔵・天王寺宗太郎・片山基生の3人の内現在生きているのが誰なのか(2人は生きてるらしい)、そして鈴木彰が誰の子供なのかに関しては謎のままの終わり方がちょっと物足りなかった。また、75ページで出された問題の答えが無いのも不満でした。気になってイライラする。
偉大な数学者:天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」のパーティで、庭にある巨大なオリオンの銅像が消えてしまう。前に消して見せたのは12年前で、その翌日に翔蔵博士の長男:天王寺宗太郎が自動車事故で死亡し、天王寺家の使用人:鈴木彰が失踪している。今回は、その夜の内に、宗太郎の妻:天王寺律子と宗太郎の長男:天王寺俊一が相次いで殺害される。これで長男の家系は絶えて、長女:片山亮子が単独相続権者となる。ところで、12年目の事件から4年後に、失踪した鈴木彰から天王寺宗太郎の未発表原稿が届けられ、ベストセラーとなっている。さて、主に鈴木君枝の情報が突破口となって、徐々にこのような状況が明かされ、更に君枝の長男:鈴木昇が彰の子供ではなく、実は天王寺翔蔵の子であるらしいと示唆される。更に、君枝の告白によると、12年前の宗太郎の自動車事故は律子か亮子のいずれかに命令されて、彰がブレーキに細工をした結果であるという。そんな折、鈴木昇が深夜に猟銃で狙撃され、萌絵によって救出されるが、その時偶然白骨遺体を発見する。萩原刑事の調査で、5年前にガンで亡くなった筈の片山基生の死亡届けが出されていないという。数日して何かに気付いた犀川は、当事者全員を「三ツ星館」に集めるよう要請し、その場で「犯人が判明した」と言った途端に、鈴木昇と君枝が行動開始。ちょっとした捕物劇の後、2人共逮捕される。主犯は鈴木昇。さて謎解き。「三ツ星館」のプラネタリウムは、プラネタリウムが回転するのではなく、客席が180度回転する作りとなっている。よって、180度回転した時には、オリオン像は建物の反対側に位置する。このカラクリを巧みに利用して完全犯罪を企画した鈴木昇の緻密さに敬服。
さて、残った問題は鈴木昇の犯行動機であり、天王寺宗太郎・片山基生・鈴木彰の3人はどうなったかと、鈴木昇が誰の子供かである。天王寺翔蔵博士が語り始める。12年前の自動車事故は、天王寺宗太郎と鈴木君枝が共謀して鈴木彰を殺害。その後、宗太郎は首吊り自殺した。遺体は、翔蔵と昇とで庭に遺棄。つまり萌絵によって偶然発見された白骨遺体は宗太郎であった。なお、宗太郎と片山基生とは、翔蔵博士の妹の双子の兄弟だった。そして、片山基生は暫く地下室に居たのち出て行ったという。しかし、証拠は無い。犀川は目の前にいる人物が、翔蔵博士なのか片山基生なのかを問うが答えは無い。また、鈴木昇が誰の子かも謎のままでした。そして、何日か後、とある公園で白髪の老人が少女に、自分の周りに円を描き、線を跨がずに外へ出られるかと問う。このエピソードから推測されるのは、地下室の水死体は片山基生で、公園の老人が翔蔵博士となるが、あくまでも「不定である」。(笑)
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天才数学者、天王寺翔蔵博士が三ツ星館で行われたパーティーで、庭にあるオリオン像を消し去った。その翌日、二つの死体が発見される。 招待されていた犀川と西之園が真相を探る。
天王寺博士の出した問題「神のトリック」が、事件解決のポイント。 でも、その謎はすぐに解けてしまったので、面白さが半減してしまった。TVなどでよく見かけるトリックだったからなぁ。 とはいえ、天王寺博士の存在感はすごいものがあって(笑)別の意味で面白かった。
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このシリーズの特徴通り、数学的発想に徹した推理小説だったけれども、この作品の中の数学的なたとえ話や、問題は、面白い内容が多くて、とても良かった。それほど複雑ではないし、今まで読んだ中では、この話しがシリーズ中で一番面白いと思う。
「一日なさざれば、一日食らわず」
「それ、同じじゃありません?」
「違うね。これも集合論だ。ド・モルガンの法則かな。」(p.30)
もし、教育というものが概念として存在するとすれば、たぶん、片山基生が和樹に与えたものが、それだろう、と犀川は理解したので、理想的だと表現したのである。人間は自分の生き様を見せること以外に、他人に教えることなど、何もないのだ。(p.193)
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犀川&萌絵シリーズ。相変わらず萌絵のお嬢様っぷりに、気分を悪くしてみたりして…。でも、面白いのは面白いんだよね。かといって、トリックに納得するわけでも、話のオチに頷くわけでもない。勿論、数学論理みたいなところで感心してるわけでもない。一体、何が面白いのかよくわからないところが、面白いのか??
ともあれ、これのトリックはちょっと無理矢理だったね。
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コンクリートの地面から巨大なブロンズ像が消えてしまったりまた現れたりという謎に関しては、僕自身はあっさりとトリックがわかってしまった。エラリー・クイーンの作品で、同じようなものがあったと思う。道具立ては、かなりこちらの方が派手であるけれども。
ただ、それでこの作品がつまらなくなったかというと、そんなことは全くなかった。舞台である屋敷がとても魅力的で、こんな建物があるのなら見てみたいと思ったせいもある。でもそれ以上に、探偵役をつとめる二人がステキで、こちらの心にするっと入ってくるキャラクター設定であった。特にヒロインはとてもかわいい。なんかその「かわいい」って感じること自体が、自分の年齢を反映しているような気がしてちょっと嫌な気持ちにはなったが。それくらい魅力を感じてしまった。
ミステリとしてどうかというより、探偵役の魅力だけで読破したいシリーズである。
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バイトで本を読む機会に欠いていたので、かなり久しぶりの書評になる。夏期休業後半はいろいろ読めることを期待する。と言うか、バイトが終わって暇で暇で仕方がない。大学の友達は実家に帰って金沢に居ないし、一人で部屋に籠もって本を読んだり書いたり、電話したりするぐらいしか楽しみがないのはどうしたことか。
いつから主人公が入れ替わったのだろう。やる気のない天才探偵役の犀川センセが主人公だったはずなのに、その仕事は進行役の西之園萌絵に移ったのはどうも面白くない。いや、好奇心旺盛なお嬢様もいいが、そんなものより森博嗣の魅力は犀川の様な天才だと思うので、西之園萌絵が活躍するのは見てて面白くない。だが、犀川センセはお話を進行させないから仕方がないのか。
森博嗣のトリックは健在なのであるが、それについては触れるのが面倒なので止める。
それにしても、分母分子をスラッシュしていって、素敵なイーコールの式を組み立てたときの快感は忘れがたい。その辺の話が書いてあったのが理系として共感してしまう。計算とは、条件式で縛っていっていく行動だと思う。文系にはこの感覚は一生判りまい、理系だけが持つ独特な快感だ。その時理系は『解けた!』と叫ぶ。
そんな理系本能を呼び覚ましてくれるミステリー小説森博嗣。文系の皆さんが読んで面白いのかいつも疑問なのだが、その辺どうなんだろう?
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実質の第2作目。これ、副題の「MATHEMATICAL GOODBYE」が何とも言えずかっこいい。シリーズの中では一番トリックが分かりやすい。天才数学者と犀川の掛け合いが興味深い。
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S&Mシリーズの(出版順からして)2作目がどこの本屋へ行っても見付からないので、(出版順で)3作目を先に読んでしまった。でもそれほど気にならず読める。まず、タイトルがカッコいい。洋題の方がとくに。途中、萌絵の子供っぽさにイライラしたのだけど、そういう子供っぽさと現実味のない役柄をしている彼女がいてこそ成立するシリーズだしなぁ。犀川と天王寺博士のラストのやりとりは、禅寺の禅問答みたい。とても宗教的でシンプルで幻想的。ミステリーとしては明快に解決できないことがなんとも言えない余韻を残す本。
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シリーズ第3作目。
タイトルが非常に綺麗です。
作品に出てくるような館が実在したら、是非行ってみたい。
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今回も日常を超越した天才天王寺博士が登場する。しかし、真賀田四季には及ばないか。本書の魅力は本編のミステリよりも作中の数学的思考、提出された数学的問題にあると思う。結末については様々な解釈が可能であるだろうが、題名の笑わない数学者から鑑みるに少なくとも天王寺博士ではないと思う。そして、内と外にこだわりを持ってる点から片山基生が最後に残った男だと私は思う。安易に考えすぎか。まあそんなことはトゥリビアル(些末)なことだがちょっと我々文系人間では事件を再現し得ないものだと思う。登場人物が魅力的。犀川の姿勢に作者森の思考をうかがい知る事ができる。「役に立たないもののほうが楽しいじゃないか…最も役に立たないということが、数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。人間だけが役に立たない事を考えるんですからね」う〜ん、なるほど。
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天才数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」が舞台のミステリーです。犀川助教授と西之園萌招かれたパーティの席で博士は大きなオリオン像を消して見せます。翌朝、オリオン像と共に2つの死体が発見されます。途中で博士が出題する数学パズルが面白いです。やや、哲学的な内容になっております。
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この作者の作品にも慣れてきたのか、今回すらすら読めました。内と外、定義の仕方など、数学的で哲学的な考えが読んでいておもしろかったです。
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S&Mシリーズ第3弾。前作から半年後の話です。
・あらすじ
偉大な数学者、天王寺翔蔵博士の住む「三ツ星館」。そこで開かれたパーティの席上、博士は庭にある大きなオリオン像を消してみせた。一夜あけて、再びオリオン像が現れた時、2つの死体が発見され…。犀川助教授と西之園萌絵の理系師弟コンビが館の謎と殺人事件の真相を探る。
事件の謎とは別に今作で、大きなウェイトを占めるのがオリオン像消失の謎。殺人事件と消失の謎どちらも重要な役割をしています。
なぜ、殺人が起こったのか?
なぜ、オリオン像は消えたのか?
さらにもうS&Mシリーズも3作目ということで、人間関係にも結構クローズアップしています、犀川のことが好きな萌絵のお嬢様らしい行動に微笑を覚えます。
作中で、数学の問題を出されるシーンがあるのですが、これを熱心に解いているファンもいるみたいですね。
わしは脳のキャパシティーをオーバーしているので、早々にあきらめましたが。
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S&Mシリーズ第3弾。
トリックを見破るのは私でもできたけど、それに甘んじていちゃダメですねー。
舞台は三重県っていうのが私的に嬉しい。