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投稿者:hid - この投稿者のレビュー一覧を見る
傑作だなあ。
大きな問題提起をしているんだけど、そんなことはお構い無しで、とにかく楽しい。
作者さんの出自が関係してるんだろうね。
ふつうの日本人じゃ書けない。
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投稿者:なま - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公のかっこよさが、気持ちよい。色々と悩み多い生き方なのだろうが、それをさわやかに表現している。ボクシングの軽快な動きにあこがれます。
紙の本
何年経っても最高傑作
2018/05/23 21:57
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投稿者:じゃび - この投稿者のレビュー一覧を見る
先日、映画『ブラックパンサー』を見てこの作品を思い出した。あのアメコミ映画と同じように、『GO』は山ほどあるであろう作者の言いたいこと、自分は何者であるかについて、これでもかというほどの思いの丈を非常に優れた物語の形で私たちに表現してくれていると思う。
紙の本
何とも痛快なラスト!!金城一紀の直木賞受賞作「GO」。
2010/07/28 23:22
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投稿者:オクー - この投稿者のレビュー一覧を見る
金城一紀の直木賞受賞作品。とても軽やかで気持ちのいい小説だ。ひ
と言で言えば、青春恋愛小説。作者がコリアン・ジャパニーズで、主人
公もそういう設定なのでふつーに差別のことが出てくる。その軽みが評
価されたということはあるだろう。
しかし、この小説で素晴らしいのは人物の造形だ。けんかに明け暮れ
る主人公の杉原。パチンコの景品交換所を経営する彼の父は元ボクサー
でハワイに行くために朝鮮から韓国へ、コロリと寝返った?人物だ。そ
の父とけんかばかりしている母は家出の常習犯。この杉原家の人々のキ
ャラクターがまず最高である。そして、杉原とその友だち、暴力団の幹
部を父親に持つ加藤や民族学校で「開校以来の秀才」と呼ばれている正
一(ジョンイル、なお杉原は「開校以来のバカ」)たちとの交流を描く
作者の筆致が冴えに冴えている。差別の問題をしっかりと携えながらも、
語り口はあくまで軽快。まったくうまい。
そして、杉原の恋。彼が恋に落ちたショートカットの少女桜井はジャ
ズが好きで小説が好きで、とても進歩的な考えを持った女性なのだが、
杉原が「僕の国籍は日本じゃない」と告げたときには、意外なリアクシ
ョンを起こす。それから二人がどーなっていくかが後半の大きなポイン
トだ。杉原の最後の叫びとそれに応える桜井の言葉。ラストは何とも痛
快!これが初の長編書き下ろしだったなんて、金城、おまえはほんと〜
〜にすごいぞっ!!
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第123回直木賞受賞作。映画化作品。
在日朝鮮人から在日韓国人に国籍を変え,
民族学校ではなく,都内の男子校に進学した主人公。
それでも日本には多くの障害があり,
その中で生きる主人公と在日の友人たちの姿を生き生きと描く。
在日問題や共産主義をわかりやすく説明しつつ,
(もちろん,説明不足な点は否めないが…。)
青春文学として楽しめる作品に仕上げている。
主人公の父親の存在が面白い。
しかし,在日問題と暴力という安易な繋がりは物足りないし,
無理矢理なハッピーエンドも少し残念。
長らく単一民族として生活してきた日本人には,
(もちろん,渡来人などは考慮しない。)
対在日に限らず,強い差別心が根付いているように感じる。
差別は良くないという綺麗事を繰り返すのではなく,
まず,その現実を認めることからスタートしなければいけない。
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人種って何?
国籍って何?
ルーツを辿っていけば、源はみんな同じはずでしょ?
何人かなんて、所詮肩書きのようなものに過ぎないのかもしれない。
日本で生まれて、日本で育っても“在日”と呼ばれる所以を私はまだ理解しきれていない。
歴史を学ばなければこの問題について語りようがないと思いながらも、
どこで生きていようと、みんな地球という星に生きていることに違いない。
そんな壮大なことを思ってしまった作品。
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「俺、たまに、自分の肌が緑かなんかだったらいいのに、って思うんです。」
この作品、俺はこの台詞に尽きるんじゃないかなって思った。 著者の全てを出し尽くした著者にしか書けない渾身の作品に、ただ圧倒された。 なんつうか、この人のこの馬鹿っぽさ?が非常に好感をもてた。
無知って汚いなとも思えた。 あぁ、勉強になった。 映画版をむかしに見ているんだけどすっかり記憶が無くて。クドカンがどう描いたのかも見てみたい。
(2008.08.05)
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設定に馴染みは無いけれど、その気持ちには共感するものがありました。ただ、破天荒な主人公にはどうしても感情移入できないんだよなあ。
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国って一体なんだろう。北朝鮮から、韓国に帰化し、日本で生まれた杉原。国なんて関係なく、自分は自分であって、自分ではない。胸に突き刺さる、文章でした。いつか国境なんてなくしてやる。そういう杉原君に共鳴してしまいました。そして、ミトコンドリアの話には感動。国とは、人とは?そして、おりしも北京オリンピックの最中にこの作品を読むことになったと言うのも、何かの縁ですね。そう問いかけながら、青春を突っ走る杉原君に感動しました。
桜井さんは、きっと日本の偏見を代表している姿なんですね。著者の叫びも伝わってきました。さすが、直木賞。とってもいい作品です。
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「在日朝鮮人」の高校男児が主人公のお話。こんなリアルな話は「在日」の人じゃないと書けないのでは、思ったらやっぱり著者は「在日」の方のようでした。
===メモ===
「国籍とか民族を根拠に差別する奴は、無知で弱くて可哀想な奴なんだ。だから、俺たちがいろんなことを知って、強くなって、そいつらを許してやればいいんだよ。まぁ、俺はまだその域には全然達してないけどね。」(pp.90)
「もし僕がアメリカに生まれていたら、僕は《韓国系アメリカ人》ていう地位を与えられて、それと同時にアメリカ国民としてのすべての権利を与えられたはずなんだ。でも、この国は違うよね。僕がどんな日本人よりも模範的な人間になったところで、国籍が韓国のままだったら、絶対にちゃんとした人間として扱ってくれないんだ。」(pp.199)
「俺が国籍を変えないのは、もうこれ以上、国なんてものに新しく組み込まれたり、取り込まれたり、締めつけられたりするのが嫌だからだ。もうこれ以上、大きなものに帰属してる、なんて感覚を抱えながら生きていくのはぱっぴらごめんだよ。たとえ、それが県人会みたいなもんでもな。」(pp.218)
「おまえら、どうしてなんの疑問もなく俺のことを《在日》と呼びあがるんだ?俺はこの国で生まれてこの国で育ってるんだぞ。在日米軍とか在日イラン人みたいに外から来てる連中と同じ呼び方をすんじゃねぇよ。」(pp.231)
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国籍が違うということがどんなことかなんて考えたことなかった。
そんな人にオススメの1冊。
自然と国籍が違うというだけで差別していないか、自分だったらどうするか。
この本の主人公のようにカッコよく駆け抜けることができるか。
途中で挫折しても立ち向かって自分の力で少しでも何かを変えようとする主人公がすっごくカッコイイ!
生き方や考え方、趣味や好きなもの、したいこと、恋愛、それらには国籍なんて関係ないんだと読んだ後に清々しい気持ちになります。
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僕は「在日朝鮮人」から「在日韓国人」に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子校に入学した。「広い世界」へと飛び込む選択をしたのだ。でもそれはなかなか厳しい選択でもあった。青春恋愛小説。
うーん、面白かったです。直木賞とる理由がわかります。
金城さんますますファンになりました。全体として流れる雰囲気がさわやかで読後感もすごくいいです。
「在日」については一通りの差別意識を植え込まれ、同時に「差別してはいけない」という観念も教え込まれていました。しかしこの本読むととても大きいテーマなんだなと改めて気づかされます。
日本の高校に進学するというだけで教師のイジメにあうなんて実際にあるんでしょうか?「総括」と「自己批判」の共産主義教育についても初めて知りました。
そのような「在日問題」に対して主人公はヘンにいじけずストレートに向き合っていて好ましく思いました。父親との関係もメチャクチャなんだけどなんかスカッとする感じ。
ヒロインもかなりさわやかに描かれています。「差別なんて関係ない」と「頭で」考えるのではなく、いったんはぶつかりながらも自分の力で乗り越えてゆくところがとても私好みな展開でした。こういう女の子いいなあ。
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在日韓国人、在日朝鮮人が主軸となった物語。差別、偏見にまみれた世界と、どうやって主人公が折り合いをつけるのか、それとも全面戦争なのか?元在日朝鮮人(!)の両親、暴力団幹部を父に持つ友人加藤、朝鮮学校時代の友人たち、正一、そして、主人公の戸籍について何も知らない恋人。あっちが爆発、こっちで種火、そっちが暴発・・・そんなこんなで、悔し涙あり、にやり笑いありで猛スピードで疾走する。それだけでなく、要所要所で「在日○○」(韓国や朝鮮には限らず)という言葉に対する理論的反抗を拡げる場面もありつつ、しっとり雨に降られるときもありつつ、ほっとパフェを食べるときもあるから、まず飽きない。また、世間を醒めた目で見て、突っ張りながら生きてる主人公が、家族の前では歳相応の男の子に戻る描写が巧妙でおもしろい。恋人の前ではインテリぶったさわやかっぽく作られててそれもまたほほえましいのだった。
差別はあらゆる人間にとって深刻な壁。超えてしまえば、なんてことない壁なのに。
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在日韓国人の話とは聞いてたけど。
青春小説というか恋愛小説でした。
10代特有の真っ直ぐさが眩しすぎます。
今だからこそ見えてくる若さや勢いといった類のもの。
10代のうちに読んでおきたいこの1冊と書いてあったけど。
20代半ばになっても真っ直ぐ響いてくる1冊です。
対話篇は落ち着いた話の運び方でしたが。
この作品は結構スピーディでさくさく読めました。
あまり在日とか意識したことなかったけど。
僕が知らん差別とか結構あるんやろうな。
個人的には、老犬ホームの話が泣きそうでした。
盲導犬の役目を果たせなくなった犬が行くとこらしい。
もっと泣くような部分はあったはずやけど。
なぜか老犬ホームのところが一番印象に残ってます。
桜井がありえへんくらいかわいすぎでした。
映画の桜井役は柴咲コウらしいから見てみようかな。
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広い世界を見るんだ―。僕は“在日朝鮮人”から“在日韓国人”に国籍を変え、民族学校ではなく都内の男子高に入学した。小さな円から脱け出て、『広い世界』へと飛び込む選択をしたのだ。でも、それはなかなか厳しい選択でもあったのだが。ある日、友人の誕生パーティーで一人の女の子と出会った。彼女はとても可愛かった―。