紙の本
終わらない青春
2005/08/19 03:30
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:川内イオ - この投稿者のレビュー一覧を見る
『終わらない歌をうたおう クソッタレの世界のため
終わらない歌をうたおう 全てのクズ共のために
終わらない歌をうたおう 僕や君や彼等のため
終わらない歌をうたおう 明日には笑えるように』
(THE BLUE HEARTS『終わらない歌を歌おう』より)
『グミ・チョコレート・パイン グミ編』には、
無駄に熱く、そしてあっという間に過ぎ去った、
本当は爽やかさなんてどこにもない高校生活が、
匂いそうなほど濃密な筆致で描かれている。
勉強もスポーツもできず、当然モテることもない、
クラスでもマイナーな存在として、ひたすら
悶々とした高校生活を過ごす大橋賢三17歳。
しかし賢三は「自分は凡人とは違う」という思いを胸に、
志を同じくする親友カワボン、タクオと日々を過ごし、
映画やロックに誰よりも精通することでプライドを保つ。
そんな賢三が、あるとき街中でクラスメートの美甘子と
偶然出会い言葉を交わしたことで、傍から見れば
全く冴えない高校生活に少しずつ変化が訪れる。
初めて味わう甘美な時間。
自分を認められることの充足感。
持て余す妄想とエロリビドー。
そして、何か行動を起こさずにいられなくなった賢三と
その仲間がついに動き出す。バンドをやろう、と—。
「普通に埋没することを恐れ、才能に憧れ、
思い通りにいかない社会に苛立ちながらも、
頭の中は溢れんばかりのエロに支配されている」
この物語で描き出される賢三達の姿は、間違いなく
世のほとんど全ての高校男児そのままの姿である。
それだけに、大人になった元高校男児にとっては、
なんともほろ苦く、気恥ずかしい。
しかし、それ以上に、意味なく全力で自転車を漕いで
いたあの頃の、無我夢中で風を切って走る爽快さ、
人を好きになって胸を焦がす、やりきれない切なさ、
そして何より、17歳だから抱けた青く純な思いを、
もう一度、思い起こさせてくれる。
賢三は全てのクズ共に向けて、クソッタレの
世界のために、今も歌い続けている。
あなたは、私はどうだろう?
紙の本
一味違った青春小説
2015/12/10 10:20
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミュージシャンとしても活躍する大槻ケンジの自伝的な作品だ。特別な人生を送りたいという思いと、高校生独特の性欲に振り回される様子が笑える。マイナーな映画や音楽への偏愛も伝わってくる1冊だ。
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大好きな大槻ケンヂの本。
三部作になってます。「グミ」「チョコレート」「パイン」という風に。
誰もが一度はやったんじゃない?!っていう遊びですよね。ジャンケンをして、グーならグミで2歩、チョキならチョコレートで6歩、パインならで3歩と進んでいく遊び。
主人公賢三は変わらない毎日にもんもんとしている。かといって自分を出せないから更に自分の中へ中へと引き蘢り、自慰(笑)とマニアックなサブカルチャーに埋もれる毎日を送る。
・・・とこんなかんじで思春期特有の欲求不満さを一気に詰め込んだのがこの「グミ編」です。まだまだその欲の上手な吐き出し方を発見出来ない、動く事の出来ない、グミばかりの賢三。
はっきりいってグミ編では賢三ってただのオナニスとかよ!ってかんじです。笑
オーケンの自伝込みらしいから面白い!おもしろくなってくるのはチョコからです。グミは青春悶々小説なのだよ!チョコも!そしてパインで飛び出せ!
まるでhideのロケットダイブのようです。本当そんな感じです。
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この作品は大槻ケンヂの自伝的な意味合いの強い小説になっている。3部作になっており、その第一弾である今作は主人公がバンドを組むまでの話になっている。オナニーとサブカルチャーに逃げ込みそこにアイデンティティを見出しクラスの奴らと自分は違うという意識を持つ主人公が、ヒロインへの恋愛感情をきっかけに自意識を補完するための道具である音楽を自己表現の手段として選び、ほんの少しだけ成長するというような物語になっている
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モテない男子の青春小説。
いや、これ名作だと思います。
銀杏BOYZも歌ってるしね。
「あいつらが簡単にやっちまう30回のセックスよりも
「グミチョコレートパイン」を青春時代に1回読むってことの方が
僕にとっては価値があるのさ」
って。
17歳!!!!
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大槻ケンヂの自伝的小説。思春期にありがちなモンモンとした心情とか、焦りとか、大槻ケンヂならではのテイストで描かれていて、面白い。
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モンモン系青春小説!
ちょっとお下品な描写もありますが、何しろ笑えます♪そして、読んだあとはめっちゃすがすがしくて、何故かヤル気に充ち満ちる☆☆登場人物みんな大好きだ!
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んもーーーーーーーーっ最高。
シンパシー受けちゃうあたしはまだまだ青春真っ最中って事かしらん。
出てきた映画を見る日々です。
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オーケン自伝的小説三部作の第一弾。悶々としすぎです。馬鹿馬鹿しくて笑えますが、この年頃の男子は結構ちゃんと(?)悶々としてたんだろな。
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オーケンの半自伝的フィクション。ここまで赤裸々にティーンエイジャーを描いた作品はかつてなかったでしょう・・・
ハレンチでオゲレツだとしても、深いこと考えても、考えなくても楽しめる奥深い作品です。
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この表紙は・・・買うのが恥ずかしかった!! ケンゾーとその仲間達、彼等みたいな仲間が欲しいなんて思って読んでたなぁ。
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他人との差別化をはかるため、サブカルチャーに逃げ込むというのは僕の辿って来た道でもあったので、この本ほど共感した本は無いかもしれないです。
あまりに正直に思春期の心情を暴露しているオーケンは凄いと思います。
三部作になっていて、僕はチョコレート編まで読みました。
パイン編がなかなか出なくて、最近完結したことを知りました。
彼らは、あれから何か見えたんだろうか。
僕はそのまま大人になっちゃった。うへへ。
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ひとことで言えば「青春」!
自分が男の子ならもっと共感できる分楽しめるんだろうな〜と思うとちょっとくやしい。
エネルギーがいっぱい詰まった作品。
チョコ編・パイン編もぜひぜひ読みたい!
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スパーク!素晴らしい小説である。エッセイではない。
モンモンとした日々を送る青春期の内向的な少年達の転機…果たして、転じることができるのか!?まさにスパークですな☆
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情けなくて恥ずかしい青春小説!オーケン全開!映画化されるそうで…物語が遠くに行ってしまうようで、ちょっと寂しい。