紙の本
永久無限ループの不快感
2013/05/11 17:14
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MUNINN - この投稿者のレビュー一覧を見る
なんというか、感想書くほど内容理解できてない。 上巻は正木先生の論文の内容?で全くおもしろいと思えず、下巻で徐々に謎がとけていって 少しわかったような気になるんだけれども、最終的になにが真実でなにが虚構なのか、 現実と夢の境目が曖昧すぎて、ふわっふわする。
読んだ人は精神に異常をきたす、と裏表紙に書かれていたけれど、下巻の最後が上巻の冒頭と繋がる無限ループな感じが妙な不快感。 ここまでくると、ある意味素晴らしい。
紙の本
言い尽くせぬ感満載
2021/12/31 23:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻を読了しての感想は、三大奇書と言われ読者は発狂するなどと大言壮語が蔓延っているほどヘンテコリンな感じはしなかったというのが率直な所です(とは言え独特感はずば抜けています)。
上巻としての本書は精神医学からの見地、医学的な哲学見地といった要素が濃やかに感じました。
電子書籍
かなりの忍耐力が要求される
2018/11/16 23:49
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投稿者:美佳子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある日目が覚めると自分がどこのだれか分からず、どこにいるのか分からず戸惑っていると、隣の部屋から「お兄様、私よ、返事して」と語りかけてくる声がし、彼女は彼の許嫁で、結婚式前夜に絞殺されたが、生き返ったという。彼が自分のことを思い出し、彼女を許嫁と認めれば二人ともここを出られるという。こういう出だしなので、記憶喪失の主人公が記憶を取り戻していく過程で過去の事件が暴かれていくという筋書きなのだろうと思いきや、時は大正15年10月20日(または11月20日)、ところは九州帝国大学の精神病学教室「狂人開放治療場」、若林鏡太郎法医学博士と正木敬之精神病学博士によって記憶を取り戻すべく膨大な資料が提供されて、それが真実なのか否か分からないまま、「わたし」が探偵よろしく真相に迫ろうとする展開となります。その膨大な資料が何の省略もまとめもなくそのまま記載されているため、上巻では若林博士の説明の後はほぼ正木博士のけったいな木魚を叩きつつ全国行脚して配布したとかいう「キチガイ祭文」や「胎児の夢」などの論文が占め、読者にかなりの忍耐を要求します。特に「キチガイ祭文」は強烈なパンチの効いた精神病患者や精神病院を取り巻くむごたらしい現状に対する風刺が効いていて興味深いとはいえ、あまりにも延々と口上が続くため、思わず飛ばし読みをしたくなるほどです。「胎児の夢」の方は胎児の発展が生物進化の後追いをしているということから着想して、その進化の過程で経験したことの記憶を悪夢として見ているに違いないと推察し、その伝承される記憶こそが「心理遺伝」という現象であり、夢中遊行や発狂による犯罪を説明するものとする論文で、そのことが「わたし」の過去とどう関わってくるのかさっぱりわからないなりにそこそこ興味深く読みするめることができました。
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私が目を覚ました時、…………ブウウ―――ンンン―――ンンンン…………。という音を聞いた。そしてここがどこで私が誰であるか、それどころか目覚める以前の記憶が全く無い。
隣から聞こえる切ないまでに自分を兄と呼ぶ少女の声。やがて若林と名乗る博士が現れここが九州大学の精神病科第七号室と言った。
私の記憶を取り戻すために正木博士が治療を施し、そして彼亡き後自分(若林)がその治療に当たってるという。記憶の発端を探すかのように若林博士は隣の部屋にいるモヨ子という名の少女に会わせる等した後、正木博士の研究室へ招きいれた。
そこで読まされる論文と事件の検証報告。その事件は呉一郎という人物が夢中遊行中に自分の母と嫁いだモヨ子を殺害した検証記録だった。
そして私は正木博士本人の口から事件の全容を聞かされる。
私は本当に呉一郎なのだろうか―――。
これは一言で言うなら理解不能小説。
難しいというかなんと言うか……。少なくとも私の脳では理解出来なかった。
昭和10年に書かれたという事なので、読みにくいかと思ったが、(一部分を除き)それほど読みづらくは無い。読みづらくは無いのだが理解出来ない。
文章表現そのものが理解出来ないのではなく内容が、だ。判りかけたと再三思うのだが、するりといつの間にか自分の手の内から抜け落ちてるといった感じかな。
この小説は有名なのでカバーにオチは【狂人の書いた推理小説と】明記されているし、知ってる人も多いと思う。ただ一口にこのオチだから仕方ないね。などと切り捨てれない部分を多々感じる。
理論的で幻惑的。ディテールはとても現実的に書かれてあるくせに、どこか何かが歪んでる。従って読めば読むほどウニッてくる(笑)
昨今よく使われているミスディレクション(ミスリード)又は叙述(的)文や作中作といった推理小説の定番とされているものの原点がこれだな。と個人的に思った。
犯人は【『胎児の夢』と】理解出来、納得もするのだが、これはちょっと空恐ろしいです。これを当てはめると永遠に【誰の夢なのか】判らないから。それでなくても既に、「“ドグラ・マグラ”って何時書いたの!?」とか「今読んでるのは何!?」とか「今、一体私はどこにいるのよ!?」とか「今はいつなの!?」と妙なループが私の頭の中で発生してる。それに輪をかけてゆく―――。
「お父さん、この間あの石切場で僕に貸して下すった絵巻物を、も一ペン貸して下さいませんか。こんないいモデルが見つかりましたから・・・・・」
「何をタワケたことを言うかッ」
というこの会話(ネタバレになるので名前はあえて書きません)は、私にとっては衝撃的でした。
なにはともあれこれは、噂どおりの奇書でした。
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裏表紙で読んだら気がふれるみたいなこと書いてあって非常に期待していたのに過大に期待しすぎたためか最後がまるっきりぴんとこなかった。
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最初、表紙買いをしたけれど、
読んでみて失敗しなかった作品。
言葉で喋るより本を渡した方が手っ取り早い内容。読もう。
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『読むと発狂する』と絶賛されているが、まぁ・・・どうでも良いかも。
日本人は判らぬ・解らぬ・物を、訳知り顔で絶賛する風潮があるように思う。書物において云えば、この作品は其れの最たる物では無かろうか。
フランス映画が、日本の映画通ぶっている人間に受けているのと大差ない。
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私が生まれました九州大学が舞台。やっと読みはじめました。おもしろいね。まだ5分の1しか読んでないけど。
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胎児の夢・・・母親、またその祖先の悪夢を退治が見る。。生まれいずる時、その悪夢から覚醒するも、またこの世の中の悪夢を見始める。。。堂々巡り、これが、頭に残っている
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全てを読み終わると気がふれるということで有名な本書。その割には意外にまともでびっくりする。
しかも、なんか、へーとか、ほほうとか、妙に感心してしまうアチキはもとより気が触れているのか。上巻の中盤あたりで脳についてふれる話があり、アチキはそれを読んですっげーーーーと絶叫し、スタンディングオーベーション。面白かった。
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これ、なんとも説明のしようがない・・・。
異常です。
狂ってるっていうのはこういうことを言うんだろうと思う。
本の裏面に
「これを読む者は、一度は精神に異常をきたす
と伝えられる、一大奇書。」
って書かれてますけど、ホントにそう。
エロ・グロ・ナンセンスって
この本のためにある言葉だよね。
読んでると自分がおかしくなったような気分になります。
なぜ角川版がオススメかというと
ジャケットがかっこいいから。
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全編通じて血生臭く、不気味。こういう雰囲気が好きな人にはたまらない小説。私としては文庫本5冊分くらい、この世界を味わいたかった。
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推理小説なのだけど、自分について、自分の脳と体について、魂について、生かされているのか、自発的に生きているのか、まで考えさせられる本です。電車で読んでいて、目的の駅を降り過ごさないように注意!!
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定番なので
『胎児の夢』だけでも読んどくべき
発生学を下敷きにした物語が新鮮だった記憶があります
途中の『キチガイ外道祭文』は文字追って読むのがシンドイ
声出すと面白そうだけど
そこ抜かせば、下巻も含めてサスペンス?なので意外とサラりと読めるかと
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あまりにも有名な奇書
昭和十年一月、書下し自費出版。
狂人の書いた推理小説という異常な状況設定の中に著者の思想、知識を集大成する。
“日本一幻魔怪奇の本格探偵小説”とうたわれた、歴史的一大奇書。
読むと精神状態が目に見えて不安定になるので、心身が不安定な人は詠まないほうが良いと思います。おすすめできない。
从*・ 。 ・从
途中の「キチガイ(原文ママ)地獄外道(げどう)祭文(さいもん)」のところまで読み進んだところで、あまりにも怖くなって完読を断念、挫折する人が多いです。
「……サアサ寄った寄った。寄ってみてくんなれ。聞いてもくんなれ。話の種だよ。お金は要らない。ホンマの無代償(タダ)だよ。こちらへ寄ったり。押してはいけない。チャカポコチャカポコ。……サッサ来た来た。来て見てビックリ……スチャラカ、チャカポコ。チャチャラカ、チャカポコ……」
逆に言えば、この「キチガイ地獄外道祭文」さえ乗り越えれば、なんとか完読できます。