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電子書籍
“ねぐ”の解釈をめぐって
2019/09/08 16:21
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投稿者:ワシ - この投稿者のレビュー一覧を見る
大昔に読んだ記憶があるも、文庫版の入手が難しく電子版で再読しました。
朝餉に出てこない大碓命を小碓命が「ねぎ教へ覚せ」と命ぜられる、謎だらけの一文。
端的には兄殺しとされるも、その情報の少なさを逆手に取り、これだけ壮大なお話に仕上げてしまう作者の力量にただ脱帽させられます。
その手がかりをもたらした先人の知恵と、そしてそれを絶えなくつむいできた幸運。実に幸福な読書体験です。
人間味にあふれ生き生きと描かれる従者達も実に魅力的で、いつかフィクションであることを忘れさせます。
現在からすると、後の考古学的な発見から多少の誤謬も含むのですが、綿密な取材と、そしてそれを感じさせない力強く勢いのある筆致が魅力です。
日本武尊の伝説をモチーフにした物語に、荻原規子さんの『白鳥異伝』を挙げてみたいと思います。(こちらも大作)
武勇にすぐれ、片っ端から斬って斬って斬りまくる黒岩版・男具那。
優柔不断でどこか頼りなく、背負わされたものの大きさと思春期の逡巡で揺れ動く、荻原版・小具那。
この比較も非常に面白いのです。
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