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佐野洋のミステリ短篇集『様々な別れ』を読みました。
佐野洋の作品は今年2月に読んだ『思い通りの結末』以来ですね。
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血液型ABの男を捜し求め、数度の関係の後に姿を消した女。
他人の子供を宿した女と、それを承知で出産後の離婚を前提に結婚した男。
恋人とその叔母との異常愛を知って別れた女が、その男に再会。全く身に覚えのない行動調査報告書を妻に突き付けられた男。
一度だけ関係を持った男と自分の娘が結婚―。
短編ミステリーの名手が、男と女の別れをテーマに捻る傑作集。
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光文社が発行している小説誌『小説宝石』に1992年(平成4年)から1993年(平成5年)に掲載された7作品を収録した短篇集です。
■忘れていたこと
■別れる約束
■いまは隣人
■水の関係
■いい加減な調査
■そのための旅
■墓の事情(『第二の墓』を改題)
■解説 牛尾摂
男女それぞれの心理描写を愉しみつつ、女性の恐ろしさを知ることのできる作品集でしたね……そんな中で、LGBTQ等、最近の社会性や多様性を織り込んだ真相が興味深い『別れる約束』がイチバン印象に残ったかな、、、
女性の恐ろしさと絶妙なエンディングが好みなのは『いい加減な調査』、『そのための旅』、『墓の事情』かな……相変わらずですが、身近に本当ありそうな、あってもおかしくないなー と思わせる、微妙なバランスの良さが魅力ですね。