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恋人の南雲みはるに誘われて、その夜、奇妙なカクテルを飲んだ。名前はアブジンスキー。
酩酊した僕を彼女は自分のアパートに残したまま、翌朝の朝食のリンゴを買いに行ったまま姿を消した。「5分で戻ってくるわ」と言った彼女を僕は探し始めた。
ミステリー仕立てではありますが、これは恋愛小説ですね。
「5分で戻ってくるわ」と言った彼女が何故、戻らなかったのか――この一点だけを知りたいが為に読み進めれるのは作者の意図にまんまと嵌ったという感じ(笑)
蓋を開ければどうってことないオチですが、一つ一つ足取りを追って解明してゆくのは面白いです。まぁ、こんな偶然が重なる事はないだろう……と思いつつも読めます。
ただ言えるのは、人には判らなくてもいい事が世の中には存在する。という感じですかね。
真実を追い求め、それを知るのが幸せとは限らないという典型かも。
なんちゅーか……「本人にちゃんと聞けよ」というのが読了後最初に来た感想でした(笑)
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ラジオでこの作品を紹介していたので興味を持った。
話の展開が読めてしまっても楽しめる作品は多いと思うけれど、今回こちらはそう思えなかった…。
主人公に対する嫌悪感が出てしまったせいだと思う。それとも私が女であるからこそここまでの嫌悪感を抱いてしまったのかな?
主体的に生きているつもりで、その実すべてが受け身になっている。それを最後まで受け入れなかった主人公の性質がどうも好きになれず、万事そのような嫌悪感を抱いてしまうので作品にのめり込めなかった。
時を同じくして読んだ「センセイの鞄」がより私的嗜好に合っていたということを差し引いても、ちょっと…
文章自体は読みやすいのだけど、作品中に何度も同じシーンを繰り返していて、しかもそれがなんの伏線にもなっていないので、読み進める上での大きなストレスだった。最後まで読んで「あぁやっぱりこういう落ちなのね。この主人公にはこの終わり方がお誂え向きなのね」と思ってしまったのは私だけではないはず。
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確か2000年の本屋大賞を取った作品。
初めて手に取った佐藤正午。
りんごを買いにでかけて、5分で戻ってくるといって
彼の元から去った彼女の行方を捜す物語。
私なら、まず彼のようにあのカクテルを飲まなければ、
などと後悔めいたことは口にしないと思う。
後悔めいたことというか、その台詞を吐くことによって
自分を主人公に仕立てたいのではないか、とさえ思ってしまう。
それくらい、主人公の彼には移入できなかった。
だって、ふらふらしている自分の行動をその時に
省みることができてないし、ただの最低男(←ひどいw)だし。
しかし彼のように追求する勇気は反対に持てないような気もする。
いかに、自分は自分を中心としてみて相手を捉え、関係を築いているか
がわかる作品。
話の展開はおもしろいので一気に読んでしまう。
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「一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある。」冒頭は、この文で始まります。
酔いが脚に来てた三谷は、その晩彼女の南雲みはるのマンションに泊る為に一緒に歩いていた。コンビニによりなんとかマンションの前に着いた二人は、三谷の朝の習慣のりんごを買い忘れた事に気付く、彼女はりんごを買いにコンビニに戻った。酔いの回った三谷は、彼女のマンションに先に入り眠ってしまった。
朝三谷が起きた時、みはるは部屋にいなかった。変に思ったものの出張の為に時間のなかった三谷は、部屋を後にする。
出張から帰って来て三谷は、みはるが失踪した事を知った!みはるは、リンゴを買いに行って帰って来ないのか?みはるは、なぜ連絡を寄越さないのか?三谷は、わずかな手がかりを元にみはるを探し奔走する。みはるの失踪の真実とは・・・。
失踪をテーマに書いた作品です。三谷は、悩み考えみはるを探す様子を丁寧にかかれた作品です。スピード感は、無いですがいい作品ですよ。人生を考えさせる作品かな?
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うーん。
何が悪いってわけじゃないんだけど、とにかくヌルイ。
この男性が好きになれないのは、多分あたしがこの女性の立場で、
そうして「あれは判りやすい女だ」といわれる女性を憧れながらもココロから、ダイキライだからなのだろう。
そうあたしは、多分永遠に、判りやすい女には、なれない。
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そんなことがあるのだろうか?人が唐突に目の前から、なんの前触れもなく消えて、去っていってしまうことが?
・・・あったじゃないか。思い当たるだろ?
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答え合わせをしたい、時々そう思う。
あのときキミはどう想っていたのか?
今更それがわかったところで、何がどうなるわけでもないのだけれど…。
アブジンスキーという一杯のカクテルが運命を変える。
いや、もしくはリンゴが。
「5分で戻ってくるわ」といったガールフレンドの南雲みはるは、そのまま失踪する。
失踪したその朝の「僕」こと三谷は、そのまま札幌へと出張に出る。
のちにその対応を非難されるわけだが・・・。
でも、もし僕が同じ場面に出くわしたら…、たぶん出張に出る。
出張から戻った「僕」は南雲みはるを探し始める。
いろいろなツテをたどって、少しずつ明らかになる足取り。
でも、結局…。
ほんのちょっぴり驚かされる物語の結末。
でも、それはたぶん正しい結末だったような気がする。
そしてやっぱり答え合わせには意味なんてなかった。
ふと何もかもを投げ捨てて、どこかへと消えてしまいたくなった。
だけどそれはとても前向きな気分として。
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本棚を整理していたら読んでなかった本をみつけ読みだす。
2000年には結構話題になった本だった。
リンゴやカクテルがキーワードになっているが、男女の出会いと別れの書き方、描き方としてはすっきりとします。
偶然でいて偶然でない、必然のようでいて必然でない、それは何かと問われれば、「出会いと別れ」。
ジャンプというタイトルの意味は、一歩ずつの歩みに時にジャンプが必要であるけど、その分ペースがずれてしまうといった事だったのでしょうか。
人生ってだからおもしろくもあり、いろいろ考えてしまうんだろう。
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読み終えての感想は「面白かった!」 物語の進行ぐあいにもどかしさを感じつつ読み進んでいって、最後の章の30数ページのための全てが伏線だったとは。う~む、やられたって感じで納得させられた。うまい!
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「一杯のカクテルがときには人の運命を変えることもある。」
冒頭のこの文章の通り、お酒に弱い主人公、三谷は、
ガールフレンドに誘われて入ったカクテルバーで
アブジンスキーという名のカクテル1杯半で酔っ払います
その後、リンゴを買いに行った彼女は忽然と失踪してしまいます。
あの時、呑まなければ…。
あの時、彼女を一人で行かせなければ…
あの時、電話に出ていれば…
あの時…
運命のいたずらに翻弄されてしまう主人公。
事件なのか、彼女の意志なのか。
いろいろ考える割に、ちょっと優柔不断な主人公に
イライラさせられました
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バタフライエフェクト現象を思わせる。一つ一つの人の挙動に無意味な動作はなく、それがつながり結果につながってるんだなと思う。だから人生はわからないといわれる所以なんだなって改めて思わされました。無駄なことなんてないんですよね。人との出会いや偶然が積み重なって今の自分が構築されてるんだなと思いました。
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5分で戻ってくる、と言った彼女は帰ってこなかった。
一体どうして帰ってこなかったのか。
彼女の『姉』と一緒に彼女を探した結末は…。
誰が悪いかって、自分じゃないか。
それが最後まで読んだ感想です。
ここにたどり着くまでは、何が起こってどうして姿を消したのか。
失踪したのか、それとも自分の意思なのか、と
色々考えていましたが…。
いや、途中「あれ?」とは思いましたけど。
とても読みやすかったのですが、あの最後には…。
自業自得、という感じがしますが、あちらから言わせれば
罠にはめられた、という事なんでしょうね、あの最後。
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突然身近な人がいなくなったら,どうしますか
りんごを買いにでかけて,5年行方不明....彼女に何がおきたのか.....彼女がいなくなる日の夜僕たちはあやしい名前のカクテルの飲んだ.....など,興味を引くエッセンスを盛り込んだわりには,結末があっさりしすぎかなあ.....
あまりにあっさりすぎるとこが物足りなかったけど,失踪なんてたいした理由なく起こりうるんだよ...という作者のメッセージだったのかな...と思うと意図するとこは理解できるかも
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初読:2008年啓蟄
なんで、なんでって読み進めてるうちにハマってた。
結末が意外で、不思議な世界観。
私は何でも知りたい人だけど、
やっぱり知らなくて良いことってあるかも。
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主人公の理性的な考え方が男の自分には非常にリアルに感じたし、気になってどんどん読み進んだけどオチが…。彼女の消え方というか失踪のプロセスがなんか納得いかないなー。