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紙の本
愛にあふれる国
2024/01/05 22:08
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投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
イタリア在住歴十数年という著者による、友人や日常で出会うイタリア人の話をユーモアたっぷりに描いたエッセイです。
すっかり現地に溶け込んでいる筆者ならではの観察眼は面白い。
タイトル通り「アモーレ」にまつわる話を集めてありました。
最初からイタリア人の恋人を持つ日本人の告白で始まります。
最近のイタリアでは夜はテレビに夢中のためアモーレは朝することが多いという話題の裏付け証言でしたが、夢中になり過ぎて仕事に遅刻することもあったとか。
日本なら夜は疲れているし子供もいるしとなったらレスまっしぐらになりそうだが、「じゃあ朝に」となるイタリア、しかもカソリックの国とあればイタリアに少子化は無縁かもしれない。
出だしからこんな話題ですが、アモーレのテーマは広い。
友情に含まれる愛情から家族愛、それに恋人同士の夜の行為に至るまで一言で表せるアモーレって単語がとっても便利ですね。
普段「愛」という言葉をどう使っているか考えてみて浮かんだのは愛犬、愛猫、愛読書…間違ってはいないが方向性が違う気がしてきた。
チョコレートは媚薬になるという話から、フランス仕込みのムース・オ・ショコラのレシピがのっていますが、簡単そうだし今度作ってみよう。
買い物で出会うお店の人たちとのエピソードもいろいろのっていた。
薬局にカルシウム剤を買いに行ったら太陽を浴びてればいいと売ってもらえず、ビタミンEを医者に頼めばオリーブオイルの方がいいと勧められる。
安いパンタロンを買おうとしたら「あなたの体型にはあわない」と言われ、母親ようだと告げると「あなたのマンマ太め?」と確認される。
親切心とおせっかいが微妙に入り混じっていい味を出していると実際暮らしてみても思えるだろうか。
情熱的なイタリアでは、他人の不祥事にもアモーレが絡んでいれば大目に見てくれるとか。
ある女性政治家が妊娠とシングルマザーとなることを発表した翌日、自分がその子の父親だと既婚者の政治家が名乗り出た。
スキャンダルなのは間違いないが、世間の目はそこまで厳しくないようで「愛は止められない」といったところでしょうか。
二十年近く前の本なので今では変わっているかもしれないが、寛容性を失っていくように思える国に住む身としてはアモーレにあふれる生活が羨ましく思えるエッセイでした。
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