- 販売終了
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
紙の本
あまり考えずに楽しもう!
2012/01/13 14:47
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:惠。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
新しい試みとして設置された警視庁科学特捜班。構成員は科捜研のツワモノである5人の超優秀な科学者たちと、チームをとりまとめるキャップこと百合根友久警部。その超優秀な科学者たちとは一体どういったメンバーかというと…まず、1リーダーで法医学担当の赤城左門。掘りが深い顔立ちに無精ひげを蓄えたセクシーな一匹狼。ただし、極度の女性恐怖症(ほっといても女性が寄ってくる人物なのに、勿体ない)。次に、2古式武道の達人で第一化学担当の黒崎勇治。化学事故やガス事故が専門。嗅覚が異常に発達している。3犯罪心理学者の青山翔。プロファイリングや文書鑑定が専門。男でも思わず見とれてしまうほどの美青年。秩序恐怖症で整理整頓された部屋が落ち着かない。4セクシーなボディをセクシーな洋服に包んで登場する結城翠(女性)。物理担当。30メートル先の話声でも聞き取るという聴覚と絶対音感の持ち主。音声解析能力は秀逸。閉所恐怖症。5曹洞宗の僧侶にして薬物担当の山吹才蔵。専門は薬物。殺人現場では被害者に読経をあげる。
事件の発端は東京の中野区起こった残虐な殺人事件。この事件の捜査にあたってSTが召集される。そして第一の事件の後にまた中野区で殺人事件が起こる。事件の共通点は外国人女性が被害者ということと、中野区で発生したということ、そして被害者が性的暴行を受けていたということ。しかしその殺害方法は全く異なる。これはマフィアの報復かそれとも連続殺人か、いや、単なる模倣犯なのか。捜査がなかなか進展しない中、STメンバーはそれぞれの能力を生かし、事件を解決に導いていく。
優秀すぎるメンバーを集めた超優秀集団が警視庁科学特捜班。ただし、出る杭は打たれるというように、優秀すぎるということは時に周囲になじめないということでもある。もちろん個人差はあるが、少なくともここにいる5人の科学者たちは優秀だけれどもどこか周囲から浮いていて、それでいて浮いていることなど全くもって意に介さず。現場の刑事たちとうまくやろうという気などさらさらない。
一方、現場の刑事といえば「科学者に何がわかる。事件は足を棒にして解決するもんだ」というのがほとんど。彼らはSTなんて信用しない。自分たちのやり方こそ捜査の王道だと信じている。事件への取り組み方が正反対のたたき上げの刑事と、STメンバーの間にはもちろん溝ができる。しかしSTメンバーはそんなことを意に介さず、ますます刑事の反感を煽ることになる。
そこで登場するのがSTのキャップである百合根友久警部だ。30歳の若さで警部になったキャリア組。科学者でもなければ、地を這って調べるというような泥臭い刑事経験も皆無。それでもって人が自分のことをどう思っているかが常に気になる小心者。コミュニケーション能力があり、刑事とSTメンバーの潤滑油になるべく日々、頭を悩ませ、ついでに胃を悩ませている。
5人の個性的なメンバーが発する個性的な言動はユニークで思わず噴き出してしまう。それに加えて、刑事の捜査とSTの事件へのアプローチ方法との対比、確執や掛け合いもなかなか面白い。しかし、一番の読みどころはSTの事件へのアプローチだろう。事実や理論、データに基づく分析、そのすべてが説得力があり、捜査初心者のSTのお世話係に任命された現場の刑事をもうならせる。
このSTはシリーズ化されているので、他の作品もこれから是非是非読みたいと思うけれど、一度読んだシリーズ作品をもう一度読み返したい、とは思わない。科学者らしく真実の追究を核にした作品なので、何度読んでも同じ感想と同じ印象しか持たないだろうことが目に見えている。ただ、読み物としては読みごたえがある。あまり考えたくない時などの気楽な読み物としてどうぞ。
紙の本
個性のかたまりのような科学特捜班メンバーの活躍
2002/07/05 23:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:山村まひろ - この投稿者のレビュー一覧を見る
女性恐怖症の一匹狼・赤城左門、武道の達人のサムライ・黒崎勇治、僕、帰っていい? がくちぐせの青山翔、異常に聴覚が発達したお色気美女・結城翠、そして、曹洞宗の僧籍を持ち、現場で経を上げる山吹才蔵。
法医学、科学、文書鑑定など専門分野で他の追随をゆるさない特殊な才能を持つメンバーばかりの「科学特捜班」の面々が、猟奇殺人事件の謎を解き、真相に迫るシリーズの第一弾。
一癖も二癖もある…というより、個性のかたまりのような顔ぶれの5人が、好き勝手にふるまうので、彼らを機嫌いする刑事などもおり、捜査現場ではさまざまな軋轢がおこるし、捜査も一筋縄では行きません。
5人か〜、赤城に黒崎に青山? 翠に山吹…おお、これはゴレンジャーのような…と思ったら最後の「解説」で西上心太さんも、その点に触れておられて、納得。
この特殊な才能を持つ科学特捜班のメンバーの活躍を、あなたもぜひ読んでみてください。
紙の本
こんな特捜班がいたら…
2002/07/08 16:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
恐ろしいほど個性的な、一種の才に恵まれているからこそどこか普通とは違う部分を多くもつ5人の人間が、特捜班のメンバーとして活躍する話だ。5人の能力にわくわくし、どうその力が発揮されるのかを楽しみにしているうちに、あっという間に1冊読めてしまう。
たまにはこんな一風代わった、個性派ぞろいの事件ものも読んで見るのもいいのではないだろうか。