紙の本
レディでは無く、ガール達への応援歌
2012/05/23 08:43
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投稿者:ひろし - この投稿者のレビュー一覧を見る
もう「若い」という歳ではないけれど、いつまでも可愛らしくありたいと願う女性達。そういうがんばるガール達への、応援歌的な5つの短編からなっています。でもいつまでもガールでいるというのは、それなりに大変。登場する5人のガールはいずれも大手企業でバリバリと働きながら、男女差別に悩み、子育てに悩み、人生に悩んでもいる。それでもどこかで発散させて納得させて、元気に生きて行こうという前向きなガール達。どの作品も、なるほどなぁと思わされる。
ただ、僕のようなおっさんが読んで彼女らに共感できるかと言うと、やはりちょっと難しい。もちろんすべての女性がそうだとは思わないけど、少なくともこの作品で描かれるガール達は、見栄っ張りで人と比べてばかりいて、行動力の源は「うらやましい」「うらやましいと思われたい」だったりする。妙にステレオタイプ的に描かれた女子像に、「男女の価値観の違い」みたいな物を感じて少し辟易としてしまうかも。この作品はきっと、作者から世の頑張るガール達への贈り物、なんだと思う。
紙の本
女性も納得できるのかな?
2016/01/30 20:32
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
色々な企業で働く30代の女性を主人公にした短編集です。
奥田氏らしい楽しめるエンターテイメント小説ですが、
奥田氏という男性視点からの女性の
素敵さだったり、可愛さだったり、かっこよさでしかないのは
仕方ないのかもしれないけれど
女性の読者はどう感じるんだろうとも思ってしまいました。
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最初に奥田作品を読んだのは、この「ガール」の単行本を
友人から「読んだらいいよ」と手渡されたのが切っ掛け。
その時代は“負け犬”だとか“勝ち組”とかいう流行語の渦に
あって、それを打ち破るような本で本当に痛快だった。
男性目線から、これだけリアルに女性思考を描かれているのが
素晴らしい!!大体にして、女性作家がこういうものを書く傾向
にあるので、そういう意味では斬新。
男性作家が性別を越え、女子的思考・発想、そして女という生き
モノを掘り下げて描きあげた作品は必見です!!
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1/15 なんでおもしろかったのに腹が立つつーかざわざわするようなお話なのか?ホモか!つーくらい女子に対する意地の悪い視点満載で、ラストもとりあえず前向き風な結末つけとけばいいでしょ?て感じがした。おもしろかったけどへこんだよ。
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数年前に、当時の上司(女性)が熱烈に薦めてくれて気になってたんだけど読んでなかった。このたび文庫本になったので買って読んでみました。
30を超えて、だんだん「ガール」でいられなくなってきた女の微妙な心理を描く短編集。
今の私よりももうちょっと上の年代の人たちの話なんだけど、女は今や多様な人生(一番簡単な選択肢で言えば結婚・出産を選ぶかキャリアを選ぶか)を選べるようになった分、「この選択で正しかったのだろうか」「あの時に別の選択をしていれば私はもっと幸せだったんじゃないだろうか」などと悩んでしまうのだと思う。
その気持ちは本当に良く分かる。悲しいことに、私もそういう(結果的には意味の無い)悩みを持ってしまう年代に入ってしまったので・・・。
だからこそ、この小説に出てくる女性たちの最後の吹っ切れぶりは清々しいし、読んでる方も元気が出る。
この小説を男性が書いたということに衝撃。
ていうか、奥田英朗さんってよく知らないんだけど本当は女性なのだろうか・・・でも「サウスバウンド」は完全に「オトコノコ」な小説だったし・・・うーん、やっぱり男性なんだろうなぁ。
しかしファッションから価値観、悩みなどなど、本当に衝撃的なまでに的確に「女性」というものを切り取っています。脱帽。
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心の師と仰ぐ奥田英朗先生の文庫最新刊。
先生の作品は文庫でしか読まないと決めてしまった、過去の自分がもどかしい。というわけで今回も即買い。
会社である程度の年数を経た、30代女性の日常を描く短編集。
さてあらかじめ言っておくと、実は小生短編集が得意ではない。
物語がスタートして、すぐ終了してしまう“あっけなさ”がさみしい。
その主人公のことを、その世界のことをもっと知りたい、長い時間堪能したい。
そういう欲求にかられてしまうのだ。短編連作集はいい。物語がつながっているから。
でも短編は…。なぜなら。…おそらく。
心のなかで、(長編では成り立たなかったできそこないの物語が短編になったのだろう)
との思いがあるからだと思う。誤解を恐れずに言ってしまうと。
でも、奥田先生は違う。
本作に登場する人物たちは、師の手にかかればいくらでも長編にできる。
それをあえて、一番おいしい部分だけをすくい上げ、提供してくれる。
それが、たとえ少量だとしても、読者に満腹感を与えてくれるのだ。
…
30代の女性が持つ感情。何でこんなに女性の気持ちが分かるのか? 確かにすごい。でもそれだけじゃない。
ある雑誌のお悩みコーナーにこんなことが書いてあった。
「たいていの人間が多かれ少なかれ、自分はダメだ、最低だと思って生きている。皆それを口に出さないだけ」
登場する彼女たちは、悩み、傷つき、迷い、選択し、そして気づく。
大抵の人間は多かれ少なかれ悩みを抱えている。皆それを口に出さないだけ。
彼女たちが気づくことは、当たり前で、でも新鮮で。
こんな悩みを抱えていられる今が、一番幸せなのかもしれないよ。
と彼女たちに言ってあげたくなる小説です。
そしてボクは「ヒロくん」みたいになりたい。(泉)
※レビューを期待されたので長くなっちまいました。削ろうかな…。※
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「ヒロくん」で社会に憤慨し、「マンション」で現実にため息。「ガール」で未来を憂い、「ワーキング・マザー」で女は苦しいと思い、「ひと回り」の独り相撲にも共感。
「ヒロくん」でほろりとし、「マンション」で自分を好きになり、「ガール」で女は楽しい、と思い、「ワーキング・マザー」で頑張ろうと思い、「ひと回り」で明日に向かう。
読んでいてちょっと苦しいくらいリアルなだけに、読後の爽快感もひとしおな作品。
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落ち込んでも、一生懸命努力する主人公たちが印象的。
なんかお仕事がんばらなきゃ、って気にさせられたかも。
おもしろかった。
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土曜日にわざわざ藤沢で会議を設定してくれるお偉いさんがいて金曜の晩というのに新幹線で出張。
小田原から行くことにしたのでひかりに乗ったらやたら止まるし、その都度、後続ののぞみに追い越される。そんな車中でこの本を。
三十代の働く女性を主人公にした短編集。
彼女らの勤め先は全て大手の、不動産会社、生保会社、広告代理店、自動車メーカー、老舗文具メーカー。
それぞれDINKS、独身(ひとりタカ派)、独身(時々ブルーなガール)、シングルマザー、独身(新入社員の指導社員)。
時期的に言うとバブルの頃の入社で、若い頃から自信満々、世の中の祝福を当然のように思って生きてきた子ばかり。
そんな彼女らの、もはや若さだけでは生きていけない年代になった中、日常の中でのちょっとした揺らぎ…。
私らの頃って、文学部を除けばキャンパスに殆ど女子はいなかったし、従って会社にも大卒女子などおらず、多くの女子社員は高校・短大から叩き上げ、仕事が出来るとの評価を得た場合、その代償として、女としてはちょっとね、という声がついて来る、そんな時代でしたけどね。
そうしてみると隔世の感という気もしますが、企業という男社会、ムラ社会の中で肩肘張って働いているのは相変わらずみたいね。
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全ての、夢見る少女で居られなくなった女性に読んでほしい。
焦り・不安・夢・女としてのリミット。
誰もが描くかつて描いた理想と現実のギャップを克明にそして、優しく描いてくれていて
非常に共感できる。
女同士は合わせ鏡、のフレーズががあまりにも印象的。
相手の人生を自分の人生と思う事で、全ての女性にやさしくなれる。
世の、女心の解らない青年諸君にも是非読んで学んでほしいと思う。
そして私も 生涯一ガールでいたいと思う。
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本当に著者は男性なのか不思議な一冊。でもいまいち、入り込めなかった。
ガールの気持ちはわかる部分もありつつ、いわゆるOLではないかもしれない。わたしが。
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ガール
社会と女性のかかわりあいを描いた短編集
男性視点、女性視点
キャリアウーマンと専業主婦
女性が社会で生きていく苦悩をコミカルに描いています。
奥田作品面白い。
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分かる!と頷くところが多々あり。
なんでこんなに働く女性の気持ちがわかるんだ?
最初の「ヒロくん」が個人的に一番つぼ。
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「モラトリアム」
知的・肉体的には成人していながら
社会人としての義務や責任を課せられないでいる猶予の期間。
また、そこにとどまっている心理状態。
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奥田英朗。好きな作家の一人。
この人はオトコなのに、女性の心理を描写するのがスキだなぁ…
って、別に変な意味ではないですけど。
自分と同じように働いてる女の子が出てきて、読んだら元気がでます。