紙の本
「タダほど高いものはない」という格言は昔のことなのでしょうか。
2010/11/21 16:44
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「タダほど高いものはない」という格言は昔のことなのでしょうか。巷では、無料のものが氾濫しています。
でも、よく考えてみると、ゼロ円でビジネスが成り立つわけはありません。私たち消費者の見えないところで、確実に利益確保できる仕組みになっているはずなのです。
本書ではゼロ円ビジネスの体系を二つに分けて説明しています。すなわち広告依存型とフリーミアムです。
このうち広告依存型は民放テレビに代表されるような、従来からあるモデルです。無料で利用できる代わりに広告を見せられることになります。
これに対してフリーミアムというのは、基本サービスをゼロ円にして見込み客を囲い込み、そこから有料オプションサービスに誘い込むというモデルです。
著者の門倉氏はこれらゼロ円ビジネスを好意的にとらえている訳ではありません。
ゼロ円ビジネスの本質は、「サプライズ」であるから、これが継続的に行われることはあり得ないと考えているのです。たしかに、ゼロ円に見せることでの効果は、それが常にあるわけではないからということ。
やはり、世の中「タダほど高いものはない」のです。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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広告依存型とフリーミアムとボランティア型
2017/05/02 23:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書はゼロ円ビジネスという切り口で様々な事例を見ながら、そこにどんな儲けのカラクリがあるのか解き明かしていくものである。前半は事例を、後半は経済学的な観点からの解説がある。
ゼロ円ビジネスの中で最も一般的なのは広告依存型であろう。消費者が無料でサービスを享受できるためには、誰かがそれを負担してくれる必要があるわけで、最も作りやすいシステムは広告出稿者による負担であるといえる。しかし広告は景気に左右されやすい。その欠点の打撃を受けやすいのがフリーペーパーであり、逆に会員化しているところは広告出稿をしたりしなかったりという調節がしにくいことから、景気の落ち込みは抑えられているようである。またインターネット広告は伸びているようである。
この広告依存型はいずれにせよ景気の影響が大きく、広告からの脱却に挑むことになる。それがフリーミアムである。基本無料で追加サービスは有料というこのフリーミアムは、広告に頼るのではなく、サービスの受益者からの順当な使用量の徴収が必要であり、サービスそのものの質も高いものでなければならない。しかし広告の需要には限界があることを考えると、このような仕組みはいずれ必要になる。本書が出版されたのは2010年であり、当時はまだ携帯がガラケー中心であった頃だが、当時から基本無料の携帯ゲームが流行り始めたようである。現在(2017年)になり、スマホが普及して、その流れは更に加速しているようである。この仕組みも、無料でゲームをするライトユーザーに金銭的負担はないものの、結局重課金者によって負担をしてもらうことで、サービスは存続することができるのだ。
これら企業の収益のためのゼロ円ビジネスが本来であり、その他思いつくものとして、規格を自陣営に呼び込んでディファクトスタンダードを狙ったり、無料の品を用意して自店舗に誘導する飲食店などの事例があるだろうが、本書の最後には収益を目的としない、純粋なゼロ円ビジネスが紹介されている。その最たるものがウィキペディアだ。これは中立性のために広告もなく、執筆者も運営者もボランティアで成り立っている。これは素晴らしい仕組みであると考える。
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2010年前半は、本「FREE」が注目された。では、みんながゼロ円ビジネスを始めたらどうなるか。事例・課題を紹介
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0円ビジネスが流行る事で今後の流れがどうなっていくかについて知りたかったのですが、5章と“はじめに“・“おわりに“で、あまり長続きはしないだろう、という事が示唆されている程度で非常に残念でした。
特に、“はじめに“で触れられている、菓匠Shimizuの夢ケーキのようなボランティア経済が増加するためのビジョンについて具体的に言及されておらず、そういう意味では論旨が崩壊しているように思えます。
逆に、タイトル通りなのか、0円ビジネスを騙った詐欺事件や0円ビジネスにまつわる用語、失敗した0円ビジネスの事例等はよくまとまっているように思います。
個人的には、詐欺事件はもう少し分量少ない方が良かったですが。
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「Free」以来話題となっているフリーミアム〜ゼロ円ビジネスだが、そこには大きな問題が隠されている。ゼロ円でモノやサービスを提供するには当然どこかで儲けを出さなくてはいけないのは自明。コンシューマーはそれに気づかないか、気づいても「自分だけは得をしたい」という思いからこの種のビジネスに絡め取られていく。
筆者はゼロ円ビジネスを次のように分類する。
1.広告依存型〜従来型ゼロ円ビジネス。
不況による影響を受けやすい。
2.フリーミアム型〜無料提供分とは別のところで利益を得る。
有償オプションやリピートなど。
3.無料商法〜催眠商法など正常な判断を失わせて購入させる。
4.ボランティア型〜理想ではあるが、基本的に他の収入があってこそ成立するものなので持続しにくい。
いずれにせよ、競争相手が増えることで結局ゼロ円ビジネスの集客効果は薄れる。ゼロ円ビジネスは価格競争のなれの果てであって
主流になることはないだろうというのが筆者の主張である。
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タイトルの「罠」は、主に消費者に対しての警告で、第4章に詐欺まがい、あるいは詐欺そのものについて記述されている。企業側の視点ではあまり書かれていない。企業側の視点としては『フリー』の方が詳しい。一消費者としては、こういう書があると、「ゼロ円」のからくりが見えて、ははーんと楽しめる。
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タダより高いものはない。昔の人はそう言うけど、消費者はタダに飛びついてしまう。
マクドは無料でコーヒーを配る。大学キャンパスでは裏面に広告を載せた用紙で無料コピーを提供する。ネットゲームも、クーポン雑誌も、売春宿も、包茎検査も無料。そんなゼロ円ビジネスで、企業はどうやって儲けるのか。と、興味津々な前フリだが、その説明はだいたい予想通り。
「目から鱗」な本ではない。が、今後も新たなゼロ円ビジネスは現れていくだろう。消費者としては、その裏事情を読み取った上で、そのサービスを利用していくべき。やはり、タダより高いものはないのだ。
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タイトルからしてただのゼロ円(フリー)ビジネスアンチ本っぽいけれども、それだけではなく、世界(もしくは日本)にはどのようなゼロ円ビジネスがあるかとりあげ、その問題点と今後の課題を書いたもの。
チェコにある「ビッグ・シスター」という無料の売春ビジネスに驚愕。こういうビジネスもありなのか。
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今流行りのゼロ円ビジネスについて書かれた本。
しかし、提示される例の多くはありふれたもので一般的で、あまり刺激のないものだった。
読みやすいと言えばそうだけれど。
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フリーペーパーや無料コーヒー、タダコピなどのゼロ円ビジネス。面白いなと思ったのは、チェコで無料の売春宿があるという。宿側はその行為の映像を有料でネット配信することで利益をあげている。
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収益逓増の法則、ネットワークの外部性が効く知識集約型産業では無料で展開する合理性はあるが。
結局のところ、無料を謳うゼロ円ビジネスの大半は、目新しさ、キャッチーさだけで得するものはあまりない。無料を起点に、引き入れた後、その他の商品・サービスで元が取れるように価格が転嫁されているから。
人がなぜ無料に惹かれるのか?
プロスペクト理論、返報性の原理、保有効果、アンカリング効果、バンドワゴン効果といった心理学的、行動経済学的に解説している点が非常に面白かった。
ま、ビジネスに関わる人間は、最低限の行動経済学を学んどくと良いってことかな。良い物も、興味を持ってもらえなきゃ売れない訳だから。
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「ゼロ円ビジネスについて学べる一冊」
ゼロ円ビジネスの紹介、効果、負の部分、今後と本書は構成されている。保有効果が、有料になっても買いつづけることにつながる。同じ値下げ料でも無を手にする。なぜなら、無料には、リスクを問わないからである。
ゼロ円は、顧客を囲い込むための呼び水として、無料のマジックを利用する。
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様々な無料ビジネスの儲けの仕組みが分かりやすく書かれている。無料のサービスを体験してから、有料のサービスを購入してしまう「返報性の原理」「保有効果」などの消費者心理の話は興味深かった。
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広告依存からオプションを割増にする戦略にシフトしてきた話。人が無料に飛びつく理由「返報性の原理」「保有効果」「損しない」など現在の実情の奥が覗ける興味深い話が多く面白かったです。
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前半はまだしも後半はひどい。
いかに0円ビジネスがダメかを語っているが、対象とする0円ビジネスに偏りがあるし、一面しかみられていない。というか、詐欺がらみの話が大半。
つまらない。薄っぺらい。