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投稿者:咲耶子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
弁護士は正義の味方ではないを具現化しているようなキャラ。
高額報酬を請求する、それに見合うくらい依頼人の利益のために手段を選ばない。ある意味、凄腕の弁護士御子柴ちゃん。
ダークキャラだけど魅力にあふれてる。
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弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。「このミス」大賞受賞作家による新たな傑作誕生(「BOOK」データベースより)
いやー、久々に気持ち良くだまされる感覚を味わいましたよ~。
この感覚を味わえるのがミステリの醍醐味ってやつですよね。
主人公の弁護士、御子柴が死体遺棄する場面から物語は始まるのですが、もう始めのこのシーンからどんでん返しの準備ができているわけですよ。
これはこうなるんだろうなぁ。
この人はこういう人で、こういう思いをしてるんだろうなぁ。
みたいな読みが、次から次へとひっくり返されていきます。
うぅ、快感・・・!!
夫殺しの疑惑をかけられた東條美津子・その一人息子で先天性の脳性まひ障害のある幹也・県警捜査一課の古手川と渡瀬(雑学王!大好き!!)・医療少年院の教育担当官・稲見・少年院仲間のうそつき雷也。
キャラクターも一人ひとりがしっかり描かれてます。
「自分以外の弱い者のために闘え。奈落から手を伸ばしている者を救い上げろ。それを繰り返して、やっとお前は罪を償ったことになるんだ」
「人生に面白いもクソもあるか。あるのは懸命に生きたか、そうでないかだ」
特にこの稲見の言葉は重みがありました。
この言葉を受けて、彼が少年院から出所する時、「これから君はどのように生きていこうと思っていますか」の問いに何と答えたのかが気になるところですね。
ラスト近くの法廷部分もドキドキハラハラ。
目の前で裁判が繰り広げられているかのような緊迫感を感じました。
しかもそれで一件落着じゃない所がこれまた憎い。
御子柴と○○との対決。
渡瀬と○○の対決。
どちらもびっくりの連続でした!
ここまで二転三転して驚かされたミステリは最近なかったな~。
こういった感じの裁判もの・刑事もの、また書いてほしいです♪
しかし『魔女は甦る』では所沢、今回は狭山、未読だけど『カエル男』は飯能が舞台らしいのですが、中山さん、この辺りに何か縁でもあるのかしら?
だったらぜひ次回は入間市で一作品、どうでしょうかね~。
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弁護士の御子柴には、殺人を犯した過去があったが・・・
どんでん返しモノのトリッキーさと、贖罪という社会派なテーマがなんだかミスマッチでお腹壊した感じ。
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最後の最後まで騙された。一旦納得したあとのどんでん返しはやはり面白い。
主人公の将来が気になるが、多分大丈夫なんだろう。そう信じたい。
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中山七里さんといえば「さよならドビュッシー」や「おやすみラフマニノフ」を思い浮かべます。 この本の「贖罪の奏鳴曲」というタイトルから新たな音楽小説かな?と思い (本の表紙もグランドピアノのイラストだし)読んでみました。結果、途中で脇役の少女がベートーヴェンの「熱情」を弾くシーンが出てくるのみで、本編とピアノはあまり関係がないように進んでいきます。「一体どこに音楽が出てくるのかな?」と思いながら読みました。そしてすべて読み終えた後に「あぁ!あの少女の演奏が主人公のその後の人生を大きく変え、こういう結果に導いたのか!」と気づかされました。ピアノを弾く者としては、ピアノを始めてたかが1年で「熱情」を弾くという設定には多少無理があるような気もしますが、確かにあの「熱情」という曲には誰かの感情を揺り動かす何かが秘められているかも・・・という気がします。「熱情」好きにはお奨めの1冊。推理小説としてはどんでん返しがありとても面白いです。
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どんでん返しの妙より、その人間のあり様に揺さぶられる。あきらかに神戸の事件をベースにしてると思うが、主人公のような人生が無きにしも非ずなのかと思うと、正直ぞっとした。
中山七里の音楽シーンは、おやすみラフマニノフシリーズでみせた描写と同様、音を文章で表すことがほんとにうまい。
ただ、初版の帯が少々ネタバレ気味なのはどういうことかと…残念。
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人物の掘り下げが浅い。
あと少し…というところで場面が変わり、期待して読み進めても一向に深まらない。
気持ちを音に乗せるのは上手いと思った。
このミスで受賞した作品も読んでみようと思う。
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法外な料金を払えばどんな悪党の弁護も請けるという反面、僅かな報酬しか得られない国選弁護を進んで引き請けるという二面性。そして何より依頼人を護るためならば悪事も辞さない凄腕弁護士、という知的ダークヒーロー物。
冒頭で早々死体遺棄、その直後から容疑で作中ずっと警察に付き纏われる描写は主人公を決して正義の使者と認識させない為のものだろう。しかしそれがまた彼の実際の行動とのアンバランスさを生み、読者に謎めいた興味を与えている。
中盤の過去編はもう少し短縮出来たと思うものの不満はその程度で、展開も早く進むことに暴かれていく彼の内面形成は珍しいものでは無いものの最後まで退屈させない。法廷での逆転劇もシンプルで好感が持てる。
最後の法廷での戦い、そしてそのすぐ後の真相を暴く場面では彼の中の弁護士のあるべき姿というものを垣間見させてくれる。
その姿にはあのブラック・ジャックのような、自分の中に揺るがない意志を持ち相対的なモノに惑わされないという誰もが憧れる強さ、善悪では語れない何かが滲み出ている。その根本が憧れだったり復讐だったり、また贖罪からだったりと色々あるが、何であれそれを貫く彼らは格好いいのだ。
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法廷ミステリーです。
作者の新分野とも言えます。
主人公の弁護士御子柴の生い立ちが結構泣けます。
もちろんラスト近くの法廷シーンは圧巻ですし、最後のどんでん返しもきれいに決まっていると思います。
作者の作品の中では古手川刑事のシリーズにも当たり、
「連続殺人鬼カエル男」の登場人物が絡んだりしますが、
今回は完全に脇役的な古手川より先輩刑事の渡瀬がいいとこ取りでした。
ヒューマンドラマとして、御子柴の過去の一言が気になります。
自分は稲見の言葉を復唱したと信じています。
他作品との関連もありますが、本作だけでものすごく面白い作品で、大当たりでした。
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結構夢中で読んでしまった。普通に面白かったです。この人の「書く」音楽が好き。文字から溢れる旋律がとても綺麗で、今回も熱情が頭の中でずっと響いていた。事件と人物像のどんでん返しも良かったです。全体的に、満足の一冊。[2012.01.18]
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どんでん返しはお見事。色々考えながら読んでたけど、全然気付かなかった。若干後味が悪いので、★みっつ。文章も読みやすいし、悪くないのに、ちょっと浅い感じがするのが残念。
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まさに王道ミステリー小説!
物語は主人公の弁護士「御子柴」と警察の双方から描かれている。埼玉の河川敷で発見された遺体をきっかけに、物語は進み始める。
夫殺しの疑いをかけられた母子、それを弁護する御子柴の過去、そして発見された遺体。それぞれの真実とは!?って感じです。
最後の巻き返しは素晴らしいですが、個人的には法廷のシーンがとても印象的でした。
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最初から「どんでん返し」と銘打たれているミステリなので、それなりに意識して読んだのですが。……これは完全には見抜けないなあ。まさしくどんでん返しです。そういうことだったとは! 少し読後感はどんよりしますが。そう悪くはないなあ。
「更生」とはいったいどういうことなのか、というのがテーマでもあります。たしかに反省しようが何しようが、やったことは取り消せないですからね。そういう点で、「償い」ということの重さや難しさを感じさせられました。
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面白かった。見た目やそれまでの行動だけで人のことを見てしまいがちで、そんな偏見に振り回されてしまうことは現実にも結構多いんだろうな~。
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〈内容〉弁護士・御子柴礼司は、ある晩、記者の死体を遺棄した。死体を調べた警察は、御子柴に辿りつき事情を聴く。だが、彼には死亡推定時刻は法廷にいたという「鉄壁のアリバイ」があった―。「このミス」大賞受賞作家による新たな傑作誕生。