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縮尻鏡三郎(上) みんなのレビュー

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一般書

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みんなのレビュー9件

みんなの評価3.4

評価内訳

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  • 星 1 (0件)
9 件中 1 件~ 9 件を表示

紙の本

ユニークなキャラクターたちが生き生きと動き回るホームドラマ的雰囲気の時代小説

2009/12/01 19:25

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る

「縮尻鏡三郎」シリーズ第一弾。

佐藤雅美氏が描く特徴的なキャラクター「物書同心居眠り紋蔵」に続く、縮尻鏡三郎が活躍するホームドラマ的雰囲気が漂う時代小説。

勘定所の留役にまで昇進していた拝郷鏡三郎は、とある訳により失職して『縮尻御家人』となった。
鏡三郎が縮尻御家人になった理由には、かつての上司・三枝能登守と老中首座・水野出羽守が関わっており、鏡三郎は三枝能登守が探してきた給金五十両というまあまあの待遇で大番屋の元締めに落ち着いた。

大番屋は小伝馬町の牢へ送る前の下調べをする仮牢兼調所。運営は町方の役人だったが、鏡三郎はそこの長である元締めになった。
鏡三郎の仕事は、仮牢への入出数の確認と、恐ろしい小伝馬の牢へ連れて行かれる前になんとか手心を加えて欲しいと、頭を下げに来る親兄弟や店の主人などの頼みを聞くこと。

鏡三郎は元勘定書留役だけあって大抵のことは解決し、さらには幸運に助けられて解決する問題数知れず。
なんだかんだと頼りにされて、かつて問題を解決してやった者の紹介で頼ってきた者、定町廻りや臨時廻りなどから受ける相談事、かつての上司・三枝能登守の依頼事など、さまざまな相談事の解決に鏡三郎が活躍することで物語は展開していく。

本作品の雰囲気は、全体的に鏡三郎を取り巻く人間関係によってほのぼのとしたものを漂わせながらも、鏡三郎が町方に近い大番屋の元締めということもあって、物語は町方からかつての上司つながりで幕府内の問題まで、幅広い問題が描かれているので読んでいて飽きさせない。
また佐藤雅美氏の小説でよく見られる掛け合いのようなテンポのいい会話も魅力的。


「縮尻鏡三郎」はシリーズものだが、本作品上下巻で十分まとまりのある完結を迎えている。

収録されている各話は独立しているものの、大きな流れが各話を貫く連作短編タイプ。
一話目の『春の浜風』では、鏡三郎の現在の状況や仕事ぶり、人物像、鏡三郎を取り巻く環境などを描いた、さわり的な話。
二話目の『思案投げ首』で、ここで扱われている『長崎会所五冊物』という長崎会所がまとめた貿易収支明細が、本作品の大きな流れを作り出しており、関連して鏡三郎が縮尻御家人になった顛末も描かれている重要な話。

以降、鏡三郎の元に持ち込まれたさまざまな問題を解決していく話になるのだが、問題を解決するだけの物語でなく、娘・知穂、地借りをしている津田織部、引合茶屋・矢車屋のおりん、三枝能登守、水野出羽守、北の臨時廻り・梶川三郎兵衛、果ては将軍まで、個性的なキャラクターが登場し、鏡三郎との人間関係が描かれており、賑やかで暖かさを感じさせる。

下巻の最終話では、二話目『思案投げ首』の大きな流れに決着が着くという構成になっているので、読み終えると長編を読み終えたようにスッキリする。

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紙の本

縮尻もまた楽し……?

2011/07/29 12:04

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:saihikarunogo - この投稿者のレビュー一覧を見る

「縮尻」と書いて「しくじり」と読むのがおもしろい。

あの居眠り紋蔵は奉行所の同心で、身分は足軽、「卒」だった。与力は「士」だが、どちらも不浄役人と呼ばれ、奉行所以外の御役につくことはできない。そのかわり、跡取りを15歳ぐらいから見習いにして、実質的に世襲を維持した。跡取り以外は養子の口を探さなければならない。それは旗本御家人も同じ。だから養子の場合は、身分の移動があった。

鏡三郎は旗本榊原家から御家人拝郷家へ養子になり、刻苦勉励して、評定所留役になった。末は勘定奉行にだってなれるかもしれなかった。ところが御役御免の憂き目に遭って縮尻御家人となってしまった。今は、大番屋の元締である。「不浄役人」とどう違う?もっとも、同心たちから敬語を使われているし、評定所の元の同僚と会ったときには両敬で話しているけれど。

居眠り紋蔵には、出世の道が閉ざされた境遇でマイホームパパであることに命をかけているようなところがあり、妻一筋で、どんなに不利不運に見舞われようとも養子を実子と同様に育て上げようとする姿勢が魅力だった。

縮尻鏡三郎は、出世コースに乗っているときはそれを楽しんでいたが、そこから突き落とされてもまた、はぐれてこその面白味を味わっているように見える。

豊富な知識と経験と、そして、なぜか備わっているらしい「ツキ」を頼りにされて、公事宿の主人や同心たちや、引合茶屋矢車屋のおりんや、そもそも縮尻の原因となった元上役の三枝能登守などから、相談事や厄介事を持ち込まれる。

縮尻鏡三郎は、妻を早くに亡くして、年頃の娘知穂と暮らしている。鏡三郎の縁談を知穂がこわしてしまうのがおもしろい。それが結果的に鏡三郎とおりんとの恋を進展させてしまって、いつまでも父との二人暮らしを続けたい知穂にとっては皮肉な結果に……。

おりんは男勝りだが優しい女性でもある。猪牙舟を漕いで浜町河岸の鏡三郎の家まで来るなんて、すてき!

隣人で大家の「世間知らずで、ぐうたらで、ものぐさ」な旗本津田織部とその家族との付き合い、ドタバタもおもしろい。

この小説も他の多くの佐藤雅美作品と同様、大御所時代の物語で、老中水野出羽守や将軍徳川家斉が登場する。このお偉方が問題なのだ。三枝能登守経由で拝郷鏡三郎に押し付けてくる仕事が。以前は、大坂への出張がきっかけで縮尻になった。今度は、長崎に出張させられそうだ。縮尻御家人が更にしくじったらどうなるんだろう……?

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2007/09/23 19:41

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2008/05/13 20:02

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2009/12/09 08:48

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2017/11/10 16:02

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2019/07/19 21:25

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