紙の本
シュールな書きぶりに、本質を突くするどさが感じられる
2009/02/07 21:53
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:JOEL - この投稿者のレビュー一覧を見る
よく売れている本であることは知っていたが、書名からして「ふざけている」と思いこんで敬遠していた。ところが、ようやく手に取ってみたら、これが大当たり。
文章は極めて軽いノリで書かれている。意図的におふざけを決め込んでいるに違いない。だまされないぞと警戒しながら読み進めるうちに、実は核心をつく話ばかりなのに気づかされた。
さすがにアメリカ在住のコラムニストが書いただけのものがたっぷりと詰まっている。世界で一番知られた国のはずなのに、こんなにも実情を知らなかった自分を恥ずかしく思った。
ブッシュ政権末期と大統領選挙最中のオバマ氏が中心人物だが、ブッシュ政権の残像を米国が引きずっているうちに、ぜひとも読んでおきたい1冊と言える。
イラク戦争で泥沼にはまり、拙速な金融危機対策で墓穴を掘ることになったブッシュ政権だが、その裏にひそむ米国の病んだ姿が徹底的にあぶり出される。
日本の端正なメディア情報からはうかがい知れない米国の姿が、こんなにも鮮やかに立ち上がってくるのには驚きさえ覚えた。もっといろんなチャンネルを通じて情報を集めていかなければ・・・、そう自覚させられた。著者のユーモアセンスあふれる筆致と本質を見抜く力に深く脱帽。
ウォルマートの激安は、最低賃金ぎりぎりで生活させられる労働者がいて成り立つこと。医療制度が崩壊し、病人がまともな治療も受けられずに死にゆくこと(マイケル・ムーアの映画『シッコ』の言うとおり)。マイホームを持つことがアメリカンドリームとして位置づけられているがために、今回の住宅バブル崩壊が相当に深刻なこと。笑い転げながら、いろいろ勉強させてもらいました。
著者のセンスは再現できないので、各章の見出しを以下に示します。
序章:アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第一章:暴走する宗教
第二章:デタラメな戦争
第三章:バブル経済と格差社会
第四章:腐った政治
第五章:ウソだらけのメディア
第六章:アメリカを救うのは誰か
終章:アメリカの時代は終わるのか
ペーパーバックの装丁にして、チープな紙質の本に仕上げているのも内容と一致していてマル。
(星5つでもいいのだけど、ノリが軽いので4つとしておきましょう)
紙の本
ペーパーバックの本は、好きです
2008/11/08 17:19
7人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:龍. - この投稿者のレビュー一覧を見る
ペーパーバックの本は、好きです。環境にやさしい。でも、ちょっと残念なのは、縦書きということ。ペパーパックは横書きでなくちゃ。
さて、この本は現代アメリカの政治・経済・宗教・文化についてのコラム集です。ですから、一話完結で読みやすいです。
内容は、タイトルにもあるように「アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない」「イラクで傭兵が使われている」「無一文のガキに2億以上ものかねを貸す銀行」「アメリカ人の体はコーンでできている」など、ちっょと信じられないようなことが書かれています。
このほかにも「ゲイ」の問題や、それにまつわる驚くべきエピソードなど。
真偽のほどは確かめようもありませんが、たぶんほぼ事実なのでしょう。
でも、このようないい加減さで国が構成されているというのは、世界共通。最近、社会保険庁の問題などもありますが、日本はまだ「まし」な方です。
それはそうとして、世界で唯一超大国となったアメリカ。今回のサブプライムショックもあり、その行く末が非常に不安です。
なにしろ日本はアメリカなしでは生きていけない国なのですから。
投資の基本は分散。
外交もリスクを分散することが必要なのは間違いありません。
龍.
http://ameblo.jp/12484/
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ブッシュに関してはジョークだったらいいのに....と思いたい。本当にこんなにバカなんだろうかと。アメリカ、大丈夫か?大丈夫じゃないよな。
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面白可笑しく書いているようではあるけど、核心をついているところもたくさんあって、興味深い。アメリカのことをよく知らない私がこれを鵜呑みするのもいけないだろうけど、ある程度はやっぱり当たってるんだろうなぁ、と。
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簡単に読める本。でもアメリカの意外な側面を垣間見る事ができるので面白い。でもある程度偏ってるということを鑑みながら読まないと色々と誤解する事も多し。
よりアカデミックな感じでアメリカ大衆についての事を知りたいのであれば渡辺将人の「見えないアメリカ」と合わせて読むと尚良。
http://www.amazon.co.jp/%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E7%8F%BE%E4%BB%A3%E6%96%B0%E6%9B%B8-1949-%E6%B8%A1%E8%BE%BA-%E5%B0%86%E4%BA%BA/dp/4062879492%3FSubscriptionId%3D08M7KT9XDNR3N95ANHR2%26tag%3Dbooklog.jp-22%26linkCode%3Dxm2%26camp%3D2025%26creative%3D165953%26creativeASIN%3D4062879492
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アメリカをコケにしたような題名だけど、アメリカ人の半分は本当にニューヨークの場所を知らないのかもしれない。
書かれているのはアメリカのダメな部分やおろかな部分について。そして、それらには「福音派キリスト教徒」の存在が少なからず関係しているようだ。
その実は、アメリカの社会ではニューヨークの場所を教えることができなのではなく、教えない自由、言い換えれば知らないでいる自由を選択している人たちもいるってこと。なんでと思ってしまうけど、それを認めるところが自由の国アメリカらしさでもある。福音派の信者は、基本的に聖書以外のことは知らなくていいと思っている。だから知識や科学を知ろうとはしていない。それだけならまぁいいんだけど、そんな福音派信者がアメリカの約3割を占めているらしい。さらにブッシュが福音派っていうんだからシャレにならない。
頑なに聖書を信じようとする人が住む一方で、自由や成功を夢見る移民が世界中から集まってくる。全く不思議な国だ。
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少数のアメリカ人が世界的な活躍をして、その点を中心としたアメリカ感を持ちがちな昨今、実際はその何万倍もの人たちがどうしているのか、知らずにきているところ。実際のアメリカ人って?アメリカって・・?というところに焦点を当ててみるのも面白いと思って、本書を読んでみているところです。
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【読了】ほとんどがTBSラジオ『Stream』の「コラムの花道」での話題とかぶってますね。この本を読んで興味を持った方は過去のポッドキャストを聞いてみてください!!
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雑学、話のネタに。
声高に「アメリカでは〜」という生意気なやつを古典パンにしたいときのもの。
古典パン、暗記パンみたいなものか。
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かなりおもしろい。
アメリカ人てほんまどーしょーもないなぁって思うw
コルベアの晩餐会での動画も見たけど、
予想以上にすごかったw
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尊敬する映画評論家、町山智浩さんの本。週刊誌のコラムをまとめたもので、すいすい読める内容。
ニューヨークタイムズで知ることができるアメリカを「表のアメリカ」とするなら、この本で知ることができるのは、「裏のアメリカ」だ。そしてもちろん、裏のアメリカを知らずにアメリカを語ることはできない。
前2著「底抜け合衆国―アメリカが最もバカだった4年間」、「USAカニバケツ」でも、それは貫かれており、僕は「裏のアメリカ」を知り、「まじかよ!」と思ったり、読みながら「信じられないよ!」と声を出してしまっていた。
しかし、今回の本のトーンは全2著と違っていた。
つまり、アメリカをなんとか良くしようとする気概が消えていて、アメリカに対するあきらめの気持ちや失望が入っていたような気がするのだ。
サブププライムローン問題の元凶をつくった投資銀行を放置していたり、無益な戦争を遂行するブッシュ大統領に8年間も付き合っていたら、普通の人だったら疲れてしまうよね。
疲れているような気がすると書いた後にこういったことを書くのはなんなのだけれど、町山さんのアメリカ分析は、非常に面白く、読んでいて飽きない。僕なんかは1時間半のあいだ、時間を忘れて読んでしまった。
とにかく彼の著書を読んだことがない人も、またある人も、お勧めの本です!
(おまけ)
実は、彼にはマイミクになってもらっている。暴力的なパブリックイメージがありますが、普段の日記を読むと、ナイスパパで、娘大好きな普通のお父さんです。
これからも町山さんには頑張ってほしい。
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電車ん中で俺でもあっという間に読めてしまった。
内容はアメリカの実態、裏側を分かりやすく、かつマニアックに
語るオタクによるオタクのための本。みたいな。
めっちゃ面白いで見てみ〜。内容めっさ濃いし、読んだら頭よくなるで!
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日本人が知らないアメリカのいろいろなお話。毎回毎回、町山さんのコラムは読んでハッとさせられる。
ブッシュ政権は確かにダメダメだったし、サブプライム問題から始まった不況も確かにひどい。でも、オバマやマケインみたいな人たちが登場するのは希望が持てる。日本はそういうのが感じられないのが問題か。それとも近すぎて見えないのだろうか。
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いくつかある著者のアメリカ文化・生活コラム集の中ではこの本が、アメリカの文化背景の全体像を最もつかみやすいと思う。
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★裏米国事情★時間つぶしに読み始めた立ち読みが止まらず、2回に分けて読破。米国が自己中心的であるとはよく言うが、大衆レベルではここまで内向きなのかなあ。選挙のたびにゲイや中絶が大きなテーマになり、どうにも米国の資本主義の荒々しさとそぐわないとずっと感じていた。キリスト教福音派が田舎にはそんなにも多く、知識に対する嫌悪があり、さらに意味不明なまでの純潔信仰が根強いと指摘する。米国は振れ幅が大きすぎる。