紙の本
二つの闇の世界の融合
2003/02/11 11:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:河内の藍影 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『鬼平』の盗賊と、『仕掛人・藤枝梅安』の仕掛人。
交わりそうで交わることのなかったこの二つが、この小説では複雑に絡み合う。盗賊と仕掛人、それぞれの世界の掟、争いが、人知れず巻き起こる江戸。その中に巻き込まれていく、記憶喪失の若い浪人・谷川弥太郎。そして、彼を発見し、彼の命を助ける弥平次。偶然の出会いだったが、時が経ち、二人は江戸でまた偶然出会う、それは闇の世界で…。
池波さんは、下町の人たちの心配りや人情を大切にしていらした方で、作品にもそれがあふれている。「鬼平」の長谷川平蔵、「剣客商売」の秋山小兵衛、そして仕掛人・藤枝梅安。結局3人は自分自身で、分身だと語られたそうだ。
ここに出てくる盗賊の小頭・弥平次も、鬼平や秋山小兵衛のように、懐が広くて、人間が大きい。他人を思いやり、それでいて人につけいらず、ふみこみはしない。そんな池波さんのダンディリズムがここにも語られていて、弥平次も池波さん自身として書かれているのだろうと感じた。
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(上下読了して)ラストシーンがいい。いい歳になっても、まだまだ池波作品は自分には早いような気がしてしまう。
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「闇は知っている」に続く江戸の暗黒街を舞台にした長編。
記憶を失った若い浪人のその後の生活、数奇な運命をとおして仕掛人として江戸の町で暗躍する姿が・・・。
下巻への関心が高まる。
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CSの時代劇専門チャンネルで
オリジナル長編作品としてやってたのを
昨年観て
こいつぁーおもしれぇ!!!と。
いうことで
原作も読んでみようかな、と思い
手にした闇の狩人。
ありがたいことに
全然原作レイプじゃなかった!
流石です、時代劇専門チャンネル!
あなた最高!と伝えたい。
最近のやつにしてはレア。
で、話的には記憶喪失な侍から話が始まる。
盗賊と仕掛け人との間に挟まるような
ドラマは鬼平外伝というタイトルだけども
まぁ正解!という感じ。
人間の業とか欲とか
でも優しさとか情とか
全部交差していく感じ。
お天道様に背を向けるような
それぞれの生活してる人が中心なのだけれども
だからこそ面白いというか。
そんな感じ。
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池波先生、自分の中で第2弾。雲霧が面白かったので盗賊ものを選んでみた。仕掛人も登場する豪華キャストのようだ。2015/8読了。
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L 闇の狩人上
すでに下地はあるので盗賊用語もばっちり。読む前に鬼平あたりで予習しておこう!的な。
お頭と子分の関係などスンナリ読めます。
上巻はすべてが途中なのでさっさと読み飛ばしたくなってしまう。弥平次と弥太郎。名前似すぎで何度も読み返したりしてしまう。
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記憶を失くし自身が何者かもわからぬ青年を助けた主人公、盗賊の弥平次の物語。かつての盗賊の一団や香具師の一団が隠れ家を変えたり尾行を重ねたりしながら一触即発の気配がスリリング。2020.11.21
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盗賊の小頭.雲津の弥平次と記憶喪失の若い浪人.谷川弥太郎との出会いから、再会まで。下巻はどうなるのか、早く読みたい!
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盗賊と記憶喪失の殺し屋と香具師とかの話。
裏世界の話なのに爽やか。
「元長」って、剣客商売に出てくるアレ…でしょうね、たぶん。