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2011/05/07:『むかしの味』はお店の紹介がメインですが、こちらは池波さんの食事に絡むエピソードにより重点が置かれています。
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様々な土地を訪れ、食を味わう喜び。食への貪欲さ。
読んでいるだけで幸せな気分になり、その情景が浮かび上がる。
しかし一番の読み所は、
池波の食とそれを取り巻く出会いや日常の些細な事件との結びつきにある。
豊かな食事は、
≪誰と食べるか、いつ食べるか、どこで食べるか、何を思うか≫
に関わっていて、
そんな情景と共に食の記憶が呼び起こされるのであろう。
〔だるま〕大阪・千日前の辻、東へ入る
季節のお惣菜とビール
出勤前のホステス。一人腹ごしらえ。
それを見ながらビールをちびる池波。
(p.125)
〔とんき〕東京・目黒
カツレツとおかわり無料のキャベツ
心地の良い女の子たちの接客
何年もとんきで働き続けたいと思わせるとんきの主人(あるじ)の人柄
(pp.151-5)
〔木村旅館〕兵庫・播磨の室津
御崎の漁港から小舟に揺られ、老船頭と酒一升瓶。
海沿いの座敷。タコの酢の物と酒二合。
よちよちと運ばれた穴子の親子丼。そしてつかの間のうたた寝。
倍の五百円を頑として受け取ろうとしない老婆。
(pp.71-5)
〔東大寺〕奈良
夜の宴。結解料理。昔にならった演出。
百目蝋燭の食卓と物腰柔らかな二人の給仕人
はらわたへ沁みわたる酒
塩、醤油、油が貴重な時代の豊かな食を堪能。
(pp.291-6)
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古本屋で購入。
食べ物に向き合う姿勢がなんとも絶妙なのだ。小難しく批評するでもなし、ただ誉めちぎるでもなし、食をまつりあげようとするでもない。
「まぁ、食べるものというのはだね」てな感じで、心ゆるく語られる本なのだ。
繰り返される毎日の中で、一番身近に感じられるハレの瞬間、それが食卓なのだろう。
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しかしよく食べるな・・世の中一般の評価を気にすることも無く、あくまでも自分の好みで論じているので好感がもてるエッセイ。
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好きな本の一冊。
作家の食にまつわる本はいつだって好きだけれど、池波先生のおいしいものへの愛情あふれる描写が好き。
この本に、名古屋、桑名(多度)、あまつさえその流れで自分の地元が出てきたことにはアガった。
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各地の美味しいものを、情緒あふれる描写している。夜読むとお腹空いて寝られなくなりますので、注意!
良書です。
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今日の日経の社説に池波正太郎さんの年賀状エピソードが書いてあったので、また読みたくなった。
表紙がかわいい。
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池波正太郎著 食卓の情景改版読了。ここの所、池波先生の名著を読むのがマイブームになっていますが、以前この日記でも取り上げた事のある、「 散歩のとき何か食べたくなって 新潮文庫 改版 / 池波正太郎 イケナミショウタロウ 【文庫】」(散歩のとき何か食べたくなって - Dance1988の日記参照)、「江戸の味を食べたくなって」(江戸の味を食べたくなって - Dance1988の日記参照)同様、「食」をテーマにしたエッセイ集なのであります。昭和40年代に「週刊朝日」に連載されていたもので、池波先生の食のエッセイの原点とも言うべき名著ですよね。
一通り読破してみて感じるのは、これは単なるグルメ本などではなく、昭和の時代の東京人の生活や文化を幅広く捉えた含蓄溢れる一冊であるという事だろう。一見何気ない一つの料理や食材を取り上げているようでありながら、それを取り巻く広がりを持った世界が実にさりげなく、意味深く描かれている。且つ読み込めば読み込むほどに実に奥深く心に響く。幾多の名店や逸品も紹介されており、インターネットなどなかった黄金の昭和の時代には、貪るように読んだ若者も実に多かった事であろう。
本当の名著というものは、熟成していくワインのようにその味や香りも年々変化していくものだと思う。「食卓の情景」で池波先生は、昭和の時代から見た世の中の変化というもの、特に江戸時代から受け継がれてきた「日本の伝統的な食文化」が急速に失われつつある事などを昭和の時代の視点で書き綴られている。様々な情報が身近に溢れている平成の時代。我々は「食卓の情景」から何を学べばよいのだろうか?きっと平成の時代に生きる我々なりの読み方、捉え方があるはずだ。それは著者の「あとがき」の最後の一節にいみじくも示唆されているように思う。
「いま、日本人の食生活は、私どものような年齢に達した者から見ると、激変しつつある。近い将来に、われわれと食物の関係は、おもいもかけなかった状態へ突入するかも知れない。ゆえに、この「食卓の情景」が、あるいは記録としての意味をもつようになるかも知れぬ。呵呵...............。 昭和四十八年春」
【Dance1988の日記】
http://d.hatena.ne.jp/Dance1988/20120321
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作家の食事事情に興味があって。
時代は違うけどこの大先生にもかなりのこだわりがあった。
食のエッセイは好きですが、これもなかなか面白かった。
この作品書いてるときはこんなんだったのか、とちょっとしたお得感が。
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この人の書く文章は滋養がある。情景がある。文化がある。
そんな人が食い物について書くのだ。面白くないわけがない。
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ブクブク交換でいただいた1冊。
池波さんの“食”へのこだわりがつまっています。
もうただひたすらに、美味しそうです。
津々浦々の食べ物と、それにまつわるエピソード。
結構“やんちゃ”してたのだなぁ、なんて風にも。
池波さんの著作群からわきたつ“食の匂い”、
それは実体験から来ているのだなぁ、とも。
昭和の香りを色濃く感じる、そんな1冊です。
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父所有の『剣客商売』シリーズを密かに拝借していた子供時代、秋山父子の魅力と共に惹きつけられたのが美味しそうな食事の描写でした。
この随筆も読んでいるだけでお腹が空いてくるのですが、それと同時に日本の景色や情緒が失われていくことへの悲しみもしみじみと綴られています。
池波先生が今の日本を見たらどうお思いになるでしょうか…
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2012.7.9 推薦者:なこちー(http://ayatsumugi.blog52.fc2.com/blog-entry-160.html)
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初、池波正太郎かな?w しみじみよい♪食べ物の食べ方や好みで、人ってわかりますよねー。「マティーニ・オン・ザ・ロック」もお好きらしく、親近感が沸くw
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簡潔な文章だが、情景がありありと浮かぶ。食通と言われる池波正太郎の足跡を辿ってみたいと思わせる一冊。